屋久島で風変わりな絶景を描く海岸瀑、それがトローキの滝です。モッチョム岳から流れる川が直接海に落ちることで形成された入り江はまるで地獄の大穴……そこは奈落の底へと瀑布が降り注ぐ世にも奇妙な観光スポットです。
今回は屋久島にあるトローキの滝の観光情報をまとめます。ここでは概要・予算・時間・場所・気候・服装・治安・注意点の他、実際に訪れた管理人が厳選した見どころも紹介します。記事の最後には体験談もあるので、ぜひ国内旅行の計画にお役立てください。
トローキの滝は冥界に吸い込まれそうになる黒い穴の滝!
この記事では「屋久島にあるトローキの滝の観光情報」「モッチョム岳や赤い橋の見どころ」をまとめるよ!
1.トローキの滝の概要
まずはトローキの滝の概要を見ていきましょう。
- 国:鹿児島/屋久島
- 地域:麦生
- 特徴:滝
- 目玉:モッチョム岳/赤い橋
- 方法:個人/ツアー
- おすすめ度:
トローキの滝は鹿児島の離島、屋久島の麦生を分断するように降り注ぐ滝です。一本道の先にある展望台から見渡せる地獄の大穴は世にも珍しい海岸瀑……そこは淡水と海水が入り混じる表裏一体の観光スポットです。
川から海まで一直線に水が吸い込まれる海岸瀑は滝壺さえ存在しない天然のブラックホールと化しており、滝壺と入り江が一体化した光景には思わず目を奪われます。最大落差は約6m~8mまで変化するとされ、満潮・干潮で落差が生じる奇怪な風景はこの場所ならではの景色と言えるでしょう。
無骨な展望台からは標高差約940mのモッチョム岳が顔を覗かせ、峡谷に架かる赤い橋とのコントラストも見事としか言いようがありません。その美しさから屋久島でも隠れたフォトジェニックスポットとされ、沖合からカヤックやサップで訪れるツアーなども開催されています。
屋久島を訪れるならトローキの滝は外せないね!
宮之浦を拠点にするなら個人で行くのもツアーで行くのもおすすめだよ!
2.トローキの滝の観光情報
次にトローキの滝の観光情報を見ていきましょう。
2-1.予算
- 個人:数千円~1万円
- ツアー:1万円~3万円
- 予算総額:5万円~10万円
個人は自分での手配、ツアーは旅行会社での代行、予算総額は屋久島旅行全体(移動費・宿泊費・飲食費・観光費)にかかる目安となります。入場料はかかりません。
2-2.時間
- 営業時間:24時間
- 所要時間:30分~1時間
- 必要期間:3日~5日
営業時間は開店から閉店、所要時間は到着から出発、必要期間は出国から帰国までにかかる目安となります。
2-3.場所
- 場所:屋久島/麦生
- 住所:鹿児島県熊毛郡屋久島町麦生
- 行き方:バス/タクシー/レンタカー/徒歩/ツアー
- バス:30分~1時間
- タクシー:30分~1時間
- レンタカー:30分~1時間
- 徒歩:5分~10分
場所と住所は所在地の目安となります。行き方は「宮之浦⇒トローキの滝」への一例であり、他の方法でもアクセスできます。直接向かうなら現地発着のツアーがおすすめです。
2-4.気候
- 1月~3月:寒くて雨が降りやすい気候
- 4月~6月:やや寒くて雨が降りやすい気候
- 7月~9月:やや暑くて雨が降りやすい気候
- 10月~12月:やや寒くて雨が降りやすい気候
- ベストシーズン:7月~8月
平均 | 最高気温 | 最低気温 | 降水量 |
1月 | 5℃ | -1℃ | 270mm |
2月 | 6℃ | -1℃ | 285mm |
3月 | 8℃ | 1℃ | 430mm |
4月 | 12℃ | 4℃ | 420mm |
5月 | 15℃ | 8℃ | 440mm |
6月 | 18℃ | 11℃ | 775mm |
7月 | 21℃ | 14℃ | 310mm |
8月 | 21℃ | 15℃ | 270mm |
9月 | 19℃ | 13℃ | 405mm |
10月 | 15℃ | 9℃ | 300mm |
11月 | 11℃ | 5℃ | 305mm |
12月 | 7℃ | 1℃ | 265mm |
2-5.服装
- 1月~3月:厚手の服装
- 4月~6月:体温調節できる服装
- 7月~9月:体温調節できる服装
- 10月~12月:厚手の服装
- 持ち物:歩きやすい靴
2-6.治安
- 良い
屋久島は総じて治安が良く、旅の拠点となる宮之浦も治安良好です。
2-7.注意点
- 周辺の商業施設
- 動植物への接触
2-7-1.周辺の商業施設
トローキの滝には目立った商業施設がありません。周辺には売店や休憩所こそあるものの飲食店や宿泊施設はなく、ギフトショップもスーパーもコンビニもありません。そのため、買い出しは最寄りの町で済ませておきたいです。
2-7-2.動植物への接触
トローキの滝には希少生物が暮らしているため、動植物への接触には気を付けたいです。この地域一帯は貴重な生態系を構成する生き物も生息しており、シオマネキやベンケイガニなどの動物や美しい花を咲かせるヤクシマシャクナゲなどの植物も分布しています。当然ながら許可なく捕まえたり摘んだりしてはいけません。
観光情報は変更となる場合があることを加味しておきたいね。
Googleマップの口コミを参考にするのもおすすめかも!
3.トローキの滝の見どころ
ここからはトローキの滝の見どころをまとめます。
3-1.モッチョム岳
おすすめ度:
垂直に伸びる山頂の大岩。
※仮画像
3-2.赤い橋
おすすめ度:
深緑に映える真紅の橋。
トローキの滝はモッチョム岳や赤い橋など見どころ満載です。
海岸瀑のような滝は日本各地に点在しており、北海道の知床半島にあるカムイワッカ湯の滝をはじめカシュニの滝やヨウシベツの滝は全国的に知られています。本州にも秋田県の門前大滝や岩手県のアンモ浦の滝、石川県の垂水の滝や静岡県の対島の滝などいくつかの海岸瀑が点在しています。
ただ、陸から一望できるトローキの滝のような入り江の海岸瀑は希少で、国内でもなかなかお目にかかれません。そういった意味では普段あまり見られない大自然の驚異を拝めるのもトローキの滝の魅力と言えるのではないでしょうか。
中でもトローキの滝は入り江に向かって滝が吸い込まれる珍しい瀑布で、シンクホールのようにぽっかりと空いた穴が特徴的です。その大穴はさながら地獄の門……悪天時はより一層深く暗い穴に変貌します。それもまたトローキの滝が持つ魔力と言えるでしょう。
それだけでなく切り立った山肌のモッチョム岳や鯛ノ川に架かる赤い橋も見逃せません。
トローキの滝ではモッチョム岳と赤い橋が目玉!
個人的には霧に霞む雄大なモッチョム岳がおすすめ!
4.トローキの滝の体験談
最後に管理人が2021年7月に訪れたトローキの滝の体験談を記しておきます。等身大の国内旅行記としてお楽しみください。
トローキの滝に到着。ぽんたん館にレンタカーを停めさせてもらって歩いて展望台へ向かうよ。
道路を挟んで反対側にあるのがこの石碑のような案内。これが展望台への目印ってことになるね。
表示が雨でドロッドロだから、ぽんたん館の看板を目印にした方がわかりやすいかも。
とりあえず遊歩道を通ってトローキの滝が見える展望台に行ってみよう。
どんよりした空模様とたっぷりのマイナスイオン。まるで深い森に自ら溺れていくような感覚。
とにもかくにも湿度がやばい。もうこれ水中にいるのと同じだと思う……ちょっと歩いただけで汗ばんじゃうくらいだもの。
湿気のせいなのか汗のせいなのか足元が意外と滑る。
全身から海岸瀑が止まらないや。
ここで一句「静けさや、岩に染み入る、滝の音」……と現代版奥の細道風に俳句を詠んでみる。
本当は「蝉の声」だけど、散策路までトローキの滝の爆音が響いてくるからなかなか的を射てると思う。
でも、そもそもなんでここはトローキの滝だなんて不思議な名前で呼ばれてるんだろうね。
もともとは轟きの滝と呼ばれてたみたい。それが屋久島弁で訛ってトローキの滝になったとのこと。
てっきりとろっとした滝とかそういう由来で命名されたのかと思った!
とろっとした滝なんて気持ち悪いよ!仮にそうだとしてもなんでとろみあるのってなるでしょ!
曇天ではあるものの展望台からの眺めはなかなかの絶景。円形の入り江に流れ落ちる海岸瀑ってこともあって秘境感満載だね。
雲のおかげでRPG感が止まらない。まるで巨大生物の住処みたいだよ。
水流に蠢く真っ黒な大穴から怪獣が出てきたりして……そんなことを思いながら眺めてると臆病風に吹かれて全身が痛くなる。
それただの痛風でしょ。でも、確かにずっと見つめてると吸い込まれそうな気持ちになってくるかも。
冥界への入り口は神の島にあったんだ……長居するとあの世に連れてかれそうだからそろそろ退散するとしよう。
海もどんどん黒さを帯びてきている気がする。さながら奈落に引きずり込まれる底なしの穴。
ここだけ異様に静かなんだよなぁ。本当なら滝の轟音がお腹の奥底まで響いてきそうなのに。
もしかしたらこの穴を囲う木々が天然の防音壁となっているのかもしれないねぇ。
声まで吸い取られる静寂の世界。僕の自慢の声帯も思わずストライキ起こしちゃうレベル!
地獄突きで治療してあげよっか?
まさかの荒療治!そんなの喰らったら喉はじけ飛んじゃう!冥界の王ハデスも真っ青な鬼畜の所業なり!
ここがもうすでに地獄だったということに気づいてなかったの?
……え?
……ん?
それにしても展望台狭くない?お相撲さん2人~3人くらいしか入れない。
いや、さすがにそれよりは広いと思うけど。詰め込めば5人~6人、いや7人はいける……ってかなんで相撲取り基準なの?
とりあえずトローキの滝、モッチョム岳、赤い橋を見られたから任務完了ということで!
まぁここは他に見るべきところもないからねぇ。
遊歩道の脇道には赤いカニもいる。もうすでに茹でられちゃったみたいな色してるや。
シオマネキやベンケイガニの一種かな?主に奄美大島以南のマングローブ干潟に暮らすカニらしい。
でも、なぜこんなところにそんなカニが生息してるの?
もともと屋久島には分布しない種類だったんだけど、いつの間にか定住したみたい。
……へぇ、焼いたら美味しいかな?
ガン漬けにして珍味として食べる地域もあるみたいだけど、可哀想だから逃がしてあげよう。
穴に入って隠れているつもりかね?
何そのムスカ大佐みたいな口調。
いや、追いかけると逃げてくからつい……。
屋久島の動植物は固有種もいるんだから、優しくしてあげないとダメ。
そう、ここは絶海の孤島、屋久島。
驚異の大自然が待つ神の島。まだまだ屋久島一周ロードトリップの旅は終わらない!
5.まとめ
今回は屋久島にあるトローキの滝の観光情報、モッチョム岳や赤い橋の見どころをまとめました。
国内旅行で屋久島を訪れるならトローキの滝がおすすめです。中でもモッチョム岳や赤い橋は見どころ満載なので、機会があればぜひ訪れてみてください。