【海外旅行】若者の旅行離れの理由!データや論文から見る減少の割合と問題

クロアチアの人
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近頃「若者の海外旅行離れが深刻」という噂がまことしやかに囁かれています。お金や休みを理由に外国に行きたくてもいけない若者が溢れています。長引く不況が続く現代、若年層の旅行離れは止まる気配がありません。ではなぜ夢に満ち溢れているはずのZ世代が世界へと旅立たなくなってしまったのでしょうか?

今回は海外旅行など若者の旅行離れの理由を調査しました。ここではデータや論文から見る減少の割合と問題も共有いたします。併せて若い人たちの旅行離れ対策もまとめるので、旅行離れが進む背景が気になる方はぜひ最後までお読みいただけると幸いです。

はるまる

若者は今を生きるのに精一杯で「海外旅行に行きたくても行けない」ってのが正直なところだと思う。

ぴちどん

この記事では「若者の旅行離れの理由」「データや論文から見る減少の割合と問題」をまとめるよ!

目次

1.若者の海外旅行離れが深刻!

ニュージーランドのフッカーバレートラック

まずは若者の海外旅行離れが深刻なのかをまとめます。

もともと日本は1639年~1853年まで鎖国していた国ではあったものの、1964年に海外渡航自由化が決定したことで一躍海外旅行ブームが巻き起こりました。その後も外国への渡航者は右肩上がり、2019年には統計史上初の2,000万人を突破したとされています。この数値は若者に絞ったデータではありませんが、2019年だけで実に2,008万0,669人にも及ぶ日本人が海を渡ったとされています。

以下はそんな海外旅行解禁から5年ごとの海外渡航者数の推移を外務省・法務省・日本政府観光局の情報からまとめたものです。この統計を見る限り海外旅行はまだまだ下火ではないことがわかるのではないでしょうか?

日本人の海外渡航者数の推移
  • 1965年:15万8,827人
  • 1970年:66万3,467人
  • 1975年:246万6,326人
  • 1980年:390万9,333人
  • 1985年:494万8,366人
  • 1990年:1,099万7,431人
  • 1995年:1,529万8,125人
  • 2000年:1,781万8,590人
  • 2005年:1,740万3,565人
  • 2010年:1,663万7,224人
  • 2015年:1,621万3,789人
  • 2019年:2,008万0,669人
  • 2020年:317万4,219人
参考文献

以上の統計を見ると海外旅行の自由化により世界へ渡る人が年々激増していたことがわかります。2020年は感染症の影響で激減したものの、2019年までは若者含め外国へ旅立つ人が数千万人単位でいたわけです。

もし感染症のパンデミックがなければ、若者の旅行離れは進むどころか退いていたかもしれません。

その一方で観光庁の動向調査を見てみると20代~30代の男性で2人に1人、同じ年代の女性で3人に1人が旅行していないという論文も出ているのだとか。これは高齢者の増加に伴って老年層の渡航が増えた反面、逆に若者の減少に伴って若年層の渡航が減ったことが影響しているとも言えるでしょう。

つまりは少子高齢化もまた若者の旅行離れの原因となっているわけです。

ただ、逆に言えば若い男性の2人に1人、若い女性の3人に2人が旅行しているという見方も可能です。そう考えるとむしろ旅行離れの兆候こそ見られるものの……まだまだ旅行業界は衰退していないと断言できるのではないでしょうか?

はるまる

旅行業界にも人が戻ってきているようだし、これからはさらに若者も旅に出てくれるんじゃないかな。

ぴちどん

お金や休みの問題もあるけど、若い世代がもっと外国に旅立ってくれたら旅行業界も安泰だと思う。

2.若者の旅行離れの理由

モロッコの人

ここからは若者の旅行離れの理由をまとめます。

若者の旅行離れの理由
  • お金がないから
  • 休みがないから
  • 治安が気になるから
  • 言葉が話せないから
  • 身支度が大変だから
  • 他の娯楽で十分だから
  • 画像や動画で十分だから
  • 無理して行く気になれないから

若年層が旅をしなくなった理由を見る限り、正直「行きたくない」というより「行きたくても行けない」というのが実態と言えそうです。ここではそれぞれの内容について詳しくまとめるので、どのような背景が見え隠れしているのか覗いてみましょう。

2-1.お金がないから

旅行にはある程度のお金が必要となります。国内旅行ならまだしも海外旅行となると数万円~数十万円はかかります。仮に10万円で行けるとしても普通の金銭感覚からすれば結構な大金です。

管理人のような底辺ライターが10万円稼ぐためには……一体全体何万字の文章を書けば良いのでしょうか。死に物狂いで記事を作って必死に貯めたお金で旅行している管理人にとって、旅の資金の有無は死活問題です。

金欠な若者にとってお金がないというのは旅行離れの原因の1つです。旅は先立つものがないと行けません。その先立つものすらないZ世代も一定数存在するということなのかもしれません。

2-2.休みがないから

旅行にはある程度の休みも必要です。国内旅行ならともかく海外旅行となれば数日~数週間はかかります。仮に5日間で行けるとしても良心の呵責でなかなかまとまった休暇が取れないこともあります。

多忙な日々を過ごす若者は勉強や仕事に忙殺され、休めるのも週末の1日~2日だけ……そんな中「バカンスに行ってきます」などとは口が裂けても言えない若年層もいるのではないでしょうか。管理人もフリーランスということで、路頭に迷いたくないという恐怖心からか常にオーバーワーク気味です。

毎日忙しい若者にとって休みがないというのも旅行離れの原因の1つと言えます。中には若い頃は一生懸命働いて、定年を迎えてから世界を旅するというシルバートラベラーもいたりいなかったり。

2-3.治安が気になるから

海外旅行を躊躇わせる要素の1つ、それが治安です。

いかんせん海外で事件に巻き込まれるのは怖いものです。国によっては日本と比べ物にならないほどテロも発生していて、何かしらの犯罪に巻き込まれる可能性も否めません。その手の治安を理由に海外旅行を避ける若者もいるとのことです。

命より大切なものはないからこそ治安で判断するのは賢明です。

2-4.言葉が話せないから

海外旅行を尻込みさせる要素の1つ、それが言葉です。

どうしても海外で意思疎通できないのは恐ろしいものです。国によっては日本語はおろか英語すら通用しないこともあり、何らかの問題が発生する確率も否めません。その手の言葉を理由に海外旅行を避ける若者もいるとのことです。

言語は万能ではないからこそ言葉で判断するのも無難です。

2-5.身支度が大変だから

身支度が大変というのも旅行離れの背景に関係しています。海外旅行では現地に旅立つ前に情報収集や物資調達、旅程調節などが必須です。ツアーならすべて代行してもらえますが、個人だと何から何まで自分でやらなくてはなりません。

その身支度が手間で面倒だと感じる若い人も一定数存在します。管理人としてはこんなことを言う若者がいたら肩をぎゅっと掴んで「準備が一番楽しいんでしょ」と揺さぶってやるところですが、厚み10cmの断熱材に覆われた“防壁世代”にそのような情熱など通用しません。

海外旅行は身支度が楽しいものですが、そのワクワク感に惹かれない世代もいます。

2-6.他の娯楽で十分だから

日本には娯楽が溢れています。ショッピングにファッション、カラオケにスポーツ、ゲームにSNS……さらには映画や音楽、読書や料理に至るまで無数の娯楽が揃っています。

であれば「海外旅行?他にやることあるからいいや」となってもおかしくありません。入念な計画が必要な海外旅行に比べ、街に出ればショッピングもファッションもカラオケもスポーツも遊び放題です。家にいてもゲームやSNSで友達と交流できるし、1人でも映画や音楽や読書や料理に没頭できます。

その手の他の娯楽に旅行が侵食されたというのも旅行離れの一因と考えられます。

2-7.画像や動画で十分だから

インターネット上には世界に関する画像や動画が溢れています。例えば「世界の絶景画像」「世界の面白動画」と検索すれば、すぐに海外で撮影されたコンテンツを閲覧できます。

良くも悪くもそうやってすぐに世界を覗ける世の中になってしまったのも旅行離れを加速させた一因と言えます。旅好きからすると「自分の目で見ることに価値がある」と言いたいところですが、“ググり世代”は「検索した方が楽じゃん」となるわけです。

ただ、だからこそ管理人は声を大にして言いたいのです……「生はやっべぇぞ」と!

2-8.無理して行く気になれないから

「旅=人生」という旅人は定期的に旅行しないと死んでしまいます。まさに旅は人生そのもの……そのため、無理をしてでも旅に出てしまうわけです。

生粋の旅人はお金がなくとも休みがなくとも旅を続けます。それこそマリー・アントワネットのように「お金も休みも作ればいいじゃない」と言わんばかりに!

ただ、海外旅行に惹かれない若者は「無理をしてまで行く気にはなれない」と思っているとのこと。彼らにとっては何万円も何十万円も払って旅をするより、背伸びせずに今ある幸せを掴む方がずっと価値があると思っているのかもしれません。

管理人は外国の写真を見て「行ってみたい」と思ったり、絶品グルメを見て「食べてみたい」と思ったりします。それが旅の原動力になるものですが、そもそも好奇心のない若者にはそのような感情すら生まれないものなのかもしれません。

はるまる

数え切れないほどの原因が重なることで若者の海外旅行離れが進んでるのかも!

ぴちどん

「好奇心は身を滅ぼす」なんて言葉もあるけど、好奇心こそ人生を楽しむ種なのさ。

3.若者の旅行離れの対策

グアムのフィッシュアイマリンパーク

ここからは若者の旅行離れの対策をまとめます。

……と言いたいところですが、若者の旅行離れを食い止める対策が果たして存在するのでしょうか。

若年層の中にも毎年海外旅行に行く人がいます。中には休学してバックパッカーとして世界一周する学生や退職してピースボートで世界一周する社会人もいるでしょう。そういった意味では単に「行きたい人が行って行きたくない人は行かない」というのが実情となります。

もちろん、若者がお金を稼いで休みを取れるようになればある程度は旅行離れも鈍化するでしょう。

ただ、治安が気になる人や言葉が話せない人はそもそも旅に出る勇気がなかなか出ません。身支度が大変というのもありますし、何より現代は他の娯楽に溢れ、誰もが写真などを通して異国の地を覗ける時代です。ゆえに「無理して行く気にはなれない」という若者もいることでしょう。

そのため、具体的な旅行離れの対策としては若者が旅行離れするに至った原因を1つずつ解消していくしかないのかもしれません。

はるまる

個人的には「海外には興味あるけど予算や時間がない」という若年層が大半だと思う。

ぴちどん

こればかりは国が対策してどうにかできる問題じゃないのかも。

4.若者が惹かれるもの・離れるもの

ベルギーのグッズ

最後に若者が惹かれるもの・離れるものをまとめます。

現代の若者は一体どのようなものに関心や興味を惹かれるのでしょうか。これに関しては人によって百人百様ですが、若年層は比較的「身近な楽しみ」に惹かれる傾向が強いとされています。

若者が惹かれるもの
  • ショッピング
  • ファッション
  • カラオケ
  • スポーツ
  • ゲーム
  • SNS
  • 映画
  • 音楽
  • 読書
  • 料理

複数のアンケートを参照した結果、若い人ほど気軽にできる趣味に惹かれる傾向が見られました。1日あれば満喫できる手軽な娯楽ほど若い人たちを魅了している傾向にあります。

逆に海外旅行のようにまとまった日取りが求められるものは優先順位も低いようです。調査対象によっては旅行も趣味の1つとして換算されているものの、近年は他の趣味に流れつつあります。例えば、誰もがブログやSNSなどで発信者・配信者になったことで単に消費することよりも創作することに対しての意欲が高くなっているとも言えます。

若者が離れるもの
  • お酒
  • タバコ
  • ギャンブル
  • ブランド
  • コンビニ
  • テレビ
  • 旅行
  • 仕事
  • 恋愛

かつて海外旅行は若者の憧れだった……はずなのですが、最近では旅行離れの傾向にある若年層が減るどころか増えているようです。世界へ抱く夢を語ろうものなら「何それ?」と嘲笑されてしまうこともあるくらいです。

他にもZ世代は日常生活の様々なものから離れています。運動不足の人がたまにはしゃいだ拍子に肉離れを起こしてしまうくらいとにもかくにも離れすぎです。

ただ、今を生きる若者は見栄で何かを所有することに価値を見出していないのかもしれません。

中には家・車を持つ若者もいればお酒・タバコ・ギャンブルに溺れる若者もいます。若年層ながらブランド品を買い漁り、毎日同じコンビニ弁当を食べ、お気に入りのテレビ番組を見て過ごす人だっています。旅行三昧や仕事一筋、恋愛中毒なキラキラZ世代もいることでしょう。

それでもかつてステータスだった娯楽の価値が徐々に薄れてきているわけです。

世間には「無駄のない暮らし」を推奨するミニマリスト本が立ち並び、無駄遣いしない生活を送る“省エネ世代”が勢力を拡大しています。“悟り世代”なるものも台頭しています。現代はより浪費するなら貯金、貯蓄するなら投資という思考にシフトしてきているとも言えるでしょう。

他方、本当は「贅沢したいけれどできない」という層もいると管理人は睨んでいます。海外旅行に限らず“離れざるを得なかった層”が一定数存在するということなのかもしれません。

はるまる

どんな趣味を持つかも人それぞれ。

ぴちどん

娯楽の数だけファンがいて、何に力を注ぐかも十人十色。

5.まとめ

今回は海外旅行など若者の旅行離れの理由、データや論文から見る減少の割合と問題をまとめました。

海外旅行は何度も空前の大ブームを巻き起こし、かつては数十万人~数百万人だけでなく数千万人単位の人々が世界へと渡るほどでした。その中には大志を抱いて世界に旅立った若者もいたはずです。対して若年層の海外旅行離れが深刻と言われて久しい現代、旅行業界は苦境に立たされています。

時代の変化により物事の趣向が変わったのはもちろん、贅沢することに対して罪悪感を抱く若者もいるのかもしれません。それでも若年層の中には世界に憧れて旅に出る人たちもいます。夢に心を燃やす若者がいる限り、旅行業界は安泰です。今は厳しくとも、いつかきっと……その先に人生を変える何かが待っているはず。

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クロアチアの人

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