屋久島にある世界遺産の県道78号線、それが西部林道です。野生の動物たちが住まう林道は鬱蒼とした原生林に包まれ、屋久島の原風景が広がっていることで知られています。そこはさながら天然のサファリパーク……幻想と神秘が共存する神の島ならではの観光スポットと言えるでしょう。
今回は屋久島にある西部林道の観光情報をまとめます。ここでは概要・予算・時間・場所・気候・服装・治安・注意点の他、実際に訪れた管理人が厳選した見どころも紹介します。記事の最後には体験談もあるので、ぜひ国内旅行の計画にお役立てください。
西部林道は世界遺産に含まれている世にも珍しい県道78号線!
この記事では「屋久島にある西部林道の観光情報」「屋久島灯台や横河渓谷の見どころ」をまとめるよ!
1.西部林道の概要
まずは西部林道の概要を見ていきましょう。
- 国:鹿児島/屋久島
- 地域:栗生
- 特徴:滝
- 目玉:屋久島灯台/横河渓谷
- 方法:個人/ツアー
- おすすめ度:
西部林道は鹿児島の離島、屋久島の世界遺産に含まれている県道です。そこは日本最大級の照葉樹林帯が広がる道路で、大自然と一体化した原生林がどこまでも続く観光スポットとなっています。
屋久島きっての秘境と称される西部林道は大型車両の進入が禁止されているため、ツアーなどにも組み込まれることのない隠れた名所。まさに“秘境の中の秘境”と呼ぶに相応しい穴場と言えるでしょう。
一部が世界遺産に指定されている西部林道では屋久島固有種のヤクザルやヤクシカがのんびりと過ごしており、その遭遇率はほぼ100%と言っても過言ではありません。車窓から毛づくろいする姿も見られる他、待避所から目と鼻の先の距離で観察することもできます。
「緑のトンネル」に包まれた空間はまるでもののけの森、ありのままの動植物が暮らす天然のサファリパーク……ぜひみなさんもそんな神聖な森をドライブしてみませんか?
屋久島を訪れるなら西部林道は外せないね!
宮之浦を拠点にするなら個人で行くのもツアーで行くのもおすすめだよ!
2.西部林道の観光情報
次に西部林道の観光情報を見ていきましょう。
2-1.予算
- 個人:数千円~1万円
- ツアー:1万円~3万円
- 予算総額:5万円~10万円
個人は自分での手配、ツアーは旅行会社での代行、予算総額は屋久島旅行全体(移動費・宿泊費・飲食費・観光費)にかかる目安となります。入場料はかかりません。
2-2.時間
- 営業時間:24時間
- 所要時間:1時間~2時間
- 必要期間:3日~5日
営業時間は開店から閉店、所要時間は到着から出発、必要期間は出国から帰国までにかかる目安となります。
2-3.場所
- 場所:屋久島/永田
- 住所:鹿児島県熊毛郡屋久島町永田
- 行き方:バス/タクシー/レンタカー/徒歩/ツアー
- バス:1時間~1時間30分
- タクシー:30分~1時間
- レンタカー:30分~1時間
場所と住所は所在地の目安となります。行き方は「宮之浦⇒西部林道」への一例であり、他の方法でもアクセスできます。直接向かうなら現地発着のツアーがおすすめです。
2-4.気候
- 1月~3月:寒くて雨が降りやすい気候
- 4月~6月:やや寒くて雨が降りやすい気候
- 7月~9月:やや暑くて雨が降りやすい気候
- 10月~12月:やや寒くて雨が降りやすい気候
- ベストシーズン:7月~8月
平均 | 最高気温 | 最低気温 | 降水量 |
1月 | 5℃ | -1℃ | 270mm |
2月 | 6℃ | -1℃ | 285mm |
3月 | 8℃ | 1℃ | 430mm |
4月 | 12℃ | 4℃ | 420mm |
5月 | 15℃ | 8℃ | 440mm |
6月 | 18℃ | 11℃ | 775mm |
7月 | 21℃ | 14℃ | 310mm |
8月 | 21℃ | 15℃ | 270mm |
9月 | 19℃ | 13℃ | 405mm |
10月 | 15℃ | 9℃ | 300mm |
11月 | 11℃ | 5℃ | 305mm |
12月 | 7℃ | 1℃ | 265mm |
2-5.服装
- 1月~3月:厚手の服装
- 4月~6月:体温調節できる服装
- 7月~9月:体温調節できる服装
- 10月~12月:厚手の服装
- 持ち物:歩きやすい靴
2-6.治安
- 良い
屋久島は総じて治安が良く、旅の拠点となる宮之浦も治安良好です。
2-7.注意点
- 周辺の商業施設
- 動植物への接触
- 対向車との衝突
2-7-1.周辺の商業施設
西部林道には目立った商業施設がありません。周辺には待避所こそあるものの飲食店や宿泊施設はなく、ギフトショップもスーパーもコンビニもありません。そのため、買い出しは最寄りの町で済ませておきたいです。
2-7-2.動植物への接触
西部林道には希少生物が暮らしているため、動植物への接触には気を付けたいです。この地域一帯は貴重な生態系を構成する生き物も生息しており、ヤクザルやヤクシカなどの動物や樹齢数百年~数千年を超える屋久杉などの植物も分布しています。当然ながら許可なく捕まえたり摘んだりしてはいけません。
2-7-3.対向車との衝突
西部林道は曲がりくねった道が約20kmにわたって続いており、栗生と永田の集落を結ぶ一本道は車1台がやっと通れる道幅しかありません。そのため、対向車との衝突には十分に注意してください。
観光情報は変更となる場合があることを加味しておきたいね。
Googleマップの口コミを参考にするのもおすすめかも!
3.西部林道の見どころ
ここからは西部林道の見どころをまとめます。
3-1.県道78号線
おすすめ度:
世界遺産に含まれた県道。
3-2.屋久島灯台
おすすめ度:
永田岬に立つ白亜の灯台。
3-3.横河渓谷
おすすめ度:
花崗岩が折り重なる渓谷。
西部林道は県道78号線や屋久島灯台、横河渓谷など見どころ満載です。
屋久島は島の約20%が世界遺産として指定されているのですが、実は県道78号線の西側部分も併せて世界遺産に指定されています。その県道78号線の西側部分が俗に言う西部林道であり、ヤクザルやヤクシカと出会える森として知られています。
曲がりくねった道に鬱蒼とした照葉樹林が続く姿はさながらもののけの森。光が差し込む木陰は「緑のトンネル」とも呼ばれ、屋久島一周ドライブの定番スポットとしても知られています。途中、屋久島灯台や横河渓谷など、島内きっての景勝地を肌で感じられるのも魅力です。
太古から変わらぬ原始の森は動植物の居留地……言うなれば屋久島の大自然を車に乗ったまま堪能できる天然のサファリパークと言えるでしょう!
西部林道では県道78号線と屋久島灯台、横河渓谷が目玉!
個人的にはヤクザルやヤクシカに出会える県道78号線がおすすめ!
4.西部林道の体験談
最後に管理人が2021年7月に訪れた西部林道の体験談を記しておきます。等身大の国内旅行記としてお楽しみください。
西部林道に到着……というよりはレンタカーで気ままに走ってたら勝手に入ってたやつ!
屋久島を一周する県道78号線の西側がいわゆる西部林道だからね。ドライブしてたら勝手に入ってるよ。
ちなみに、ここには固有種のヤクザルやヤクシカがいるとのこと。
……ヤクシカならもうそこにいるよ。
……本当だ!思ってたより小さいから気づかなかった!
ヤクシカは比較的小柄なのが特徴みたい。
まるで「もののけ姫」に出てくるヤックル……いや、シシガミかな。
実際に屋久島にはもののけの森もあるくらいだからね。神聖な森にはたくさんの命が芽吹いてるのよ。
聞くところによると西部林道は世界遺産の一部なんだってね。
そうそう。屋久島は島全域が世界遺産だと思われてるけど、実は20%しか世界遺産に登録されてないんだよね。
その一部に西部林道も含まれてるってこと?
そうなるね。日本の道路で世界遺産に含まれてる場所って意外と珍しいんじゃないかな?
島の約90%が森ってことを考えると西部林道もその一部みたいなものか。
そんな世界遺産の中を運転できるんだから結構貴重な体験だと思うよ。
噂に聞いていた通り、そこかしこにエテ公がいる!
いや、言い方!せめて“お猿さん”って言いなよ!
人間があまり来ないからか、道端で毛づくろいするほど警戒心ゼロ。
ここまで平和ボケしてると交通事故に巻き込まれそう。
レンタカー屋のおじさん曰く「西部林道は車同士がすれ違えないほど狭いから気を付けて」ってことだったよ。
確かに西部林道めちゃ細いもんね。急カーブや急勾配な道もあるからか、交通事故も毎年発生してるみたい!
雨が降ると土砂や落石の影響で通行止めになることもあるとか。
……く、くれぐれも安全運転で!
待避所に車を停めてヤクザルと語らう。
いや、めっちゃ威嚇されてるやん!
……どこぞのYouTuberみたいに無断で撮影したからかな?
野生の生き物とは距離感を大切に!一歩でもパーソナルスペースに入ったら“ヤクザル百裂拳”喰らうよ!
猿は他の動物と比べて縄張り意識も強いから、写真を“撮らせていただく”という気持ちが重要だね。
もちろん、餌を与えたり手を出したりするのもNG。
あくまでもここは彼らのテリトリー……僕らは部外者でしかない。
もう「いつまで茶番やっとんねん」って顔してるから退散しよう!
それにしても西部林道の運転、神経すり減りまくり。
ヤクザルやヤクシカに気を配り、対向車に気を張り、曲がりくねった道に気を揉み……なんかどっと疲れた!
距離も約20kmと意外に長いから途中何度か休憩するべきだったかも。
ここ屋久島灯台までの道も極細一本道で超ハードだったね!
対向車が来た時の焦り具合ったらないよね。
電波もずっと圏外だったから余計怖かったよ。
こんなところで交通事故にでも遭ったら本当どうしようもない。
救急車や消防車も通れないだろうし……それこそ車が大破なんてしちゃった日には一巻の終わり!
見えてきたのは屋久島灯台。
真っ白な外観が特徴だね。
……まぁ、ただそれだけなんだけどね!笑
屋久島灯台は1897年に点灯されたのが始まりで、100年以上屋久島近海の船の道標になってきたとか。
運が良かったら沖合にイルカやクジラの姿も見られるらしいよ。
ただし、見学は外観のみで中には入れないみたい。
……そんな灯台を背に再び屋久島一周へ!
そろそろ屋久島一周ドライブも佳境!
……西部林道を抜けた先、永田の山奥まで来ちゃった。
なんでまたこんなところまで来ちゃったの?
なんでも横河渓谷なる花崗岩でできた沢があるって聞いたのさ。
……急激に天候が荒れてきたけど大丈夫?遭難しない?
おぉ!あれが横河渓谷か……ってどうやって行くんだろう?
……わかんない!でも綺麗な沢だね!
ちゃんと遊歩道も整備されてて快適!快適!
もっさりと苔むしててなかなか雰囲気あるよ。
……おっと、ここから先は浸水してて行けないや!
ありゃ?こりゃ引き返すしかないかな?
残念だけど、そうなっちゃうね。
まぁでも、横河渓谷っぽさは堪能できたし良しとしよう。
ここからは怒涛の展望所巡り……行っちゃおう!
石滝島一周達成目前だからか、すごい駆け足!
道路沿いに見えてきたのは夕日の丘展望所!
ここは知る人ぞ知る屋久島の夕日スポット。石でできたウミガメが目印!
さらに道路沿いを進むと見えてくるのが東シナ海展望所!
文字通り、東シナ海を一望できる展望台!
永田周辺はウミガメの産卵地としても知られるだけあって、3匹のウミガメにも出会えたり出会えなかったり!
……こ、これってウミガメなの?!
屋久島一周、最後にやってきたのは西郷隆盛上陸の地……最後だけに西郷ってね!笑
こんな豪雨の中、しょうもないダジャレに付き合わされる身にもなってよ!
……もうさ、写真とか取ってる場合じゃないよね、雨やばくて。
ふざけすぎて屋久島の神様の逆鱗に触れちゃったのかな?
屋久島の旅の締めくくりがこんな形で終わるなんて……嫌!笑
でも、これも私たちらしくていいんじゃない?西郷隆盛もきっと「おいどんもそう思う」って言ってるよ!
5.まとめ
今回は屋久島にある西部林道の観光情報、屋久島灯台や横河渓谷の見どころをまとめました。
国内旅行で屋久島を訪れるなら西部林道がおすすめです。中でも屋久島灯台や横河渓谷は見どころ満載なので、機会があればぜひ訪れてみてください。