海外旅行の食事では、「食中毒にならないかな?」と警戒してしまう人も珍しくありません。当ブログの管理人も何度か現地の飲食物で食あたりになったことがあるため、用心したい気持ちはわかります。しかし、油断さえしなければ深刻な体調不良を招くことは稀です。
今回は海外旅行の食事の安全性と危険性を解説します。併せて外国産の食品の衛生面は大丈夫なのかも説明します。加えて現地で安心して飲食するための心得、食べ物や飲み物による食中毒もまとめるので、海外旅行の飲食にお役立てください。

安全か危険かは現場で判断するしかない!



この記事では「海外旅行の食事の安全性と危険性」「外国産の食品の衛生面は大丈夫なのか」をまとめるよ!
1.海外旅行の食事の安全性と危険性


まずは海外旅行の食事の安全性と危険性を見ていきましょう。
- 安全とも危険とも断言することはできない
- 食事は調味料や調理法が体調不良に直結することがある
- 食品ごとの衛生管理が行き届いていないことがある
- 食べ物だけでなく飲み物にも警戒すべき
結論を先に言うと、海外旅行でいただく飲食物は安全とも危険とも断言することはできません。
ただし、食事は調味料や調理法が体調不良に直結することがあったり、食品ごとの衛生管理が行き届いていないことがあったり、油断は禁物です。また、食べ物だけでなく飲み物にも警戒が必要となります。
1-1.安全とも危険とも断言することはできない
海外旅行の食事は、国や地域によって衛生面が様々なため、安全とも危険とも断言できません。
仮に、日本で安全とされている食材であっても外国では適切に処理されておらず、危険を伴うことがあります。訪れる場所によっては、危険な食材でも安全な食材として扱われていることがあるので、くれぐれも直感的に「無理かも」と思ったら、口を付けないのが無難です。
「必ず安全」も「必ず危険」もないからこそ、自分の目で見て判断する必要があるでしょう!
1-2.食事は調味料や調理法が体調不良に直結することがある
訪れる国や地域によっては、調味料や調理法が体調不良に直結することがあります。
油の使い方やスパイスの用い方、火の通り具合に至るまで外国と日本では別物です。状況によっては異国ならではの調味料や調理法によって、下痢や腹痛を引き起こすことも珍しくありません。
1-3.食品ごとの衛生管理が行き届いていないことがある
限られた国や地域によっては、衛生管理が行き届いていないこともあります。
炎天下で常温保存されていたり、流通段階で腐敗していたり、冷蔵や冷凍が適切にできていなかったりと悲惨な状況も珍しくありません。ゆえに、衛生管理がちゃんとしているかどうかの自己判断が必要です。
1-4.食べ物だけでなく飲み物にも警戒すべき
用心すべきは、食材だけとは限りません。
例えば、店で提供される氷や水によっても体調不良になることがあります。現地の氷や水は日本人の体質に合わないことが多く、国や地域によっては水道水そのものが飲めないところも少なくありません。ゆえに、食料品だけでなく飲料水にも注意が必要です。
まずは食べ物・飲み物に限らず「口にして大丈夫か」ガイドや添乗員に聞いてみてはいかがでしょうか?



安全か危険かはその時々によっても変わる!



こればかりは自分の目でも判断する必要があるかも!
2.外国産の食品の衛生面は大丈夫?


次に外国産の食品の衛生面は大丈夫なのかを見ていきましょう。
外国産の食品は、日本と比較すると必ずしも安心とは言えません。
中には国内では制限されている添加物や農薬が使用されていたり、保存状態や流通経路に問題があったりすることもあるため、見慣れているものでも油断はできません。国や地域によっても衛生事情は変わるので、以下の表も参考にしてみてください。
- アジア:やや危険
- オセアニア:やや安全
- 北米:どちらとも言えない
- 中南米:どちらとも言えない
- ヨーロッパ:やや安全
- 中東:どちらとも言えない
- アフリカ:やや危険
以上の表は「客観的に見て」という前提とはなるものの、やはりアジアやアフリカの一部はやや危険なことが多いです。豊かな設備が揃っている都会では問題なくとも、田舎の方の貧しい地区に行くと適切な管理ができていないことも少なくありません。地元の市場には、ワイルドミートのようなものもあります。
ゆえに、何か飲み食いする際は適切な判断が欠かせません。
逆に、オセアニアやヨーロッパはやや安全と言えるでしょう。欧州や豪州であれば、比較的安心して飲み食いできるのではないでしょうか。
一方で、北米や中南米や中東のようにどちらとも言えない国もあります。該当の地域では人や店ごとに衛生観念に差があり、同じ地区でも洗練された一品からゲテモノまであるからこそ、必ず口して問題ないものなのかどうか確認が必要です。



屋台形式だとどうしても不衛生になりがちだよね!



都市では安全でも地方では危険なことがあるから慎重に判断したいところ!
3.現地で安心して飲食するための心得


次に現地で安心して飲食するための心得を見ていきましょう。
- 常にアルコール消毒を怠らない
- 何かを食べる際はレストランにする
- 何かを飲む時はペットボトルにする
- リスクのあるものは避ける
旅先で食あたりや食中毒を避けるには、常にアルコール消毒を怠らないこと、何かを食べる際はレストランにすること、何かを飲む時はペットボトルにすること、リスクのあるものは避けることが重要です。ここでは、それぞれの点について詳しく解説します。
3-1.常にアルコール消毒を怠らない
海外旅行中は、常にアルコール消毒を怠らないでください。
飲食の前後に手を殺菌することで、リスクを回避できます。アルコール消毒だけでは滅菌効果が期待できませんが、様々なものを触った手で直接食事するよりは安心です。
3-2.何かを食べる際はレストランにする
何かを食べる際は、レストランを選ぶと安心です。
レストランが必ずしも安全とは言えませんが、屋台のファーストフードと比べると危険はありません。衛生状況が確認できる店舗を選べば、過度に心配する必要はないでしょう。
3-3.何かを飲む時はペットボトルにする
何かを飲む時は、ペットボトルを選ぶと安心です。
ペットボトルも絶対安心とは言えませんが、屋台のフレッシュドリンクと比較すると危険はありません。中身が密閉されている製品を選べば、過度に不安になる必要はないのではないでしょうか。
3-4.リスクのあるものは避ける
旅行中、食べ慣れているものや飲み慣れているものを中心に摂取し、リスクのあるものは避けましょう。
生魚や生肉といった生ものはもちろん、専門的な技術や知識を必要とするもの、特殊な素材が使用されているものも避けるのが望ましいです。加熱が不十分なものも、原則は避けることを推奨します。
工場で加工された食品であっても、油断はできません。



軽い症状の場合は、経口補水液で円分と水分を補給しながら安静に!



重い症状の場合は、現地の医療機関に相談を!
4.食べ物や飲み物による食中毒


最後に食べ物や飲み物による食中毒についてまとめます。
食中毒は、病原菌の侵入により下痢や腹痛が引き起こされる病気です。主に、ウイルスをはじめ寄生虫や大腸菌によるものが主流で、カンピロバクターやサルモネラ、ノロウイルスやロタウイルスに起因するものが存在します。
主な症状は、以下の4つです。
- 嘔吐
- 下痢
- 発熱
- 腹痛
以上の症状が見られたら、食あたりを疑ってみてください。
なお、食中毒とまではいかずとも消化不良などに苦しめられることも珍しくありません。あるアンケートによると「海外旅行者の約20%~50%が嘔吐・下痢・発熱・腹痛」を訴えているという調査結果も出ています。ゆえに、一時的な症状であっても油断しないことが重要です。
ちょっとした食あたりであれば数時間~数日で自然治癒しますが、食中毒は数週間~1ヶ月ほど続くこともあるため、油断は禁物。別途、飲食物からは次のような病気を発症することもあるので、常に油断しないようにしましょう。
- 肝炎
- コレラ
- 赤痢
- チフス
上記の病気は、汚染された飲食物が主な感染源。
肝炎には、主にA型肝炎やE型肝炎があり、一度炎症を引き起こすと大変な思いをします。他にも、感染症に指定されるコレラやチフス、伝染病に指定される赤痢も危険です。だからこそ、海外旅行中は、常に安全への考慮を忘れてはなりません。



すべてのリスクに配慮するのは厳しくても、対応策は怠らないように!



予防法について知っておくだけでも、身を守ることに繋がるかも!
5.まとめ
今回は海外旅行の食事の安全性と危険性、外国産の食品の衛生面は大丈夫なのかをまとめました。
海外旅行の食事は、安全とも危険とも言えません。それどころか「都会だから安心」「田舎だから危険」とも言えず、店や人によって状況は様々です。だからといって当然、常に警戒すべきとは言えませんが、用心するに越したことはないと思います。
現地で食あたりや食中毒になるとスケジュールに影響が出るだけでなく、入院が必要となることもあるでしょう。もちろん、過度に怯える必要はありませんが、安心して旅行したいということであれば、まずは現地の衛生状態について調べてから渡航してみてはいかがでしょうか。