エジプトの古代都市テーベに築かれた岩窟墓群、それが王家の谷です。そこはトトメス1世が盗賊から守るために王墓を隠した場所で、歴代ファラオの墓が眠る聖域として知られています。少年王ツタンカーメンの墓が見つかった観光スポットとしても有名です。
今回はエジプトにある王家の谷の観光情報をまとめます。ここでは概要・予算・時間・場所・気候・服装・治安・注意点の他、実際に訪れた管理人が厳選した見どころも紹介します。記事の最後には体験談もあるので、ぜひ海外旅行の計画にお役立てください。
王家の谷は岩山の最深部に隠されている秘密の墓!
この記事では「エジプトにある王家の谷の観光情報」「ツタンカーメンの墓の見どころ」をまとめるよ!
1.王家の谷の概要
まずは王家の谷の概要を見ていきましょう。
- 国:エジプト
- 地域:ルクソール
- 特徴:世界遺産/遺跡
- 目玉:ツタンカーメンの墓
- 方法:個人/ツアー
- おすすめ度:
王家の谷は世界遺産の古代都市、テーベの岩山に築かれた岩窟墓群です。そこは古代エジプト文明の謎を紐解く場所で、新王国時代のファラオたちが眠る観光スポットとして知られています。
もともと古代エジプトでは、絶対的権力者の象徴としてピラミッドやスフィンクスが建設されていました。しかし、盗掘が後を絶たなかったため、時の権力者であるトトメス1世は力を誇示するような王墓ではなく盗賊に盗まれない墓の建造を計画します。この発案により誕生したのが王家の谷です。
実際に王家の谷周辺には古くからクルナ村と呼ばれる“墓泥棒の村”があり、古代遺跡の盗掘被害が相次いでいました。
クルナ村は王墓の埋蔵品を目当てに住み着いた人々が作った村で、古くから墓荒らしで生計を立ててきた村として知られています。実際に盗掘された遺品はヨーロッパの古美術商を中心に売り捌かれ、ロンドンの大英博物館にも何点か買い取られているほどです。
なお、王家の谷は東の谷と西の谷に分かれており、東の谷には60の墓、西の谷には4の墓があります。ただ、王家の谷はもともとトトメス1世が盗掘から王墓を守るために作った岩窟墓群だったこともあり、未だ発見されていない墓地があるのではないかと考えられているのも特徴です。
王墓にはそれぞれ英名「Kings Valley」の頭文字を取って「KV」と表記されており、発掘された順番ごとに番号が振られているのも特徴と言えるでしょう。例えば、ツタンカーメンの墓であれば「KV62」という具合。他の墓もアルファベットと数字が書かれているので、併せてチェックしてみてください。
エジプトを訪れるなら王家の谷は外せないね!
カイロを拠点にするなら個人で行くのもツアーで行くのもおすすめだよ!
2.王家の谷の観光情報
次に王家の谷の観光情報を見ていきましょう。
2-1.予算
- 個人:数千円~1万円
- ツアー:1万円~3万円
- 予算総額:15万円~45万円
個人は自分での手配、ツアーは旅行会社での代行、予算総額はエジプト旅行全体(移動費・宿泊費・飲食費・観光費)にかかる目安となります。入場料は変動するので直近の情報を調べておくと安心です。
2-2.時間
- 営業時間:6時00分~17時00分(季節で変動あり)
- 所要時間:1時間~2時間
- 必要期間:7日~15日
営業時間は開店から閉店、所要時間は到着から出発、必要期間は出国から帰国までにかかる目安となります。
2-3.場所
- 場所:エジプト/ルクソール
- 住所:Luxor, Luxor 1340420, Egypt
- 行き方:バス/タクシー/レンタカー/ツアー
- バス:7時間30分~8時間
- レンタカー:7時間30分~8時間
- タクシー:20分~30分
- レンタカー:20分~30分
場所と住所は所在地の目安となります。行き方は「カイロ⇒王家の谷」への一例であり、他の方法でもアクセスできます。直接向かうなら飛行機もしくは現地発着のツアーがおすすめです。
2-4.気候
- 1月~3月:やや暑くて晴れやすい気候
- 4月~6月:暑くて晴れやすい気候
- 7月~9月:暑くて晴れやすい気候
- 10月~12月:やや暑くて晴れやすい気候
- ベストシーズン:1月~2月/11月~12月
平均 | 最高気温 | 最低気温 | 降水量 |
1月 | 23℃ | 7℃ | 0mm |
2月 | 26℃ | 8℃ | 0mm |
3月 | 30℃ | 12℃ | 0mm |
4月 | 35℃ | 17℃ | 0mm |
5月 | 39℃ | 21℃ | 0mm |
6月 | 41℃ | 24℃ | 0mm |
7月 | 41℃ | 25℃ | 0mm |
8月 | 41℃ | 25℃ | 0mm |
9月 | 39℃ | 22℃ | 0mm |
10月 | 35℃ | 19℃ | 0mm |
11月 | 29℃ | 12℃ | 0mm |
12月 | 24℃ | 8℃ | 0mm |
2-5.服装
- 1月~3月:体温調節できる服装
- 4月~6月:薄手の服装
- 7月~9月:薄手の服装
- 10月~12月:体温調節できる服装
- 持ち物:歩きやすい靴
2-6.治安
- やや悪い
エジプトは総じて治安が悪く、旅の拠点となるカイロも治安不良です。
2-7.注意点
- 事前の勉強
- 拠点からの立地
- 遺跡の保存状態
- 遺跡への接触
2-7-1.事前の勉強
王家の谷は事前に勉強しないと魅力が半減してしまうかもしれません。逆に古代エジプトに関する情報を頭に入れておくことで遺跡に秘められたドラマも見えてくるため、背景を学んでから訪れてみてください。
2-7-2.拠点からの立地
王家の谷は日帰りで観光可能です。ただ、カイロから片道7時間50分~8時間30分ほど、往復15時間40分~17時間ほどかかります。観光時間を含めると半日~終日はかかるので、余裕のある日程を組みましょう。
2-7-3.遺跡の保存状態
王家の谷は遺跡の保存状態が完璧ではありません。時代の流れで失われてしまった部分もある他、雑な発掘作業で壊されてしまった部分もあります。そのため、完全な状態で保管されているわけではないことを念頭に置いておいてください。
2-7-4.遺跡への接触
王家の谷は希少な遺跡が残っているため、遺跡への接触には気を付けたいです。遺跡内には貴重な歴史や文化を紐解く遺物も収蔵されており、古代遺跡の財宝や出土品も展示されています。当然ながら許可なく触れたり傷つけたりしてはいけません。
観光情報は変更となる場合があることを加味しておきたいね。
Googleマップの口コミを参考にするのもおすすめかも!
3.王家の谷の見どころ
ここからは王家の谷の見どころをまとめます。
3-1.ツタンカーメンの墓
おすすめ度:
ほぼ未盗掘の少年王の墓。
※仮画像
王家の谷はツタンカーメンの墓など見どころ満載です。
24の王墓を含む64の墓が発見されている王家の谷では、ツタンカーメンの墓をはじめとする歴代ファラオの王墓が多数発掘されており、2014年には新たに約50体のミイラも見つかっています。
エジプトの王墓といえば巨大なピラミッドやスフィンクスが著名ですが、新王国時代以前から盗掘の被害が続いていたことを受け、トトメス1世は王家の谷に墓を隠すことを計画。以降、王家の谷には古代エジプトを統治した王たちの岩窟墓が次々と建設されるに至りました。
代表的な王墓は以下の通りです。
- トトメス1世の王墓
- トトメス3世の王墓
- ハトシェプストの女王墓
- アメンホテプ2世の王墓
- ツタンカーメンの王墓
- アイの王墓
- ラムセス1世の王墓
- ラムセス2世の王墓
- ラムセス3世の王墓
- ラムセス4世の王墓
- ラムセス6世の王墓
- ラムセス7世の王墓
- ラムセス9世の王墓
- ラムセス10世の王墓
- セティ1世の王墓
- セティ2世の王墓
どの王墓も見応え十分ですが、1922年に見つかったツタンカーメンの墓は絶対に見逃せません。
他の王墓は盗賊の被害に遭ったもののツタンカーメンの墓は唯一ほぼ未盗掘で、2,000点以上にも及ぶ副葬品などの財宝もほぼ完璧。中でも、イギリス人考古学者のハワード・カーターが発見したツタンカーメンの黄金のマスクは世界で最も名の知れた宝物と言えるでしょう。
王家の谷ではツタンカーメンのミイラも一般公開されているため、ぜひ古代文明の遺産とともに眠る少年王との邂逅をお楽しみください。ただし、王墓内での撮影は禁止されており、追加料金を払っても一部しか撮影できません。撮影券は受付で購入するかどうか聞かれるので、状況に合わせて判断してください。
王家の谷ではツタンカーメンの墓が目玉!
個人的にはほぼ未盗掘のツタンカーメンの墓がおすすめ!
4.王家の谷の体験談
最後に管理人が2017年11月に訪れた王家の谷の体験談を記しておきます。等身大の海外旅行記としてお楽しみください。
ナイル川を渡って向かうは、古代エジプトで絶大な力を誇った歴代ファラオの眠る王家の谷。
まずはしばしの船旅を楽しむとしよう。
途中、世界的な推理小説作家アガサ・クリスティが「ナイルに死す」を執筆していたホテルが見えるらしいよ。
最高級ホテル、オールドカタラクトね。
「オリエント急行殺人事件」「スタイルズ荘の怪事件」「そして誰もいなくなった」……数々の名作を生んだ文豪が滞在したホテルか。
気になるよね。ちなみに、ウィンストン・チャーチルやフランソワ・ミッテランも滞在したホテルなんだってさ。
船の後ろには憎々しいほどのイケメン!世が世ならイケメンすぎて逮捕されるレベルの目鼻立ちっぷり!
女性が写真を求めると笑顔、男性が写真を求めるとキメ顔をしてくれる神対応っぷり。
ただ、イケメンに惑わされていたこともあり、アガサ・クリスティが滞在していたホテルを見逃すという……。
何してんの!ってかもう対岸に到着するし!
これぞまさにナイルに死す……カタルシス、いやジーザス。
今から向かう王家の谷はちゃんと写真に収めてよね!
王家の谷に到着!晴天も相まって神々しい……!
エジプトには各地に王族の墓(ピラミッド含む)があるけど、ここでは新王国時代の王墓が多数発見されてるとのこと。
24の王墓を含む64の墓が発掘されてる“死の聖域”。生半可な気持ちで立ち入ってはいけない場所。
ただ、この地はその希少価値から盗賊などの墓荒らしが後を絶たなかったなんて話もあるのだとか。
それでも、ツタンカーメンの墓だけは奇跡的にほぼ盗掘されていない状態で見つかったんだってね。
よし、いざファラオの眠る谷へ!ちなみに、王家の谷までは灼熱の太陽を肌で感じられる剥き出しトロッコバスで向かうよ!
こ、これが王家の谷……まるで“冥界への入り口”。ここに一体どれだけの墓が埋まってるんだろう。
ツタンカーメンの墓をはじめトトメスやラムセス、セティやアメンホテプなど歴代の王墓が発見されてるみたい。
ただ、未だに未発掘の王墓も存在するという。
王家の谷、もしかしたら想像を優に超える規模なのかもしれない。
死者を埋葬する場所なのにこの神々しさは一体……。
歴代の王がこの地で眠ろうと思った理由がちょっとだけわかる気がするね。言葉にできない“何か”がそこにあるよ。
◆
◆
◆
写真撮影禁止だから中は撮影できなかったけど、ツタンカーメンの墓がすごすぎた。ミイラも鬼気迫るものを感じたよ。
他にも見つかっていない王墓があるなんて、もうロマンしかないよ。
2014年には新たに約50体ものミイラが発見されるなど、未だに全容が解明できていない岩窟墓群。まだまだロマンが埋まってるさ。
……いつかすべて発掘されたらまた来よう。
その頃には想像もできないような古代都市が見つかってるかも。
……んん!古代エジプトの世界は奥が深い!!
5.まとめ
今回はエジプトにある王家の谷の観光情報、ツタンカーメンの墓の見どころをまとめました。
海外旅行でエジプトを訪れるなら王家の谷がおすすめです。中でもツタンカーメンの墓は見どころ満載なので、機会があればぜひ訪れてみてください。