世界には凍えるほどに寒い国が存在し、人間を一瞬で氷漬けにしてしまうような清冷の地域として恐れられています。そこは粉雪が降り注ぐ氷点下、命すら樹霜に帰す氷天の領域……旅人が手を突っ込もうものなら死は免れない場所です。
今回は世界の寒い国ランキングを作成しました。ここでは最低気温が低い厳寒・極寒の国をランキング形式でトップ10まで掲載しています。涼しい国ほど冷気に満ちたクールな旅ができるので、ぜひ旅先選びにもご活用ください。
世界最低気温として観測された記録には-110℃を超えるものもあったとか!
この記事では「世界の寒い国ランキング」「最低気温が低い厳寒・極寒の海外旅行先」をまとめるよ!
1.寒い国がおすすめな人
まずは寒い国がおすすめな人を見ていきましょう。
- 寒さを実感したい人におすすめ
- 暑さが苦手な人におすすめ
みなさんは世界最低気温と聞いて、何℃を思い浮かべるでしょうか?
国内ではどれほど寒くても-30℃~-39℃が限界で、-40℃を超えることは滅多にありません。その反面、海外には-40℃どころか-50℃~-60℃という厳寒・極寒を遥かに超える場所が存在します。中には-70℃~-80℃を超える清冷の地まで存在するとのこと。
もちろん、気温は観測方法や記録方法に左右されるので必ずしもこの数値が正しいとは限りません。ただ、公式・非公式を含めると地球には-110℃を超える場所も実在するそうです。参考までに以下をご覧ください。
- 南極
2016年:到達不能極基地で-110.9℃
2010年:ドームA~F付近で-93.2℃
2004年:東南極高原付近で-98.6℃
1983年:ボストーク基地で-89.2℃
1982年:アムンゼンスコット基地で-82.8℃ - アメリカ
1971年:プロスペクトクリークで-62.2℃
1969年:デナリ国立公園で-73.3℃
1954年:ロジャーズ峠で-56.7℃ - ロシア
2018年:ヤクーツクで-62.0℃
1978年:ウスチシュゲルで-58.1℃
1926年:オイミャコンで-71.2℃
1892年:ベルホヤンスクで-67.8℃ - デンマーク
1991年:グリーンランドで-69.6℃ - カナダ
1955年:フォートセルカークで-58.9℃
1947年:スナッグで-63.0℃ - 中国
2009年:根河で-58.0℃ - モンゴル
1976年:ズンゴビで-55.3℃ - オーストリア
1932年:シャイプスで-52.6℃ - スウェーデン
1966年:アリエプローグで-52.6℃ - アフガニスタン
1964年:シャラクで-52.2℃
これは世界各地で計測された過去の最低気温のデータとなります。そのため、史上最低気温だけでランク付けするなら以上のような順位となります。真偽の疑わしい統計もありますが、調査地点によってはダウンバーストの影響などで-110℃を超えることもあったとか。
本来、地球は北極・南極に近づくほど気温が下降するものの、世界最低気温をマークしている国や地域は北極・南極直下とは限りません。むしろ意外な場所で報告されている数字もあるくらいで、世界規模で地球温暖化が進む現代でも最低気温は更新され続けています。
まさに地球全体がダウンバーストの真っ只中と言えるのかもしれません。
もし海外旅行するならそんな清冷の地で地球の寒さを感じてみてはいかがでしょうか。ここで挙げた場所なら全身砕けるような寒さを体験できるはずです。
日本でも-40℃を超える市区町村が出始めてるくらいだし、いずれ-50℃を超える日も出てくるかも!
寒さを実感したい人や暑さが苦手な人には寒い国がおすすめかも!
2.寒い国ランキング
ここからは寒い国ランキングをまとめます。
当ランキングでは各首都や各都市における冬季の平均最低気温を加味して選定しています。
- モンゴル
- カザフスタン
- カナダ
- ロシア
- 北朝鮮
- キルギス
- フィンランド
- ノルウェー
- エストニア
- ベラルーシ
- 世界気象機関:ワールドウェザーインフォメーション
- 気象庁:世界の天候/世界の異常気象
- その他の調査機関
- 管理人の実体験
寒い国ベスト3はモンゴル・カザフスタン・カナダです。他にもロシアや北朝鮮やキルギス、フィンランドやノルウェー、エストニアやベラルーシも冷気に満ちた地域とされています。このようにアジアや北米、ヨーロッパは温度も低めです。
ちなみに、気象庁の情報によると日本の冬(1月~3月)の平均最低気温は約2℃~9℃となっています。
では、さらに詳しいランキングを見ていきましょう。順位や星は管理人の独断偏見・趣味嗜好が含まれるものの、特定の国を差別・贔屓する意図はございません。
1位.モンゴル
- 寒い度:
- ウランバートルの平均最低気温:約-27℃~-28℃
モンゴルは世界で一番寒い国とされています。亜寒帯気候や乾燥帯気候に属するアジアの国だけあって冬季の気温が非常に低いのが特徴です。
首都のウランバートルは毎年11月~2月にかけて凍え尽くされるような寒さとなり、1日の平均最低気温は-27℃~-28℃を超えます。1年で最も寒くなるとされる12月~1月には最低気温が-45℃を超える日もあるなど、永久凍土に覆われた清冷の国となります。1976年12月にはズンゴビで-55.3℃に達しており、WMOが「アジア大陸での史上最低気温」と認定してもおかしくないほどです。
現地では寒波に襲われる日もあり、単なる海外旅行であっても油断はできない気候です。さながら窮寒の危険区域……防寒具を忘れるとこの世を去ってしまう可能性も!
真冬となる12月~1月はあまりの寒さに亡くなってしまう人までいるのだとか。
気温が-45℃を超えれば、どこで息を引き取っても不思議じゃない。
2位.カザフスタン
- 寒い度:
- アスタナの平均最低気温:約-19℃~-20℃
カザフスタンは亜寒帯気候や乾燥帯気候に属するアジアの国で冬季の気温が極めて低くなります。
首都のアスタナは毎年11月~3月にかけて霜が降りるような寒さとなり、1日の平均最低気温は-19℃~-20℃を超えるのが特徴です。1年で最も寒くなる12月~2月には最低気温が-51℃を超えるなど、強烈な寒さに襲われる地域となります。非公認ではあるものの過去にはアトバサルで-57.0℃という温度に達したとか。
現地は永久凍土の堆積地ということもあり、常軌を逸した寒さとなっています。そのため、近年では「地球上で最も急速に温度が下降している地域の1つ」に数えられています。
地球温暖化が起こりつつも、気象次第では-60℃を超える地域が……。
これ以上寒くなったら血が凍結しちゃう!
3位.カナダ
- 寒い度:
- オタワの平均最低気温:約-13℃~-14℃
カナダは亜寒帯気候や寒帯気候に属する北米の国で冬季の気温が極めて高くなります。
首都のオタワは毎年12月~3月にかけて雪が降るような寒さとなり、1日の平均最低気温は-13℃~-14℃を超えるのが特徴です。1年で最も寒くなる11月~2月には最低気温が-36℃を超えるなど、猛烈な寒さに包まれる地域となります。1947年2月にはスナッグで-63.0℃という温度に達したとか。
現地は永久凍土のたまり場ということもあり、常識から外れた寒さとなっています。そのため、昨今では「地球上で最も急速に温度が下降している地域の1つ」に数えられています。
地球温暖化が進みつつも、天気次第では-60℃を超える地域も……。
これ以上寒くなったら肉が壊死しちゃう!
4位.ロシア
- 寒い度:
- モスクワの平均最低気温:約-9℃~-10℃
ロシアは世界で一番寒い国との呼び声もあり、かの世界記録書籍「ギネスワールドレコーズ」でも“-71.2℃の清冷の国”として認定された国です。ただ、平均最低気温で見ると一概に世界一寒い国とは断言できません。
首都のモスクワは毎年11月~3月に寒さがピークを迎えるのですが、1日の平均最低気温だと約-9℃~-10℃程度です。1年で最も寒い12月~2月には-42℃を超える日もありますが、世界で最も寒い国かどうかは判断が難しいところです。もちろん、極めて寒い国であるのは間違いなく、各地で驚異の気温をマークしています。
ただし、ロシアの観測記録については情報元が詳細不明なので、仮設でこの位置にランクインさせていただきました。
歴代の最低気温と平均の最低気温は切り離して考えることが必要かも。
観測方法や記録方法で変わるから厳密な順位を割り出すのは難しいよね。
5位.北朝鮮
- 寒い度:
- 平壌の平均最低気温:約-9℃~-10℃
北朝鮮は亜寒帯気候に属するアジアの国で、しばしば災害級の寒さが暴威を振るう国です。
首都の平壌は毎年11月~2月にかけて厳寒・極寒となり、1日の平均最低気温が-9℃~-10℃を超えます。1年で一番寒くなる12月~1月は低体温症になるリスクも倍加するなど、常に氷塊を抱いているかのような環境となります。この時期は意識が飛ぶほどの寒さとなるのが特徴です。
この地域一帯は乾燥しているだけでなく寒波にも遭遇しやすいなど……甘く見ていると命の保証はありません!
暖かい場所で休憩しつつ観光しないと戯言抜きで死んじゃう。
海外旅行する際はできる限り寒さ予防をしてかないと散々な目に遭うかも。
6位.キルギス
- 寒い度:
- ビシュケクの平均最低気温:約-7℃~-8℃
キルギスも亜寒帯気候や亜熱帯気候に属するアジアの国で、ちょくちょく災害級の寒さが猛威を振るう国です。
首都のビシュケクは毎年11月~3月にかけて厳寒・極寒となり、1日の平均最低気温が-7℃~-8℃を超えます。1年で一番寒くなる12月~2月は低体温症になるリスクも倍増するなど、常に雪玉を投げつけられているような環境となります。この時期は目が覚めるほどの寒さとなるのが特徴です。
この地域一帯は乾燥しているのみならず寒波にも遭遇しやすいなど……気を抜いていると命の保証はできません!
暖かい場所で休息しつつ散策しないと冗談抜きで死んじゃう。
海外旅行する時はできる限り寒さ対策をしてかないと悲惨な目に遭うかも。
7位.フィンランド
- 寒い度:
- ヘルシンキの平均最低気温:約-7℃~-8℃
フィンランドは亜寒帯気候や寒帯気候に属するヨーロッパの国で、冬季の気温がかなり寒くなる国の1つです。
首都のヘルシンキは毎年11月~3月にかけて寒さに拍車がかかり、1日の平均最低気温も-7℃~-8℃を超えます。1年で一番寒くなるのは12月~2月頃とされ、この季節にはとてつもない寒波が覆い尽くします。日によっては-35℃を下回ることもあるなど、その寒さは異空間です。
「世界の主要都市の中で最も寒い地域の1つ」とされるだけあり、太陽が沈んでいる時間帯は外を歩くことすらはばかられます。
フィンランドはヨーロッパを象徴とする気温の低い国、寒さだけなら随一。
ヨーロッパってだけで反射的に寒いって決めつけてたけど、本当に異質だった。
8位.ノルウェー
- 寒い度:
- オスロの平均最低気温:約-6℃~-7℃
ノルウェーも亜寒帯気候や寒帯気候に属するヨーロッパの国で、冬季の気温がすごく寒くなる国の1つです。
首都のオスロは毎年11月~3月にかけて寒さが加速化し、1日の平均最低気温も-6℃~-7℃を超えます。1年で一番寒くなるのは12月~2月頃とされ、この時期には凄まじい寒波が押し寄せます。日によっては-26℃を下回ることもあるなど、その寒さは異次元です。
「世界の主要都市の中で最も寒い地域の1つ」ということで、お日様が沈んでいる間はちょっと外出するだけで凍傷や脳梗塞になります。
ノルウェーもヨーロッパを代表とする気温の低い国、寒さは世界有数。
ヨーロッパはあっちもこっちも寒い印象しかないけど、北欧は格別。
9位.エストニア
- 寒い度:
- タリンの平均最低気温:約-6℃~-7℃
エストニアも亜寒帯気候や寒帯気候に属するヨーロッパの国で、冬季の気温がとても寒くなる国の1つです。
首都のタリンは毎年11月~3月にかけて寒さが本格化し、1日の平均最低気温も-6℃~-7℃を超えます。1年で一番寒くなるのは12月~2月頃とされ、この期間は甚だしい寒波に飲み込まれます。日によっては-32℃を下回ることもあるなど、その寒さは異世界です。
「世界の主要都市の中で最も寒い地域の1つ」ということで、お天道様が沈んでいる間はちょっと外出するだけで凍傷や心筋梗塞になります。
エストニアもヨーロッパを筆頭とする気温の低い国、寒さは世界屈指。
ヨーロッパはどこもかしこも寒い印象しかないけど、北欧は別格。
10位.ベラルーシ
- 寒い度:
- ミンスクの平均最低気温:約-6℃~-7℃
ベラルーシは世界で相当寒い国との呼び声もあり、かつての社会主義国家「ソビエト連邦時代」には“-42.2℃の清冷の国”として周知された国です。平均最低気温で見ても世界一寒い国の1つと言えるでしょう。
首都のミンスクは毎年11月~3月に寒さがヤマを迎え、1日の平均最低気温も約-6℃~-7℃となります。1年で最も寒い12月~2月には-39℃を超える日もあり、世界で最も寒い国と呼んでも差し支えないところです。極めて寒い国であるがゆえに、各地で驚異の気温をマークしています。
ただし、ベラルーシの観測記録については情報元が詳細不明なので、臨時でこの位置にランクインさせていただきました。
大陸性気候と大洋性気候が入り混じった寒暖差のある環境とのこと。
地形や立地で変わるから明確な基準を作り出すのも厳しいかも。
3.その他の寒い国
最後にその他の寒い国をピックアップします。
その他の国は冬季の最低気温が0℃以下に達するかどうかを含めて判断しています。
- アフガニスタン:約-3℃~-4℃
- ウズベキスタン:約-1℃~-2℃
- 韓国:約-5~-6℃
- タジキスタン:約0℃~-1℃
- 中国:約-6℃~-7℃
- トルクメニスタン:約0℃~-1℃
- ブータン:約-1℃~-2℃
アジアは北極周辺に寒い地域が集中しており、アフガニスタンやウズベキスタン、韓国や中国、ブータンなどが気温の低い国とされています。現地では真冬に0℃を下回る厳寒日・極寒日が続くなど、凍えるような寒さになることも珍しくありません。
- アメリカ:約0℃~-1℃
北米は北極を軸に寒い地域が散在しており、アメリカの気温の低さは別次元とされます。ロッキー山脈に佇む国ほど気温が低く、0℃を下回ることもあります。
- アイスランド:約-1℃~-2℃
- ウクライナ:約-5℃~-6℃
- オーストリア:約-2℃~-3℃
- 北マケドニア:約-2℃~-3℃
- クロアチア:約-1℃~-2℃
- コソボ:約-5℃~-6℃
- サンマリノ:約1℃~0℃
- スイス:約-2℃~-3℃
- スウェーデン:約-4℃~-5℃
- スロバキア:約-2℃~-3℃
- スロベニア:約-2℃~-3℃
- セルビア:約-1℃~-2℃
- チェコ:約-2℃~-3℃
- デンマーク:約0℃~-1℃
- ドイツ:約-1℃~-2℃
- ハンガリー:約-2℃~-3℃
- ブルガリア:約-4℃~-5℃
- ボスニアヘルツェゴビナ:約-4℃~-5℃
- ポーランド:約-3℃~-4℃
- モルドバ:約-3℃~-4℃
- ラトビア:約-5℃~-6℃
- リトアニア:約-5℃~-6℃
- リヒテンシュタイン:約-2℃~-3℃
- ルクセンブルク:約0℃~-1℃
- ルーマニア:約-3℃~-4℃
ヨーロッパも北極を中心に寒い地域が点在しており、ウクライナやコソボ、ラトビアやリトアニアの気温の低さは別世界とされます。アルプス山脈を望む国ほど気温が低く、0℃を下回ることもあります。
- レソト:約0℃~-1℃
アフリカも南極付近に寒い地域が密集しており、レソトなどが気温の低い国とされています。現地では真冬に0℃を下回る厳寒日・極寒日が続くなど、凍えるような寒さになることも珍しくありません。
気温はその都度変化するから日・週・月によっては0℃を超える国もあるみたいだよ。
条件さえ揃えばどの地域も平均気温が厳寒・極寒となるってことだね。
4.まとめ
今回は世界の寒い国ランキング、最低気温が低い厳寒・極寒の海外旅行先をまとめました。
寒い国にはモンゴルやカザフスタンやカナダなどがあり、ロシアをはじめ北朝鮮やキルギス、フィンランドやノルウェーも気温が低いことで知られています。他にもエストニアやベラルーシも気温が低く、夜間の平均最低気温がとんでもないことになります。
他にも計測していないだけで、公式・非公式を含めるともっとヒエヒエな地域があるかもしれません。せっかく海外旅行するならそんな清冷の地を冒険してみてはいかがでしょうか?