山口で猫町伝説が語り継がれる山あいの寺院、それが雲林寺です。世界中から愛猫家の集まるこの場所は“猫好きの聖地”として注目を集め、隠れた名所として話題を呼んでいます。そこは「猫寺」という別名で愛されている観光スポットです。
今回は山口にある雲林寺の観光情報をまとめます。ここでは概要・予算・時間・場所・気候・服装・治安・注意点の他、実際に訪れた管理人が厳選した見どころも紹介します。記事の最後には体験談もあるので、ぜひ国内旅行の計画にお役立てください。
雲林寺は猫好きの猫好きによる猫好きのための寺院!
この記事では「山口にある雲林寺の観光情報」「木彫りの猫や猫みくじの見どころ」をまとめるよ!
1.雲林寺の概要
まずは雲林寺の概要を見ていきましょう。
- 国:山口
- 地域:萩
- 特徴:寺院
- 目玉:木彫りの猫/猫みくじ
- 方法:個人/ツアー
- おすすめ度:
雲林寺は萩の外れにある千体地蔵で知られる菩提寺で、猫町伝説の残る廃寺として知られています。中でも雲林寺は猫にまつわる逸話が伝えられており、猫好きの聖地としても崇められています。まさに猫好きなら一度は訪れたい観光スポットと言えるでしょう。
ここは猫の像や置物が奉納される「猫寺」とされ、雲林寺の本山である天樹院界隈の伝説が語り継がれています。
もともとこの地には長州藩の藩祖である毛利輝元とその夫人、そして家臣の長井元房が暮らしていたそうです。雲林寺はそんな彼らの菩提寺であり、輝元と夫人だけでなく主人に忠義を尽くして殉死した元房も眠っています。そんな元房には生涯愛した猫がおり、元房が亡くなった49日後にその愛猫もまた彼の後を追って自ら命を絶ったとされています。
ただ、この出来事から天樹院の周辺では夜な夜な猫の鳴き声が聞こえるとの噂が立ち、いつしかこの地には猫の亡霊が彷徨っていると噂されるようになってしまったのだとか。それを不憫に思った住職が供養を行い、それ以来猫の鳴き声はぴたりと止んだとされています。
その後、雲林寺には「猫を託したい」との声が集まり、世界中の猫の魂を慰めるための像や置物が置かれるようになったそうです。その数実に約600体以上……今では“猫の聖地”の名に恥じないスポットとなったわけです。
山口を訪れるなら雲林寺は外せないね!
山口を拠点にするなら個人で行くのもツアーで行くのもおすすめだよ!
2.雲林寺の観光情報
次に雲林寺の観光情報を見ていきましょう。
2-1.予算
- 個人:数千円~1万円
- ツアー:1万円~3万円
- 予算総額:3万円~5万円
個人は自分での手配、ツアーは旅行会社での代行、予算総額は山口旅行全体(移動費・宿泊費・飲食費・観光費)にかかる目安となります。入場料・拝観料はかかりません。
2-2.時間
- 営業時間:
⇒平日:9時00分~15時00分
⇒土日祝日:9時00分~17時00分 - 所要時間:30分~1時間
- 必要期間:3日~5日
営業時間は開店から閉店、所要時間は到着から出発、必要期間は出国から帰国までにかかる目安となります。
2-3.場所
- 場所:山口/萩
- 住所:山口県萩市
- 行き方:バス/タクシー/レンタカー/ツアー
- バス:1時間30分~2時間
- タクシー:30分~1時間
- レンタカー:30分~1時間
- バス:30分~1時間
- タクシー:30分~1時間
- レンタカー:30分~1時間
場所と住所は所在地の目安となります。行き方は「山口⇒雲林寺」への一例であり、他の方法でもアクセスできます。直接向かうなら現地発着のツアーがおすすめです。
2-4.気候
- 1月~3月:寒くてやや晴れやすい気候
- 4月~6月:やや暑くてやや雨が降りやすい気候
- 7月~9月:暑くて雨が降りやすい気候
- 10月~12月:やや寒くて晴れやすい気候
- ベストシーズン:5月~7月/9月~10月
平均 | 最高気温 | 最低気温 | 降水量 |
1月 | 9℃ | -1℃ | 70mm |
2月 | 10℃ | 0℃ | 95mm |
3月 | 14℃ | 2℃ | 135mm |
4月 | 20℃ | 7℃ | 190mm |
5月 | 24℃ | 12℃ | 180mm |
6月 | 27℃ | 18℃ | 290mm |
7月 | 31℃ | 22℃ | 315mm |
8月 | 32℃ | 23℃ | 180mm |
9月 | 28℃ | 18℃ | 180mm |
10月 | 23℃ | 12℃ | 95mm |
11月 | 17℃ | 6℃ | 80mm |
12月 | 12℃ | 1℃ | 70mm |
2-5.服装
- 1月~3月:厚手の服装
- 4月~6月:体温調節できる服装
- 7月~9月:薄手の服装
- 10月~12月:体温調節できる服装
- 持ち物:歩きやすい靴
2-6.治安
- 良い
山口は総じて治安が良く、旅の拠点となる山口も治安良好です。
2-7.注意点
- 事前の勉強
- 宗教関連の戒律
2-7-1.事前の勉強
雲林寺は事前に勉強しないと魅力が半減してしまうかもしれません。逆に仏教に関する情報を頭に入れておくことで社寺に秘められたドラマも見えてくるため、背景を学んでから訪れてみてください。
2-7-2.宗教関連の戒律
雲林寺は仏教寺院であり宗教関連の戒律が定められているので、見学の際は最低限の礼儀や作法を守らなければなりません。敬虔な信者の方への配慮も忘れずに。
観光情報は変更となる場合があることを加味しておきたいね。
Googleマップの口コミを参考にするのもおすすめかも!
3.雲林寺の見どころ
ここからは雲林寺の見どころをまとめます。
3-1.木彫りの猫
おすすめ度:
怪しげな木彫りの猫たち。
3-2.観音堂
おすすめ度:
猫の魂を成仏させる仏堂。
3-3.本堂
おすすめ度:
“なで仏”が鎮座する仏堂。
3-4.猫みくじ
おすすめ度:
シュールな猫のくじ引き。
雲林寺は木彫りの猫や観音堂、本堂や猫みくじなど見どころ満載です。
約600体にも及ぶ木彫りの猫が置かれた「猫寺」は雲林寺の名物とされ、今では「全米オープンチェーンソー彫刻選手権」で優勝したアーティストの作品だけでなく「ノラネコぐんだん」という絵本のキャラクターまで奉納されています。まさにここは世界中の猫アートが集まる寺院なのです。
それだけでなく猫にまみれた観音堂や本堂も必見と言えるでしょう。
山門を抜けた先には猫の魂を鎮めて福を招くとされる観音堂が置かれ、その内部にはにゃんとも言えない表情をした招福観音菩薩が2体祀られています。孫の手と猫じゃらしを持つ菩薩様の姿は猫好きじゃなくてもほっこりしてしまうこと請け合いです。本堂の内部も猫一色で最深部にはフォトジェニックな猫部屋まであるなど、猫好きにはたまらないスポットと言えます。
それだけでなく雲林寺名物の猫みくじで運試しをするのもおすすめです。他にも猫にまつわる絵馬やお守り、御朱印もあるなど「ここを訪れない限り猫好きとは言わせん」と言わんばかりです。最寄り町の萩には「萩にゃん」という猫のご当地キャラもいるので、併せて探してみるのも面白いかもしれません。
雲林寺では木彫りの猫と観音堂、本堂と猫みくじが目玉!
個人的には魑魅魍魎を匂わせる木彫りの猫がおすすめ!
4.雲林寺の体験談
最後に管理人が2022年9月に訪れた雲林寺の体験談を記しておきます。等身大の国内旅行記としてお楽しみください。
雲林寺に到着……まさかこんな山奥にあるとは思わなんだ!
ここは南西の端にある下関に対して北東の外れにある萩のさらに奥にある寺だもの。訪れる人もまばらで当然。
ここがかの雲林寺か!ここまでの道のり、果てしなかったぜ。
そもそもなんでこんな僻地まではるばるやってきたの?
それはね、ここが山口きっての「猫寺」だからさ!
猫が住み着く寺院なんてそう珍しくもないと思うけど……そもそもそんな猫好きだったっけ?
カァーーーッ!ちいかわにハマった今となっては純度100%の猫派よ!それにここには猫は猫でも木彫りの猫がある場所なのさ。
犬派の人と揉めそうな勢いだけど、そこまで猫愛に溢れてるなら早速中に入ってみよっか。
ほら出た!アマビエみたいな木彫りの猫!その裏にはSNS映えにも配慮したネコプラまである始末!
いや、完全にZ世代を狙った確信犯やないかーい!笑
若者に支持されるインフルエンサーがここを訪れて「超映えるぅ~♡キャーハハ♪」と投稿すりゃあもうバズりまくりよぅ!
今まさに私たちも村おこしの片棒を担いでるってわけね!
ところがどっこい!雲林寺はれっきとした猫にまつわる場所なのさ。
ほうほう……詳しくは境内で聞こうか。
その昔、この地には長州藩の藩祖とされる毛利輝元とその夫人、そして家臣の長井元房がおったとな。
(……始まっちゃった、昔話。)
中でも元房は輝元に深い忠誠を誓っており、輝元の亡き後……その後を追って元房自身も殉死してしまったのだとか。
上下関係を超えた師弟の物語……ってこと?
そんな元房にはとても可愛がっていた猫がおり、その猫もまた元房の死を悲しんで墓前から離れようとしなかったそうで。
……そ、それでどうなっちゃったの?
結局、その猫は元房の墓石に49日寄り添った後、舌を噛み切って亡き主人の後を追ったのだった。
雲林寺にそんな切ない裏話があったなんて……。
その後、この地では夜な夜な猫の鳴き声が聞こえるようになったとかで。
うんうん、それで?
不憫に思った僧侶が猫を供養したところ、猫の鳴き声も止んだんだってさ。
それでいつしかこの地域一帯は「猫町」と呼ばれるようになったのか。転じて、雲林寺も「猫寺」と呼ばれるようになったんだね。
それにしても境内はどこもかしこも猫だらけで観音堂も猫仕様……ここじゃ毎日がにゃんこ祭り。
ほたるゲンジの桐畑トールがやってたネタ、誰も知らない!笑
……ほら、どこからか猫の鳴き声も聞こえる!
いや、それは単なる老化による幻聴だと思う。
ずらっと並んだ猫の彫刻は壮観。本格的な招き猫から絵本に登場する猫からまでいるんだってさ。
もしかしたら猫好きな人も奉納に来るのかな?
そうみたい。ただ、明らかにテイストの違う猫たちが大集合してる様子はちょっと不気味でもあるかも。
さながら化け猫の百鬼夜行ね。
本堂の奥に鎮座する猫神様“なで仏”の貫禄には思わず重度の猫背も伸びちゃうくらいよ。
……ぬらりひょんならぬにゅらりひょん。
招き猫だけじゃなくて祈り猫に座り猫もいるね。
「見にゃい・聞かにゃい・言わにゃい」の“三猿”ならぬ“三猫”までいるよ。
2頭身のちいかわ風猫から8頭身のモデル風猫まで勢揃い。
これは確かに猫好きにはたまらないスポットかも。
霊感のある人だと猫の鳴き声が聞こえるなんて噂話もあるけど、たぶん幻聴だから安心して。
そういう人は猫の手でも借りて耳掃除したら良いと思うにゃ。
最後に雲林寺名物、猫みくじに挑戦してみようかにゃ。
山口に来てからおみくじばっかりやってる気がするにゃ。
でも、ここのおみくじはおまけで猫が付いてくる授与品なのにゃ。
これぞ猫好きの猫好きによる猫好きのための寺にゃ。
かのリンカーンも大の猫好きとして知られてたらしいにゃ。
これまた綺麗に話がまとまったにゃ……あんまり長居すると猫ちゃんたちの邪魔になるし、ぼちぼち帰るとしようかにゃ。
奥には一風変わった猫のコレクションが置かれた猫部屋もあるから、時間のある方はじっくり見学するのもあり!
本当に最後の最後まで猫一色の寺院だったよ……これは猫好きにはにゃんともたまらにゃいスポットだね。
5.まとめ
今回は山口にある雲林寺の観光情報、木彫りの猫や猫みくじの見どころをまとめました。
国内旅行で山口を訪れるなら雲林寺がおすすめです。中でも木彫りの猫や猫みくじは見どころ満載なので、機会があればぜひ訪れてみてください。