屋久島の山あいから降り注ぐ秘境の滝、それが千尋の滝です。巨大な花崗岩の一枚岩を一刀両断する落差約60mの滝は、未開の地に迷い込んでしまったような錯覚に陥る絶景として知られます。そこは大自然の力強さをまじまじと見せつけられる観光スポットです。
今回は屋久島にある千尋の滝の観光情報をまとめます。ここでは概要・予算・時間・場所・気候・服装・治安・注意点の他、実際に訪れた管理人が厳選した見どころも紹介します。記事の最後には体験談もあるので、ぜひ国内旅行の計画にお役立てください。
千尋の滝は神秘の森に怒号を響かせる幻想の滝!
この記事では「屋久島にある千尋の滝の観光情報」「千尋嶽神社や展望台の見どころ」をまとめるよ!
1.千尋の滝の概要
まずは千尋の滝の概要を見ていきましょう。
- 国:鹿児島/屋久島
- 地域:麦生
- 特徴:滝
- 目玉:千尋嶽神社/展望台
- 方法:個人/ツアー
- おすすめ度:
千尋の滝は鹿児島の離島、屋久島において最大級の規模を誇るとされる名瀑です。剥き出しの岩肌を切り裂くように落ちる滝は大自然の驚異を肌で感じられる深山幽谷……そこはV字谷に抉られた花崗岩と滝が織りなす絶景の観光スポットです。
標高は約300mで落差は約60m、轟音とともに水が滝壺を叩きつける姿は異様な空気を放っています。雨が降ると雨量に比例して水量も増え、悪魔のうめき声の如き地響きが胃袋の奥底まで伝わってきます。さながら真っ白な舌を出して人間を嘲笑う怪異の滝……展望台から覗く大パノラマも迫力満点です。
なお、千尋の滝はその字面から「ちひろ」と読みがちですが、正しくは「せんぴろ」と読みます。これは1,000人もの人間が両手を広げるほど巨大という意味があるのだとか。確かに植物すら生えない剥き出しの巨岩は海坊主ならぬ陸坊主……妖怪の世界を彷彿とさせます。
屋久島を訪れるなら千尋の滝は外せないね!
宮之浦を拠点にするなら個人で行くのもツアーで行くのもおすすめだよ!
2.千尋の滝の観光情報
次に千尋の滝の観光情報を見ていきましょう。
2-1.予算
- 個人:数千円~1万円
- ツアー:1万円~3万円
- 予算総額:5万円~10万円
個人は自分での手配、ツアーは旅行会社での代行、予算総額は屋久島旅行全体(移動費・宿泊費・飲食費・観光費)にかかる目安となります。入場料はかかりません。
2-2.時間
- 営業時間:24時間
- 所要時間:30分~1時間
- 必要期間:3日~5日
営業時間は開店から閉店、所要時間は到着から出発、必要期間は出国から帰国までにかかる目安となります。
2-3.場所
- 場所:屋久島/麦生
- 住所:鹿児島県熊毛郡屋久島町麦生
- 行き方:バス/タクシー/レンタカー/徒歩/ツアー
- バス:30分~1時間
- タクシー:30分~1時間
- レンタカー:30分~1時間
- タクシー:10分~20分
- レンタカー:10分~20分
- 徒歩:5分~10分
場所と住所は所在地の目安となります。行き方は「宮之浦⇒千尋の滝」への一例であり、他の方法でもアクセスできます。直接向かうなら現地発着のツアーがおすすめです。
2-4.気候
- 1月~3月:寒くて雨が降りやすい気候
- 4月~6月:やや寒くて雨が降りやすい気候
- 7月~9月:やや暑くて雨が降りやすい気候
- 10月~12月:やや寒くて雨が降りやすい気候
- ベストシーズン:7月~8月
平均 | 最高気温 | 最低気温 | 降水量 |
1月 | 5℃ | -1℃ | 270mm |
2月 | 6℃ | -1℃ | 285mm |
3月 | 8℃ | 1℃ | 430mm |
4月 | 12℃ | 4℃ | 420mm |
5月 | 15℃ | 8℃ | 440mm |
6月 | 18℃ | 11℃ | 775mm |
7月 | 21℃ | 14℃ | 310mm |
8月 | 21℃ | 15℃ | 270mm |
9月 | 19℃ | 13℃ | 405mm |
10月 | 15℃ | 9℃ | 300mm |
11月 | 11℃ | 5℃ | 305mm |
12月 | 7℃ | 1℃ | 265mm |
2-5.服装
- 1月~3月:厚手の服装
- 4月~6月:体温調節できる服装
- 7月~9月:体温調節できる服装
- 10月~12月:厚手の服装
- 持ち物:歩きやすい靴
2-6.治安
- 良い
屋久島は総じて治安が良く、旅の拠点となる宮之浦も治安良好です。
2-7.注意点
- 周辺の商業施設
- 動植物への接触
2-7-1.周辺の商業施設
千尋の滝には目立った商業施設がありません。周辺には売店や休憩所こそあるものの飲食店や宿泊施設はなく、ギフトショップもスーパーもコンビニもありません。そのため、買い出しは最寄りの町で済ませておきたいです。
2-7-2.動植物への接触
千尋の滝には希少生物が暮らしているため、動植物への接触には気を付けたいです。この地域一帯は貴重な生態系を構成する生き物も生息しており、ヤクザルやヤクシカなどの動物や樹齢数百年~数千年を超える屋久杉などの植物も分布しています。当然ながら許可なく捕まえたり摘んだりしてはいけません。
観光情報は変更となる場合があることを加味しておきたいね。
Googleマップの口コミを参考にするのもおすすめかも!
3.千尋の滝の見どころ
ここからは千尋の滝の見どころをまとめます。
3-1.千尋嶽神社
おすすめ度:
集落を守る山岳信仰の祠。
3-2.展望台
おすすめ度:
花崗岩の一枚岩を覗く穴。
千尋の滝は千尋嶽神社や展望台など見どころ満載です。
神々の島と謳われる屋久島、その集落を見守る千尋嶽神社は他のものとは一線を画すオーラに満ちており、島内きってのパワースポットとしても一度訪れる価値があります。その千尋嶽神社を抜けると見えてくるのが見晴らしの良い展望台です。
巨大な一枚岩の花崗岩でできたV字谷を一刀両断するように落ちる滝は迫力満点で、晴れた日には周囲の山々も一緒に拝めます。その一方、霧に包まれた姿もドラマチックで見応えも抜群……驚異の大自然が描く光景は果てしない世界へと吸い込まれるような錯覚すら感じさせます。
展望台から数百mほど離れた遠景ではあるもののお腹の奥底まで響く鳴動は圧巻です。「もののけ姫」の世界を彷彿とさせる絶景にも思わず見惚れてしまうこと間違いなしです。神々しさを放つ霞みがかった姿には神々の領域に触れているかのような罪悪感すら覚えるかもしれません。
まさに屋久島巡りのハイライトに相応しい景勝地の1つと言えるでしょう。
千尋の滝では千尋嶽神社と展望台が目玉!
個人的には秘境感を漂わせる展望台がおすすめ!
4.千尋の滝の体験談
最後に管理人が2021年7月に訪れた千尋の滝の体験談を記しておきます。等身大の国内旅行記としてお楽しみください。
千尋の滝に到着。山奥にひっそりと佇む千尋嶽神社の祠が目印。
神社と呼ばれてるけど祠があるだけなんだね。深い森のせいか心なしか空気に重みを感じる。
「千と千尋の神隠し」の千尋の気持ちがわかるよ……なんか怪奇と出くわしそうな気がするもの。
未知の世界に対する得体の知れない恐怖ってあるよね。
……くれぐれも神隠しに遭いませんように!
雨のせいもあって雰囲気はどんよりしてるけど、そんな物騒な場所じゃないから安心して。
石と岩が苔で同化しつつある。霊感の強い人だと何か感じ取りそうな場所だね。
幽霊が見えたりして。詰み石の配置にも何か意味がありそうな気がしてくるよ。
千尋嶽神社の歴史を知ろうと思って調べてみたけど、あまり情報はなかったよ。
謎は深まるばかりだね。とりあえずこの道を進んで展望台まで向かおうか。
深い森が描くトンネルの向こうに不思議の滝が見えてくる……けど小さい!笑
思ってたより10倍は遠い。これだと視力2.0以上は必要かも。
マサイ族やモーケン族の視力が必要だね。目を凝らして眺めれば眺めるほど眼球だけが神隠しに遭っちゃいそうだよ。
……誰もいないし本当に神隠しに遭ってしまったんじゃないかと思えてくるや。
ゼロ距離まで近づいてようやく見えた千尋の滝の看板……というより岩板?
名前が刻印されたこの巨岩が展望台の目印さ。天気は微妙だけど空気は新鮮。
ってかここの表記だと「千尋滝」なんだ。一体どの表記が正しいんだろう。
読みも「ちひろ」じゃなくて「せんぴろ」なんだってさ。意味は1,000人もの人が手を広げるほどの巨大岩。
精一杯に腕を伸ばして写真を撮ってみる。一見すると地味だけど岩盤ド迫力。
ギザギザな一枚岩の巨岩が見事なり。滝より岩の方が映えるっていう。
滝も連日の雨で増水してるからこれはこれでなかなかの絶景だね。
なんだか美味しい雑炊が食べたくなってきたよ。
ってことで数十分の滞在で戻ってきちゃった。
ってかこんなおみくじ掛けあったっけ?
……記憶にない!もしかして本当に神隠しに遭ってたのかな?
さっきまで見てた景色も実は向こう側の世界の出来事だったのかもしれない。
いや、これは単に僕が鳥頭なだけさ。
その脳みそだけ油屋で癒してもらったら?
そんなの美味しい出汁が取れて終わるだけだよ。
その出汁で雑炊作って食べよう。
そもそも湯屋は神様の宿だから。凡人は初見で出入り禁止さ。
息を止めて潜入すればきっと大丈夫。
……そこでとある少女と出会い、その優しさに触れて徐々に暴走してしまうのであった。
それ、ただのカオナシ。
千尋の滝には展望台が1つだと思っていたら、もう1つあったみたい。
最後にここからの眺めを見てから、次の目的地に向かうとしようか。
……うん、霧で何も見えないや。
さすがは「ひと月に35日雨が降る」と言われる屋久島。雲に覆われた島だけあって絶景が見られるかどうかも運次第。
こっちには特に何もなかっ……?!なんかいる?!
何やら家族連れが騒いでると思ったらこの子の仕業だったんだ。
野生の姿にビビってる自分がいる。こんな小さい図体でもしっかり狒々してる。
狒々は妖怪だから……この子はこの森で静かに生きてるだけ。
写真だけ撮らせていただいて、あまり刺激しないでおこう。
それが一番。この子たちにとってはこっちの方が化け物に見えるだろうし。
こんな動物たちとの出会いも待ってるのが屋久島。
まだまだ屋久島一周は終わらない。他の名所も全部制覇するぞ~ぅ!
5.まとめ
今回は屋久島にある千尋の滝の観光情報、千尋嶽神社や展望台の見どころをまとめました。
国内旅行で屋久島を訪れるなら千尋の滝がおすすめです。中でも千尋嶽神社や展望台は見どころ満載なので、機会があればぜひ訪れてみてください。