エジプトの最高神ホルスに捧げられた古代遺跡、それがエドフ神殿です。数ある古代エジプトの遺跡の中でも保存状態の良さで知られるエドフ神殿は別名ホルス神殿とも呼ばれ、エジプト神話の謎を解く手がかりとなった観光スポットです。
今回はエジプトにあるエドフ神殿の観光情報をまとめます。ここでは概要・予算・時間・場所・気候・服装・治安・注意点の他、実際に訪れた管理人が厳選した見どころも紹介します。記事の最後には体験談もあるので、ぜひ海外旅行の計画にお役立てください。
エドフ神殿は古代文明の扉を開く鍵となった場所!
この記事では「エジプトにあるエドフ神殿の観光情報」「塔門やホルス像の見どころ」をまとめるよ!
1.エドフ神殿の概要
まずはエドフ神殿の概要を見ていきましょう。
- 国:エジプト
- 地域:エドフ
- 特徴:世界遺産/遺跡
- 目玉:塔門/ホルス像
- 方法:個人/ツアー
- おすすめ度:
エドフ神殿はナイル川沿いに築かれた巨大な塔門が目印の神殿です。最高神の一角であるハヤブサ神ホルスに捧げられたこの神殿はエジプトで最も保存状態の良い古代遺跡の1つで、砂漠に眠る古代遺跡の謎を解く鍵となった観光スポットとして知られています。
建造されたのはプトレマイオス朝時代、紀元前237年~57年頃。当時、エドフ神殿は古代ギリシャ・ローマの時代に名を馳せたエドフの町のシンボルでした。
壁面に見られる巨大な壁画は古代エジプトの言語・宗教・神話に関する情報が描かれたもので、神殿建設に関する情報を記したレリーフも存在しています。内部にはほぼ完璧な保存状態のホルス像も現存。まさに“古代エジプトの歴史と文化を今に伝えるタイムカプセル”……それこそがエドフ神殿なのです!
ただし、初めて現代人に視認されたのは1798年、発掘に至っては1860年のこと。それまでエジプトの古代文明は謎に包まれていましたが、ほぼ完璧な状態で発見された遺跡が真相を解明する手がかりとなりました。それ以降、この場所はエジプト定番の観光地となったのだとか。
エジプトを訪れるならエドフ神殿は外せないね!
カイロを拠点にするなら個人で行くのもツアーで行くのもおすすめだよ!
2.エドフ神殿の観光情報
次にエドフ神殿の観光情報を見ていきましょう。
2-1.予算
- 個人:数千円~1万円
- ツアー:1万円~3万円
- 予算総額:15万円~45万円
個人は自分での手配、ツアーは旅行会社での代行、予算総額はエジプト旅行全体(移動費・宿泊費・飲食費・観光費)にかかる目安となります。入場料は変動するので直近の情報を調べておくと安心です。
2-2.時間
- 営業時間:7時00分~17時00分(曜日で変動あり)
- 所要時間:1時間~2時間
- 必要期間:7日~15日
営業時間は開店から閉店、所要時間は到着から出発、必要期間は出国から帰国までにかかる目安となります。
2-3.場所
- 場所:エジプト/エドフ
- 住所:Adfo, Edfo, Aswan Governorate 1291234, Egypt
- 行き方:バス/タクシー/レンタカー/ツアー
- バス:9時間30分~10時間
- レンタカー:9時間30分~10時間
- タクシー:5分~10分
- レンタカー:5分~10分
場所と住所は所在地の目安となります。行き方は「カイロ⇒エドフ神殿」への一例であり、他の方法でもアクセスできます。直接向かうなら飛行機もしくは現地発着のツアーがおすすめです。
2-4.気候
- 1月~3月:やや暑くて晴れやすい気候
- 4月~6月:暑くて晴れやすい気候
- 7月~9月:暑くて晴れやすい気候
- 10月~12月:やや暑くて晴れやすい気候
- ベストシーズン:1月~2月/11月~12月
平均 | 最高気温 | 最低気温 | 降水量 |
1月 | 23℃ | 10℃ | 0mm |
2月 | 26℃ | 11℃ | 0mm |
3月 | 30℃ | 15℃ | 0mm |
4月 | 35℃ | 20℃ | 0mm |
5月 | 39℃ | 24℃ | 0mm |
6月 | 41℃ | 26℃ | 0mm |
7月 | 41℃ | 27℃ | 0mm |
8月 | 41℃ | 27℃ | 0mm |
9月 | 39℃ | 25℃ | 0mm |
10月 | 36℃ | 22℃ | 0mm |
11月 | 29℃ | 16℃ | 0mm |
12月 | 24℃ | 11℃ | 0mm |
2-5.服装
- 1月~3月:体温調節できる服装
- 4月~6月:薄手の服装
- 7月~9月:薄手の服装
- 10月~12月:体温調節できる服装
- 持ち物:歩きやすい靴
2-6.治安
- やや悪い
エジプトは総じて治安が悪く、旅の拠点となるカイロも治安不良です。
2-7.注意点
- 事前の勉強
- 拠点からの立地
- 遺跡の保存状態
- 遺跡への接触
2-7-1.事前の勉強
エドフ神殿は事前に勉強しないと魅力が半減してしまうかもしれません。逆に古代エジプトに関する情報を頭に入れておくことで遺跡に秘められたドラマも見えてくるため、背景を学んでから訪れてみてください。
2-7-2.拠点からの立地
エドフ神殿は日帰りで観光可能です。ただ、カイロから片道9時間35分~10時間10分ほど、往復19時間10分~20時間20分ほどかかります。観光時間を含めると半日~終日はかかるので、余裕のある日程を組みましょう。
2-7-3.遺跡の保存状態
エドフ神殿は遺跡の保存状態が完璧ではありません。時代の流れで失われてしまった部分もある他、雑な発掘作業で壊されてしまった部分もあります。そのため、完全な状態で保管されているわけではないことを念頭に置いておいてください。
2-7-4.遺跡への接触
エドフ神殿は希少な遺跡が残っているため、遺跡への接触には気を付けたいです。遺跡内には貴重な歴史や文化を紐解く遺物も収蔵されており、古代遺跡の財宝や出土品も展示されています。当然ながら許可なく触れたり傷つけたりしてはいけません。
観光情報は変更となる場合があることを加味しておきたいね。
Googleマップの口コミを参考にするのもおすすめかも!
3.エドフ神殿の見どころ
ここからはエドフ神殿の見どころをまとめます。
3-1.馬車
おすすめ度:
生身で駆ける青空馬車。
3-2.塔門
おすすめ度:
完璧な保存状態の塔門。
3-3.ホルス像
おすすめ度:
凛々しい顔のホルス像。
3-4.レリーフ
おすすめ度:
古代文明を紐解く壁画。
エドフ神殿は馬車や塔門、ホルス像やレリーフなど見どころ満載です。
古代エジプトの遺跡群の中でも、群を抜いて保存状態が良いエドフ神殿は他の神殿と比べても見どころに事欠きません。ホルス神殿自体が他の神殿の謎を紐解く手がかりとなっただけあって、内部で見られる遺構には思わず目を見張るものがあります。
神殿まで向かう馬車はもちろんほぼ完璧な保存状態の塔門、凛々しい面持ちのホルス像、古代文明の物語が記されたレリーフに至るまで……むしろ見どころしかありません!
一部の彫刻はキリスト教徒の襲撃による破損こそ見られるものの、1798年に発見されて1860年に発掘されるまで砂に埋もれていたこともあり、目立った外傷もなし。これほどまで保存状態に優れた古代文明の遺跡は数えるほどしかなく、無数の神殿が残るエジプトでも希有な存在と言えるでしょう。
遺跡の最深部には聖舟至聖所と9つの礼拝室があり、古代にタイムスリップしたかのような感覚が味わえるのも見どころ。
エドフ神殿では馬車と塔門、ホルス像とレリーフが目玉!
個人的には神々しさを放つホルス像がおすすめ!
4.エドフ神殿の体験談
最後に管理人が2017年11月に訪れたエドフ神殿の体験談を記しておきます。等身大の海外旅行記としてお楽しみください。
エジプトの朝焼け……なんて美しいんだろう。
古代エジプトの王たちもきっとこのナイルの朝焼けとクレオパトラの横顔には敵わなかったに違いない。
今日はエジプト古代文明の中でも希少な遺跡、エドフ神殿へ!
……い、移動手段は?
もちろん、馬車よ!
もう乗ってるじゃん!馬車!
……か、風は気持ち良いけど、砂漠の朝は寒いね!
そりゃそうさ、この馬車、吹きさらしだもの。これはエドフ神殿に到着したらホルスに暖めてもらわないとだ!
御者さんも飛ばしすぎ……このままだとしちゃう!バックトゥザ……パスト!!
時空を超える!過去のエジプトへ!
エドフ神殿に到着!ここは古代エジプト文明の遺産の中で、最も保存状態の良い神殿の1つなんだとか。
ホルス神殿とも呼ばれるんだけど、エドフの町にあるからエドフ神殿って呼ばれるのが普通みたいだよ。
ハヤブサ神のホルスに捧げられた神殿だから「エドフのホルス神殿」とも呼ばれるらしいね。
周辺の遺跡も保存状態が良いんだけど、何より巨大な豆腐のような塔門がほぼ完璧な状態で残ってるのが奇跡!
……でも、壁画の一部が削り取られてる。
プトレマイオス朝時代、紀元前237年~57年にかけて建造された当初は完璧なレリーフが残ってたんだけど。
なんでどの彫刻もボロボロなの?
西暦391年、ローマ帝国で非キリスト教崇拝を禁止するテオドシウス1世の勅命によって壊されちゃったんだ。
要するにキリスト教信者の仕業ってこと?
エドフ神殿はキリスト教から見ると異教の建造物。信者の人たちも勅命に従うしかなかったんだと思う。
遺跡の天井で一部黒く焦げているところがあるけど、それも破壊活動の名残なのかな?
たぶんそう。宗教的彫像に放火することで異教徒の象徴を排除しようとしたんじゃないかな。
塔門だけでこの大きさ。壁には巨大な壁画の数々。正直、この規模のレリーフが残る神殿は珍しいと思う。
……言うなれば、古代エジプトの物語を刻むストーリーテラー。
エドフ神殿そのものが“古代エジプト神話を後世の残すためのタイムカプセル”だったってことか。
ここまで保存状態の良い遺跡はエジプト中を探し回ってもなかなか見つからないはず。
ちなみに、この塔門には神々の前で敵を打ち倒さんとする王の姿が描かれてるとか。
……よし、早速内部に入ってみよう。
塔門に記された壁画もほぼ完璧な状態。色彩も一部残ってる。でも、なんでこうも完璧な状態で現代に残ってるんだろう。
それは砂漠の砂やナイル川の泥に守られていたからさ。実際にエドフ神殿は地下12mの深さに埋まってたんだ。
砂泥が石棺のように遺跡を守ってたってことか。
発見されたのも1798年と考古学の世界では最近の話。発掘も1860年とたかが200年前のことなんだよね。
まさに砂漠に作られ、砂漠に守られた神殿。
塔門を抜けると周柱式中庭、奥に進むごとに「多柱室⇒交差広間屋⇒控室⇒聖舟至聖所⇒礼拝室」へと続く……早く行こう!
列柱回廊には無数の柱と壁があるんだけど、このホルス像も見逃せないポイント!並んで写真を撮るのが定番だね!
……顔がホルスみたいになってるよ。
クレオパトラとの結婚の挨拶に向かう気持ちを表現してみました!
ちなみにエドフ神殿はプトレマイオス3世が建造を開始したんだけど、完成したのはプトレマイオス12世の時代に入ってから。
プトレマイオス12世って、あのクレオパトラのお父さん?!
そうそう!結婚の挨拶に伺おうものならデーツの木でぶん殴られるよ?
壁面のレリーフ……これは帆掛け船の壁画かな?
どの壁画も数千年経ってるとは思えないくらい鮮明。
壁の碑文は古代エジプトのギリシャ・ローマ時代における言語・宗教・神話についての重要な手がかりが記されてるとか。
建物の絵も神殿建設の詳細が記されてる他、古代エジプト神殿に見られる神話的解釈の参考になったみたい。
……エドフ神殿は他の神殿の秘密を紐解く鍵でもあったんだ。
一部の壁画にはホルスとセトの対立を描く物語の重要な場面も残されてるとか。
さながら“古代の物語を紡ぐ絵本”だな。
古代エジプト人はきっと途方もない未来に向けてこの物語を託したかったんだと思う。
……一応ね、これはやっておかないとね。
まぁ、やりたくなる気持ちはわかるよ。
写真じゃあまり伝わらないけど、この壁画……スケール感がすごい。
発掘したフランス人考古学者オギュスト・マリエットもきっと腰を抜かしたに違いない!
その名前どこかで聞いたことがある……。
このエジプト旅で最初に訪れたエジプト考古学博物館の初代館長だからね。名前を聞いたことがある人も結構いると思うよ。
古代エジプトの神殿ってどこも地下牢らしき部屋があるんだけど、これって何に使われてたのかな?
何千年も前のことではっきりとわからないからこそ、想像を掻き立てられるよね!
……クレオパトラのベッドルームだったりしてね。
そんな華やかなものだったらいいんだけど、もしかしたら拷問部屋かもしれないよ?
エジプト版「両手に花」とはこのこと。
エドフ神殿にはホルス神が父オシリス神を殺したセト神と戦う様子の他、各儀式の様子を描いたレリーフもある模様。
エドフ神殿、いくら時間があっても見足りない。
保存状態が良いとは聞いていたけど、ここまで完璧な状態で残ってるとは思っていなかったから感動した。
これまでのエジプト旅でたくさんの遺跡を見てきたけど、保存状態の良さならエドフ神殿が一番かも。
でも、個性溢れる神殿は他にもあるからね……まだまだこの時空を超えたタイムトリップは終わらないよ!
5.まとめ
今回はエジプトにあるエドフ神殿の観光情報、塔門やホルス像の見どころをまとめました。
海外旅行でエジプトを訪れるならエドフ神殿がおすすめです。中でも塔門やホルス像は見どころ満載なので、機会があればぜひ訪れてみてください。