海外旅行では出入国の際に必ずパスポートが必要となります。パスポートがないことには、日本を出国することも外国に入国することもできません。ただ、初めての海外旅行だとそもそもパスポートの申請や更新の手順がわからないという人もいらっしゃるのではないでしょうか?
今回は海外旅行のパスポートの申請・更新方法を解説します。併せて窓口・オンライン別の取得方法と注意点も説明します。ここではいつまでに必要なのかもまとめるので、海外旅行の準備にお役立てください。
海外旅行はまずパスポートを取得するところから始まる!
この記事では「海外旅行のパスポートの申請・更新方法」「窓口・オンライン別の取得方法と注意点」をまとめるよ!
1.海外旅行のパスポートはいつまでに必要?
まずは海外旅行のパスポートはいつまでに必要なのかを見ていきましょう。
パスポートは当日持参すれば大丈夫なので、旅行当日までに取得しておけば完璧です。ただ、都道府県や地方自治体によってはパスポートの発行までに約1週間前後かかります。申請・更新から受領までの期間は最短7日間ほど見ておきたいです。
そのため、旅行当日の2週間~3週間前までには発行手続きを済ませておくのが理想です。
しかし、旅行会社を通して予約する場合、事前にパスポート情報を求められる場合もあります。飛行機やホテルを予約する際はもちろん、レストランやオプショナルツアーを予約する時もパスポート情報が必要となる場合もあります。ビザや電子渡航認証が必要な国もパスポート情報が必要です。
その点を加味すると諸々の予約をする1ヶ月前にはパスポートを取得しておきたいです。
管理人もパスポートの申請・更新は旅行当日の数週間前ではなく、各種予約の1ヶ月前には取得しています。パスポートは2回(1回目は新規・2回目は期限切れ)取得経験がありますが、どちらも数ヶ月前には取得して万全の状態にしておきました。
必要書類や必要なものに不備があるとやり直しとなることもあるから、早めに申請・更新しておくのが安心。
いつまでに必要かは予約状況にもよるけど、手遅れになる前に済ませておくのが一番だよね!
2.パスポートの申請・更新方法
次にパスポートの申請・更新方法を見ていきましょう。
パスポートの申請・更新の方法は主に2種類あります。1つが各地域に設置されている窓口で申請・更新する方法、もう1つが自宅等のオンラインで申請・更新する方法です。
両者は共通点も多いですが、相違点も少なくありません。まずはどちらの方法で申請・更新するのか判断しましょう。ただし、都道府県や地方自治体によっては窓口のみの対応だったり、逆にオンラインでも対応してくれたりするので、詳しくはパスポートセンターにご確認ください。
2-1.窓口での取得方法(申請・更新どちらも可)
- 有効期限を選択する
- 発行費用を確認する
- 必要書類を準備する
- 窓口に提出する
- 後日受領する
パスポートには主に5年パスポートと10年パスポートの2種類があります。文字通り、5年パスポートは有効期限が5年、10年パスポートは有効期限が10年となります。この有効期限はどちらも旅券としての効力に差異はないので、必要な年数に応じて選びましょう。
どっちがいいかなどは本人によって変わりますが、1つの目安として20歳以下は5年、20歳以上は10年のパスポートをおすすめします。
パスポートを発行するにはお金(収入印紙・収入証紙・手数料)がかかります。
種類 | 収入印紙 | 収入証紙・手数料 | 合計 |
---|---|---|---|
10年(18歳以上) | 14,000円 | 2,000円 | 16,000円 |
5年(12歳以上) | 9,000円 | 2,000円 | 11,000円 |
5年(12歳以下) | 4,000円 | 2,000円 | 6,000円 |
残存有効期間同一 | 4,000円 | 2,000円 | 6,000円 |
パスポートを申請・更新する場合、収入印紙がいくらなのかを確認しておきましょう。通常、収入印紙は10年パスポートで14,000円、5年(12歳以上)で9,000円、5年(12歳以下)で4,000円に設定されています。
ただ、別途で収入証紙・手数料がかかる地域もあります。仮に北海道の場合、2,000円分の収入証紙が必要です。東京では地域別の収入証紙を廃止しているものの、大阪や京都など地方によっては手数料がかかることもあるので気を付けましょう。
窓口でのパスポートの申請・更新には、必要書類がいくつかあります。
- 一般旅券発給申請書
- 本人確認書類
- 戸籍謄本
- 顔写真
- 有効なパスポート(切り替えの場合のみ)
窓口で旅券を取得するのに必要な書類は一般旅券発給申請書・本人確認書類・戸籍謄本・顔写真の4つです。
一般旅券発給申請書はパスポートセンターもしくはインターネットで取得し、各項目に従いながら記入します。戸籍謄本は市区町村役場で取得し、申請書と併せて添付します。どちらも事前に取得しておくと安心です。
ただ、本人確認書類はマイナンバーカード・運転免許証・船員手帳などであれば1点で構いませんが、健康保険証や学生証の場合は2点の提示が必要です。
また、顔写真は顔がはっきりと認識できるものでなくてはなりません。例えば、髪型や服装によって顔が隠れているものはNGです。他にも顔写真は6ヶ月以内に撮影されたもので頭頂部から顎部まで34±2mm以内など、申請書に記載されている規格を満たすサイズのみOKとなります。
※詳しくは外務省の「パスポート申請用写真の規格」をご確認ください。
窓口で申請する場合、必要書類は必ず4点セットで持参しましょう。
すべての準備が整ったら、いよいよ窓口に提出します。
そこで担当者に確認してもらい、不備がなければ旅券引換書を発行してもらってパスポートの申請・更新の手続きは完了となります。
パスポートの申請・更新から約1週間後、パスポートセンターに受け取りに行きます。
旅券の受領は原則本人のみで、申請・更新の時に渡された旅券引換書が必要です。仮に旅券引換証を紛失した場合、再発行が必要となります。
ここまでが窓口でのパスポートの申請・更新方法となります。詳しい規格は外務省の「パスポート申請から受領まで」をご確認ください。
2-2.オンラインでの取得方法(一部申請・更新のみ可)
- 有効期限を選択する
- 発行料金を確認する
- 必要なものを用意する
- マイナポータルを起動する
- 写真と自署を撮影する
- 申請者情報を入力する
- 電子決済で納付する
- 後日受領する
※窓口と同じ。
※窓口と同じ。
オンラインでのパスポートの申請・更新には、必要なものがいくつかあります。
- マイナポータルアプリ対応のスマートフォン
- マイナンバーカード
- 有効なパスポート
オンラインで旅券を取得するのに必要なものはマイナポータルアプリ対応のスマートフォン・マイナンバーカード・有効なパスポートの3つです。
原則、新規のパスポートの申請はオンラインでは手続きできず、オンラインで手続きできるのはパスポートの更新のみとなります。もちろん、今後はよりデジタル化が進められ、申請も更新もオンラインでできる地域が拡大していくかもしれません。
ただ、現状はまだまだというところです。それでもパスポートの切り替えだけならスマートフォンから簡単に行えるので、デバイスの準備を進めましょう。
必要なものが揃ったら、スマートフォンでマイナポータルアプリを起動します。
アプリが起動したらトップページの「パスポートの取得・更新」をタップしてください。そうすると「パスポート(旅券)申請について」というページに遷移するので「利用者登録/ログインして使う」のボタンをタップします。
画面が表示されたら登録済みの方は「ログイン」、未登録の方は「利用者登録」をタップしましょう。ログイン後・利用者登録後、再び「パスポート取得・更新」をタップすると「パスポート(旅券)申請」と出てくるので、手続きに合わせて操作します。
その後はパスポートを受け取る窓口を選択し、各種同意を済ませ、署名用電子証明書を確認し、選択に応じた手続きを順番に済ませるだけです。
マイナポータルで一通り操作を進めると、顔写真と自署名の撮影が求められます。
顔写真はオンラインであっても窓口の規格を守らねばなりません。ただ、オンラインだとスマートフォンのカメラで自撮りできるので、比較的楽です。ガイドも出てくるので、画面の枠に合わせて撮影してください。
自署名はいわゆるサインのことで、申請者本人が署名したもののみ有効とされます。これもカメラを起動して撮影すればOKです。
最後に申請者情報を入力します。
有効なパスポートを手元に用意して「マイナポータルアプリでパスポートを読み取る」をタップしましょう。そうするとカメラが起動するので、ガイドに合わせて読み込みましょう。
その後、指示に従いながら進めていけば入力は完了となります。最後に画面にある「申請する」を押せば、オンラインでの手続きは完了です。
すべての操作が終わったら、パスポート交付予定日がマイナポータルから通知されます。
その通知からクレジットカード納付専用サイトにアクセスし、カード情報を入力して決済します。すべて完了したら支払い完了の画面が表示されるので、内容をスクリーンショットなどで保存してページを閉じましょう。
※窓口と同じ。
ここまでがオンラインでのパスポートの申請・更新方法となります。詳しい規格は外務省の「国内からオンライン申請する」もしくはマイナポータルの「パスポート申請」をご確認ください。
窓口もオンラインも手順を1つずつクリアしていけば簡単……いや、ちょっと複雑かも。
わからない場合は地域管轄のパスポートセンターもしくはマイナポータルのサポートセンターに相談しよう。
3.パスポートの申請・更新の注意点
最後にパスポートの申請・更新の注意点についてまとめます。
- 名前・性別・生年月日のミスは厳禁
- 窓口もオンラインも本人受け取りが原則
- 発行後6ヶ月以内に受け取らないと無効
- 未成年は親権者の同意が必須
- 代理人でも本人の記入が必要
パスポートの申請・更新は原則誰でもできますが、いくつかの注意点もあります。中には重大なポイントもあるため、これからパスポートを取得する人は事前に確認しておくことをおすすめします。
3-1.名前・性別・生年月日のミスは厳禁
外国でパスポートは身分証明書としても使用できるため、名前・性別・生年月日のミスは厳禁です。仮に間違いが発覚した場合、航空券の予約が無効となる場合もあります。国内線は問題ないものの、国際線はパスポートの氏名が一致しないだけで搭乗させてくれません。
パスポートの提示が求められる宿泊施設や飲食店でも性別や生年月日が一致しないと怪しまれるので、申請・更新の際には記入・入力した情報に誤りがないか必ず確認しましょう。
3-2.窓口もオンラインも本人受け取りが原則
パスポートは窓口での申請でもオンラインでの更新でも、本人がパスポートセンターに受け取りに行かなければなりません。そこは本人受け取りが原則なので、忙しい人にとってはちょっと大変です。
パスポートセンターは土日祝日休みのところも多く、休日は受け取れないことも少なくありません。その制約も含め、手間や面倒を感じる人もいるでしょう。
ただ、東京など一部地域では日曜日に受領受付時間を設けているところもあるので、管轄のパスポートセンターの営業時間を調べておくと安心です。中には、申請・更新は平日限定であっても、受領だけは週末も対応してくれる場合があります。
3-3.発行後6ヶ月以内に受け取らないと無効
パスポートは発行後6ヶ月以内に受領しないと無効になります。
いかなる事情があっても半年以内に受け取らない場合は申請・更新が無効とされ、以降の5年以内に再度パスポートを取得する場合は割増料金が課せられます。
もともと罰則などのペナルティはなかったのですが、2023年からは手数料がかかることとなりました。政府広報オンラインでも「未交付のままパスポートを受け取らなかった申請者が5年以内に再度取得しようとする場合は手数料が加算される」としています。
種類 | 手数料 |
---|---|
10年(18歳以上) | 18,000円 |
5年(12歳以上) | 13,000円 |
5年(12歳以下) | 8,000円 |
通常、10年パスポートの取得には14,000円、5年パスポートの取得には12歳以上で9,000円、12歳以下で4,000円かかります。それが半年受け取らないまま5年以内に再取得しようとすると、10年パスポートで18,000円、5年パスポートの12歳以上で13,000円、同じく5年パスポートの12歳以下で8,000円かかってしまうのです。
これは実質4,000円の罰金を意味します。加えて、地域によっては収入証紙・手数料が2,000円徴収されることもあります。そうなれば、6,000円の割増金を支払う羽目になります。
3-4.未成年者は親権者の同意が必須
18歳以下の未成年者がパスポートを取得する場合、親権者の同意が必須です。
旅券発給に関しては親権者である両親のどちらか一方の署名で手続き可能です。ただし、例外によっては両親権者の同意を確認されることもあるので、未成年の方は両親から同意を得て申し込みましょう。
3-5.代理人でも本人の記入が必要
パスポートは申請書裏面にある「申請書類等提出委任申出書」の申請者記入欄に代理人名を記入することで、必要書類の代理提出が可能です。
この代理人名は申請者本人が記入でき、指定された代理人に委任できます。しかし、代理人はあくまで提出を代行できるだけであり、代筆による記入は認められていません。項目は本人の記入が必要なので、すべて自分自身で記入しましょう。
パスポートの情報を間違ったら海外旅行に行けない!これは大変!
後からでも変更はできるけど、手続きの時にきちんと確認するのが一番。
4.まとめ
今回は海外旅行のパスポートの申請・更新方法、窓口・オンライン別の取得方法と注意点をまとめました。
海外旅行にパスポートは必要不可欠です。ただ、パスポートは誰でも取得可能なものの、申請・更新の手続きは結構大変です。初めてだと余計にわからない箇所も出てくるかもしれません。そのため、発行手続きの流れはあらかじめ知っておくと安心です。
ここでまとめた手順ならパスポートも簡単にゲットできるので、ぜひ挑戦してみましょう。最近では窓口だけでなくオンラインでも申請・更新でき、今後さらにスマートなパスポート発行が行える時代が来るはずです。ただ、いくつか注意点もあるので、この記事を読み返しながらパスポートの発給手続きを進めてみてはいかがでしょうか?