アイスランドで階段状の滝壺を持つ名瀑、それがグトルフォスの滝です。現地の言葉で「黄金の滝」を意味するグトルフォスの滝はアイスランドでも随一の規模を誇る二層の滝……そこはある1人の少女が命を賭して守った奇跡の観光スポットです。
今回はアイスランドにあるグトルフォスの滝の観光情報をまとめます。ここでは概要・予算・時間・場所・気候・服装・治安・注意点の他、実際に訪れた管理人が厳選した見どころも紹介します。記事の最後には体験談もあるので、ぜひ海外旅行の計画にお役立てください。
グトルフォスの滝は金色に光る絶景瀑布!
この記事では「アイスランドにあるグトルフォスの滝の観光情報」「黄金の滝の見どころ」をまとめるよ!
1.グトルフォスの滝の概要
まずはグトルフォスの滝の概要を見ていきましょう。
- 国:アイスランド
- 地域:セルフォス
- 特徴:滝
- 目玉:黄金の滝
- 方法:個人/ツアー
- おすすめ度:
グトルフォスの滝はアイスランドの絶景密集地帯、ゴールデンサークルを代表する二層の名瀑で同国随一の規模を誇る観光スポットです。
最大幅70m・最大落差45mと圧巻の大パノラマを誇るグトルフォスの滝は段々畑のように流れ落ちる滝が魅力で、1段目の落差は約15m・2段目の落差は約30mとダイナミックな景色が広がっています。腹の奥底まで響く大轟音はさながら“怪獣の雄叫び”……そこは大地の力に圧倒される場所と言えるでしょう!
特に別名「黄金の滝」が豪快に水しぶきを上げる姿は必見。轟音を響かせる滝壺の両岸に聳え立つ柱状節理の溶岩や枕状溶岩の角礫岩も相まって、地球のエネルギーをまじまじと見せつけられているかのような錯覚に陥ります。その絶景はアイスランドを訪れるなら一度は見ておきたい絶景です。
なお、グトルフォスの滝ではある少女の物語が語り継がれています。
時は20世紀初頭、イギリスの企業がこの地域一帯に水力発電所を建設する計画を立てたそうです。しかし、アイスランドの自然を見て育ったシグリットという名の少女が抗議活動を展開……「もしダム建設を強行するなら滝壺に身を投じる」と反対運動を起こし、見事に工事を撤回させたと言われています。
グトルフォスの滝はそんな自然を愛する少女が守り抜いた絶景でもあるのです。
アイスランドを訪れるならグトルフォスの滝は外せないね!
レイキャビクを拠点にするなら個人で行くのもツアーで行くのもおすすめだよ!
2.グトルフォスの滝の観光情報
次にグトルフォスの滝の観光情報を見ていきましょう。
2-1.予算
- 個人:数千円~1万円
- ツアー:1万円~3万円
- 予算総額:10万円~30万円
個人は自分での手配、ツアーは旅行会社での代行、予算総額はアイスランド旅行全体(移動費・宿泊費・飲食費・観光費)にかかる目安となります。入場料はかかりません。
2-2.時間
- 営業時間:24時間
- 所要時間:1時間~2時間
- 必要期間:5日~15日
営業時間は開店から閉店、所要時間は到着から出発、必要期間は出国から帰国までにかかる目安となります。
2-3.場所
- 場所:アイスランド/セルフォス
- 住所:Selfoss, 846, Iceland
- 行き方:タクシー/レンタカー/ツアー
- タクシー:1時間30分~2時間
- レンタカー:1時間30分~2時間
場所と住所は所在地の目安となります。行き方は「レイキャビク⇒グトルフォスの滝」への一例であり、他の方法でもアクセスできます。直接向かうなら現地発着のツアーがおすすめです。
2-4.気候
- 1月~3月:寒くてやや晴れやすい気候
- 4月~6月:やや寒くてやや晴れやすい気候
- 7月~9月:やや寒くてやや晴れやすい気候
- 10月~12月:寒くてやや晴れやすい気候
- ベストシーズン:5月~9月
平均 | 最高気温 | 最低気温 | 降水量 |
1月 | 3℃ | -3℃ | 80mm |
2月 | 3℃ | -2℃ | 85mm |
3月 | 4℃ | -2℃ | 85mm |
4月 | 6℃ | 1℃ | 55mm |
5月 | 10℃ | 4℃ | 50mm |
6月 | 12℃ | 7℃ | 45mm |
7月 | 14℃ | 9℃ | 50mm |
8月 | 14℃ | 8℃ | 70mm |
9月 | 11℃ | 6℃ | 75mm |
10月 | 7℃ | 2℃ | 85mm |
11月 | 4℃ | -1℃ | 80mm |
12月 | 3℃ | -2℃ | 90mm |
2-5.服装
- 1月~3月:厚手の服装
- 4月~6月:厚手の服装
- 7月~9月:厚手の服装
- 10月~12月:厚手の服装
- 持ち物:歩きやすい靴
2-6.治安
- やや良い
アイスランドは総じて治安が良く、旅の拠点となるレイキャビクも治安良好です。
2-7.注意点
- 拠点からの立地
- 周辺の商業施設
- 動植物への接触
- 水中への落下
2-7-1.拠点からの立地
グトルフォスの滝は日帰りで観光可能です。ただ、レイキャビクから片道1時間30分~2時間ほど、往復3時間~4時間ほどかかります。観光時間を含めると半日~終日はかかるので、余裕のある日程を組みましょう。
2-7-2.周辺の商業施設
グトルフォスの滝の付近には目立った商業施設がありません。周辺には飲食店こそあるものの宿泊施設はなく、スーパーもコンビニもありません。そのため、買い出しは最寄りの町で済ませておきたいです。
2-7-3.動植物への接触
グトルフォスの滝には希少生物が暮らしているため、動植物への接触には気を付けたいです。この地域一帯は貴重な生態系を構成する生き物も生息しており、パフィンなどの動物や島全体を覆う苔などの植物も分布しています。当然ながら許可なく捕まえたり摘んだりしてはいけません。
2-7-4.水中への落下
グトルフォスの滝では滝壺まで近づけるため、水中への落下には気を付けたいです。スマホやカメラを落とすと大変ですし、自分自身が落ちると危険です。興奮して撮影に夢中になったり過度に騒ぎ立てたり暴れ回ったりすると滝壺に転落するので、展望台では静かに過ごしましょう。
観光情報は変更となる場合があることを加味しておきたいね。
Googleマップの口コミを参考にするのもおすすめかも!
3.グトルフォスの滝の見どころ
ここからはグトルフォスの滝の見どころをまとめます。
3-1.無名の滝
おすすめ度:
外れにある名もなき滝。
3-2.黄金の滝
おすすめ度:
日の光で金色に輝く滝。
3-3.ニョロニョロ
おすすめ度:
空に伸びる純白のつらら。
グトルフォスの滝は無名の滝や黄金の滝、ニョロニョロなど見どころ満載です。
無数の滝が点在することで知られるアイスランドでも、グトルフォスの滝は最も名の知れた名瀑の1つ。その下流には名前の知られていない無名の滝がいくつも存在しています。参加するツアーによっては現地ガイドおすすめの場所に連れて行ってもらえる機会もあり、思わぬ絶景と出会うことも!
もちろん、グトルフォスの滝そのものが異次元の存在感を放っており、驚異の大自然にただただ見惚れてしまうこと間違いなしです。
何者も近づかせない堂々たる風格は数あるアイスランドの滝の中でも希有な存在……別名「黄金の滝」と呼ばれるだけあり、朝焼け・夕焼けに染められて金色に輝く姿も見逃せません。
遊歩道を歩くこと数分、何もない大地に突如として現れるグトルフォスの滝は水量も桁違い。轟音とともに運ばれてくる水しぶきはマイナスイオンたっぷりで癒されます。滝周辺にはその水しぶきを浴びて育ったニョロニョロ(つらら)が自生しており、独特の景観を描いているのも魅力の1つです。
グトルフォスの滝では無名の滝と黄金の滝、ニョロニョロが目玉!
個人的には水しぶきで育つニョロニョロがおすすめ!
4.グトルフォスの滝の体験談
最後に管理人が2016年11月に訪れたグトルフォスの滝の体験談を記しておきます。等身大の海外旅行記としてお楽しみください。
レイキャビクを発ち数時間、夜明けのアイスランドをひた走る!
地球に太陽が灯り、地平線が真っ赤に染まる。さながら巨神兵による「火の七日間」が始まりそうな光景。
途中、休憩で立ち寄ったのはマグマが見られる施設。
……え?溶岩見れるの?
……ガイドさん「本物だよ」って言ってたけど、どうなんだろう?
ガイドさんが言ってるなら本物のマグマなんじゃない?生の溶岩が見られるなんて貴重な体験じゃん!
ジリジリと発光する姿が神々しい。灼熱の溶岩が地球の呼吸に合わせて光ってるかのよう。
いつまでも眺めていたくなるような、そんな不思議な感覚。
さながら地球の大動脈……いや、大静脈か。
血管の種類は関係ないけど、赤い光がゆっくりと動いてる姿には地球のエネルギーを感じる!
グトルフォスの滝の前にガイドさんが連れて来てくれたのは、ラング氷河の水が流れるヴィータウ川の下流。
……滝の名前は?
わかんない。ガイドさんも説明してくれないし、待ち合わせには遅刻してくるし、リコリスのグミ食べてるし。
それは関係なくない?笑
冬のアイスランドは朝日と夕日が行き来する無限回廊。太陽はなかなか昇らないし沈みもしない。
まるで時間が止まってるみたい。
地球と太陽が命を燃やす姿にただただ感動。
滝の水しぶきと白い吐息が赤く染められ、白銀の世界も熱を帯びる。無限に続くかのような大地が燃ゆる「火の七日間」。
劫火が包む銀世界。薄暗い地平線が温みを帯びた太陽を持ち上げ、そこに黄金の光が差し込む。
今にも地平線に溶けそうな太陽を浴びてると息ができなくなる……あぁ、絶景に溺れる、アイスランド。
柄にもなく「生きてて良かった」なんて思ってしまうほどに。
何もかもがどうでも良くなるくらいに美しい。
グトルフォスの滝に到着!何もない大地をずっと走ってきたからか、建物があるだけでちょっと感動!笑
あれはグトルフォスの滝のビジターセンター?ギフトショップ?それともカフェかな?とにかくなんかエモい。
ガイドさん曰く、ここはスープが絶品とのこと。
お土産もあるって話だから帰りに立ち寄ってみるのもありかも。
……グトルフォスの滝はまだ?
そう焦りなさんな。今はただ耳を傾けるべし。もうすぐ悪魔の喉笛を切るような轟音も聞こえてくるだろうさ。
それにしても本当に何もないね。
何もないのがいいんだよ。なんでもあるとそれが邪魔になって何も見えなくなっちゃうからね。
しばらく歩くと見えてきた!あれがグトルフォスの滝?
アイスランド語で黄金の滝を意味する名瀑。実際は氷に包まれた白銀の滝って感じ。
よく見てみると滝壺が1段目と2段目に分かれてるね。
グトルフォスの滝は1段目が落差15m、2段目が落差30m、計45mの落差を誇る滝で階段状に崖を流れ落ちてるのが特徴。
両岸の幅は70mもある断崖絶壁で、巨大な谷は最終氷期に起きた氷河湖決壊洪水によって形成されたんだとか。
あんなに遠いのにここまで水しぶきが飛んでくる。本当、自然の力ってすごいよね。飛ばされちゃいそうなくらい風も強いよ。
遊歩道を進むと展望台に出る。滝のてっぺんには石碑もあるみたい。
石碑はグトルフォスの滝を守った少女に捧げられたもの。20世紀初頭の1907年、ここを水力発電所にする計画が持ち上がったんだ。
その計画を止めたのが、その少女だったの?
そう。彼女は水力発電所計画を持ちだしたイギリス人実業家に「建設を強行するなら滝に飛び降りる」と抗議してこの地を守ったのさ。
まさにグトルフォスの滝を守った英雄ってわけか。
実際に彼女はアイスランド初の自然保護活動家として「アイスランド史の重要人物」の1人にも数えられてるほど。
彼女がいてくれたから今もこの雄大な絶景を眺められるんだね。
ちなみに、彼女の抗議を支えた弁護士は1944年にアイスランド初代大統領に就任したって言うんだからすごい話だよ。
つららが天に向かってに伸びてる。ムーミンのニョロニョロみたい。
水しぶきがここまで飛んでくるから、草が生えているところにはこの手のニョロニョロがいっぱいできるみたい。
まるで氷の妖精。もはやファンタジーの世界。
地面からつららが生えるなんて、どこまで異世界なの、アイスランドさん。
遊歩道と展望台の間には階段もある。
この階段も水しぶきで濡れてて滑りやすいから転倒注意。ガイドさん曰く、定期的に転んで怪我する人もいるとのこと。
いつまで経っても太陽は昇らず、沈みもせず。
縦じゃなくて横に移動してる。こんな不思議な光景が見られるのもアイスランドならではかもしれない。
もっと北極圏に入ったら極夜も体験できたりして。
季節的に今は完全な極夜にはならないけど、アイスランドも極夜になるよ。他にはグリーンランドも極夜になるね。
調べてみたらスウェーデン・ノルウェー・フィンランドの北欧3カ国に加えて、カナダやロシアも一部極夜になるみたい。
他にはアラスカをはじめ北極や南極、いわゆる極地と呼ばれる場所も極夜があるとのこと。いつか行ってみたいよね。
極力、極限状態で究極の極夜を見てみたいなぁ。極度に極端な極夜……きっと驚愕の絶景だよね。
きょくきょくきょくきょくうるさいなぁ!早口言葉じゃないんだから!
そんな氷漬けにされた時間の狭間をただただ眺める。
胸が焦げてしまいそうなこの美しさは、たぶん一生忘れられないだろうな。
5.まとめ
今回はアイスランドにあるグトルフォスの滝の観光情報、黄金の滝の見どころをまとめました。
海外旅行でアイスランドを訪れるならグトルフォスの滝がおすすめです。中でも黄金の滝は見どころ満載なので、機会があればぜひ訪れてみてください。