海外旅行は「なんでもあり」と勘違いしてしまう方がいます。未成年の中には「外国なら飲酒・喫煙してもいい」と自由の意味を履き違えてしまう人もおり、やんちゃな遊びに憧れる人までいるほどです。ただ、未成年のお酒やタバコには法律・罰則があるので、注意しなければなりません。
今回は海外旅行で未成年は飲酒・喫煙できるのかを調査しました。ここではお酒・タバコに関する法律や罰則も共有いたします。併せて国別の法律・罰則の一例や未成年飲酒・未成年喫煙の注意点もまとめるので、未成年の制限が気になる方はぜひ最後までお読みいただけると幸いです。
未成年でも飲めない・吸えないことはないけど法律や罰則がある!
この記事では「未成年は飲酒・喫煙できるのか」「お酒・タバコに関する法律・罰則と影響」をまとめるよ!
1.海外旅行で未成年は飲酒・喫煙できる?
まずは海外旅行で未成年は飲酒・喫煙できるのかをまとめます。
- 飲酒:国による
- 喫煙:国による
結論を先に言うと、海外旅行での未成年飲酒・未成年喫煙は渡航先の決まりに従う形となります。
つまり、未成年の飲酒・喫煙が可能かどうかは国によるというのが結論です。
例えば、日本では成人年齢が18歳に引き下げられましたが「飲酒・喫煙は20歳から」と据え置きのままです。外国もその国ごとに飲酒・喫煙の年齢が定められており、渡航者は現地の法令・条例に従うのが原則とされています。
仮に、アメリカの場合は大半の州が「飲酒・喫煙は21歳から」としているため、20歳の日本人が渡航したとしても飲酒・喫煙は原則禁止となります。ただし、一部の州では19歳であればお酒・タバコが許可されているので、20歳であっても問題なく飲酒・喫煙が可能です。
このように飲酒可能年齢・喫煙可能年齢は国ごとに千差万別と言えるでしょう。
観光客・旅行者には現地の決まりが適用されるということ!
「日本では合法だから」と主張しても通用しないから要注意!
2.未成年のお酒・タバコに関する法律や罰則
ここからは未成年のお酒・タバコに関する法律や罰則をまとめます。
- お酒:法律・罰則あり
- 喫煙:法律・罰則あり
日本ではお酒・タバコに関する法律・罰則は20歳を基準としています。成人年齢は18歳に引き下げられましたが、飲酒可能年齢・喫煙可能年齢の引き下げは実現していません。つまり、日本では仮に18歳で成人したとしても20歳になるまでは飲んでも吸ってもいけない決まりとなっているわけです。
国も未成年の飲酒・喫煙は「未成年者飲酒禁止法」「未成年者喫煙禁止法」によって禁じています。万が一、この法律に違反した場合は罰則も設けられているので要注意です。
- 親や親の代理をする者は監督する未成年者の飲酒・喫煙を制止しなければならない
- お酒・タバコを扱う飲食業者や販売業者は未成年者が飲む・吸うことを知りながら提供してはならない
①に違反した場合は科料(軽い刑事罰)、②に違反した場合は50万円以下の罰金が課せられます。
法令・条例は国ごとに定めらており、法律に違反した場合は罰則が科せられる可能性があります。そのため、未成年が渡航する場合は現地で飲酒・喫煙しないよう保護者が指導しなければなりません。
「捕まらないから大丈夫」なんて無責任なことを言う人もいるけど、外国には日本より重い法律・罰則がある可能性も!
取り返しのつかないことにならないよう、現地の決まりは渡航前に確認しておくのがおすすめ!
3.国別の法律・罰則の一例
ここからは国別の法律・罰則の一例をまとめます。
- アメリカ
- 韓国
- 台湾
- 例外
国によって未成年者の扱いは変わるため、渡航先の条件はあらかじめ調査しておくのが賢明です。ここでは日本人がよく行く国を3つほどピックアップして紹介します。
3-1.アメリカ
- 飲酒:21歳から(一部州を除く)
- 喫煙:21歳から(一部州を除く)
アメリカでは飲酒・喫煙が21歳からと決まっています。もちろん、現地で未成年者が飲酒・喫煙した程度であれば厳重注意で終わることがほとんどですが、悪質と判断された場合は罰金となる可能性もゼロではありません。
なお、アメリカは飲酒・喫煙した本人よりも未成年者側にお酒・タバコを提供した店側が罰せられる仕組みとなっています。警察は抜き打ちで定期的に検査しており、おとり捜査で未成年に販売していないか調査する場合もあるそうです。
ゆえに、現地では警察より店員の方が未成年者のお酒・タバコに対して厳しく接する傾向にあるのだとか。州によっては路上での飲酒・喫煙を取り締まっているところもあるのでご注意を!
3-2.韓国
- 飲酒:19歳から
- 喫煙:19歳から
韓国では飲酒も喫煙も19歳からOKとされています。そのため、日本よりも1歳ほど早く飲酒・喫煙デビューできます。ただし、日本では18歳未満が未成年に該当するので、韓国で未成年の日本人が飲酒・喫煙することはできません。
3-3.台湾
- 飲酒:18歳から
- 喫煙:18歳から
台湾では飲酒も喫煙も18歳からOKとされています。そのため、日本よりも2歳ほど早く飲酒・喫煙デビューできます。ただし、日本では18歳未満が未成年に該当するので、台湾も未成年の日本人が飲酒・喫煙することはできません。
3-4.例外
未成年飲酒は国によって法律・罰則が異なります。
例えば、イギリス・フランス・ドイツなどは16歳からビール・ワインなどの飲酒が許可されている一方、一部の蒸留酒は18歳からなど独自の法律・罰則が設けられています。逆にエジプトなどではビールのみ18歳からOKなものの、ワインや蒸留酒は21歳からなど国ごとにまちまちです。
未成年喫煙も国によって法律・罰則が違います。
例えば、イギリス(イングランドとウェールズ)・スイス(一部地域)・ベルギーでは16歳から喫煙が許可されています。モロッコも16歳からタバコがOKとされており、中にはモンゴルのように15歳からOKという国まで存在するくらいです。
ただし、違法薬物は例外です。
例えば、カナダなどでは大麻が合法化されていますが、日本人が現地で大麻を使用するのは禁止されています。日本の「大麻取締法」にて「国外においても大麻を栽培・所持・譲受(購入を含む)を行うことは違法」と明言されているため、現地で違法薬物に手を出せば逮捕されます。
お酒やタバコは国によって年齢も差があるんだね!
違法薬物は国外においても禁止とされているから絶対ダメだよ!
4.未成年飲酒・未成年喫煙の注意点
最後に未成年飲酒・未成年喫煙の注意点をまとめます。
- 身体的な影響
- 精神的な影響
- 社会的な影響
未成年者が飲酒・喫煙する場合、注意しておかねばならないことがいくつかあります。
4-1.身体的な影響
未成年飲酒の影響 | 未成年喫煙の影響 |
---|---|
アルコール中毒 | 胃潰瘍 |
肝臓障害 | 気管支炎 |
膵臓障害 | 歯周病 |
性腺障害 | 心筋梗塞 |
脳障害 | 脳卒中 |
未成年飲酒や未成年喫煙は体に悪影響があります。
例えば、海外旅行でテンションが上がってお酒を飲み過ぎるとアルコール中毒・肝臓障害・膵臓障害・性腺障害・脳障害を引き起こすリスクがあるため注意しましょう。
他にも、海外旅行で背伸びしたいからとタバコを吸い過ぎると胃潰瘍・気管支炎・歯周病・心筋梗塞・脳卒中を引き起こすリスクがあるので気を付けてください。
飲酒は気力の低下だけでなく肝臓がんを誘発する可能性がある他、喫煙は体力の低下だけでなく肺がんを誘発する可能性があります。未成年者は子供から大人へと成長している途中ということもあり、飲酒・喫煙の影響も比較的受けやすいのが特徴です。
4-2.精神的な影響
未成年飲酒の影響 | 未成年喫煙の影響 |
---|---|
アルコール依存症 | ニコチン依存症 |
未成年飲酒や未成年喫煙は心にも悪影響があります。
未成年飲酒はアルコール依存症、未成年喫煙はニコチン依存症を発症する可能性があるとされています。若い頃からお酒・タバコを愛用している人ほどその傾向が強いという研究結果も出ており、未成年者の飲酒・喫煙にはリスクが伴うとのことです。
一度依存症になるとなかなか抜け出せないため、若い頃の飲酒・喫煙はほどほどに!
4-3.社会的な影響
お酒やタバコは社会的な悪影響もあります。
人によってはお酒やタバコで過去にトラブルを起こした人もいるのではないでしょうか。未成年は自制が効きにくい分、過度な飲酒・喫煙に走りやすくトラブルを起こしてしまう人も後を絶ちません。
その結果、社会的な立場を失うこともなきにしもあらず。未成年に限らず、海外旅行では飲酒・喫煙でトラブルを起こす人もいるため、くれぐれも飲み過ぎ・吸い過ぎには注意しましょう。
未成年の飲酒・喫煙は百害あって一利なし!
若いほどお酒・タバコの影響を受けやすいから気を付けて!
5.まとめ
今回は海外旅行で未成年は飲酒・喫煙できるのか、お酒・タバコに関する法律や罰則をまとめました。
海外旅行は自由への開放……日本ではできないこともできてしまうのが特徴です。しかし、それは法令・条例を破って構わないということではありません。むしろ、現地ではその国ごとの法律・罰則が設けられているため、決まりを破ると違法行為とみなされることもあります。
未成年の飲酒や喫煙は国ごとに条件が変わるので、渡航先がどのような制限をかけているのか把握せねばなりません。未成年がお酒やタバコに憧れる気持ちもわからなくはないですが、国によっては重たい罰が待っている可能性も否めません。くれぐれも気を付けておきましょう。