世界には日本よりも就業率の低い国が一定数存在します。失業率が高い国ほど国民全体に仕事が行き渡っておらず、経済的にも情勢的にも不安定な状態です。では、どのような国が就職率が低く、退職率や離職率が高いのでしょうか。
今回は世界の就業率が低い国ランキングを作成しました。ここでは失業率の高い国をランキング形式でトップ10まで掲載しています。仕事のあるなしは国全体に影響を与える他、旅のしやすさも左右するので、ぜひ旅先選びにもご活用ください。

仕事があるかどうかで心の貧しさも変わってくるよね。



この記事では「世界の就業率が低い国ランキング」「失業率の高い海外旅行先」をまとめるよ!
1.就業率が低い国がおすすめな人


まずは就業率が低い国がおすすめな人を見ていきましょう。
- 社会情勢が気になる人におすすめ
- 世界経済に興味がある人におすすめ
外国の就業率や失業率については国際労働機関のILO、国際通貨基金のIMF、経済開発協力機構のOECDなどが調査しているため、社会情勢が気になる人や世界経済に興味がある人は具体的なデータを参考にしてみると良いです。
就業率や失業率は、完全就業者もしくは完全失業者を労働力人口で割ることで計算できます。
- 完全就業者:働く意思があり、実際に働いている人
- 完全失業者:働く意思がありながら、働けていない人
一般的に就業率や失業率と聞くと、全人口に対する数字であるかのように思い込みがちですが「働く意思」を加味して調査するのが基本的です。
現にILO・IMF・OECDの統計を見る限り、数値に反映されているのは働く意思のある人のみで、自らの意思でニートや無職をやっている人は反映されていません。組織によって集計方法や対象条件も変わるので、厳密な数字を割り出すのは難しいでしょう。
単に就業率の低さを見ても、ILOはエスワティニ、IMFはスーダン、OECDはスペインを最下位としています。
失業率の高さは調査対象となった国によっても変わるため、あくまでも就職率・退職率・離職率は参考程度に考えておくのが良いかもしれません。国が豊かでも貧しくても就業率や失業率は大して関係なく、「先進国だから仕事がある」「後進国だから仕事がない」とも言えないので、冷静に見極める目が必要となるでしょう。



今回のランキングでは国際労働機関ILOの情報を中心に見ていこう。



社会情勢が気になる人や世界経済に興味がある人には就業率が低い国がおすすめかも!
2.就業率が低い国ランキング


ここからは就業率が低い国ランキングをまとめます。
当ランキングではILO・IMF・OECDという3つの組織から、国際労働機関として実績のあるILOのデータを中心に就業率が低いかどうか、失業率が高いかどうかを加味して選定しています。
- エスワティニ
- 南アフリカ
- ジブチ
- ボツワナ
- ガボン
- コンゴ共和国
- ナミビア
- ソマリア
- リビア
- セントビンセントグレナディーン諸島
就業率が低い国ワースト3はエスワティニ・南アフリカ・ジブチです。他にもボツワナやガボン、コンゴ共和国やナミビア、ソマリアやリビア、セントビンセントグレナディーン諸島は失業率の高い国とされています。
世界の就業率や失業率についてはILO・IMF・OECDなどが数値を発表していますが、集計方法や対象条件は「働く意思の有無」が軸となるため、あくまでも順位は暫定値となります。就業率や失業率はリアルタイムでも変化していくので、あらかじめご了承いただけると幸いです。
では、さらに詳しいランキングを見ていきましょう。順位や星は管理人の独断偏見・趣味嗜好が含まれるものの、特定の国を差別・贔屓する意図はございません。
1位.エスワティニ
- 就業率が低い度:
- 就業率:約64.9%
エスワティニは世界で一番就業率が低い国とされています。
あくまでも国際労働機関ILOの基準ではありますが、就業率が約64.9%前後で推移しています。日本とは業務に対する考え方が異なり、何を持って「働いていない」と判定するかは各組織ごとに違いますが、労働人口100人に対して約35.1人が何の作業もしていない計算です。
ILOの判定で約97.4%とされる日本の就業率と比較すると、約0.67倍の就業率と言えるでしょう。



エスワティニは働く意思のある人の35%以下が働けていない国!



エスワティニという国自体が鉱業と農業に依存してて、雇用機会が限られるのが発展を妨害してるのかも?
2位.南アフリカ
- 就業率が低い度:
- 就業率:約67.9%
南アフリカはアフリカに位置する国の一つで、ILO基準の就業率が約67.9%前後で推移しています。日本の就業率とされる約97.4%と比較すると0.70倍の就業率です。
南アフリカに対しては「仕事がありそう」というイメージを持つ人がいるかもしれませんが、単純な就業率だけ見ると働く意思のある人の一部は何も仕事ができていないと言えるでしょう。



南アフリカは働く意思のある人の32%以下が働けていない国!



南アフリカは未だ成長途中で、働いていないというより働きたくても働けない人が一定数いるのが現実。
3位.ジブチ
- 就業率が低い度:
- 就業率:約73.9%
ジブチもアフリカに位置する国の一つで、ILO基準の就業率が約73.9%前後で推移しています。日本の就業率とされる約97.4%と比較すると0.76倍の就業率です。
ジブチに対しても「仕事がありそう」というイメージを持つ人がいるかもしれませんが、単純な就業率だけ見ると働く意思のある人の一部は何も仕事ができていないと言えるでしょう。



ジブチは働く意思のある人の26%以下が働けていない国!



ジブチも未だ成長途中で、働いていないというより働きたくても働けない人が一定数いるのが現状。
4位.ボツワナ
- 就業率が低い度:
- 就業率:約76.6%
ボツワナの就業率は約76.6%と諸外国と比べても低く、労働人口に数えられる人の一部が何も仕事をしていない状態です。日本と比べても就業率0.79倍となっています。



ボツワナの人は怠け者なのかな?



ボツワナでは働けない人は働かずに生活を楽しむのが常識!
5位.ガボン
- 就業率が低い度:
- 就業率:約79.7%
ガボンの就業率は約79.7%と諸外国と比べても低く、労働人口に数えられる人の一部が何も仕事をしていない状態です。日本と比べても就業率0.82倍となっています。



ガボンの人も怠け者なのかな?



ボツワナでも働けない人は働かずに生活を楽しむのが常識!
6位.コンゴ共和国
- 就業率が低い度:
- 就業率:約80.1%
コンゴ共和国は、働く意思のある人100人に対して19.9人(厳密には若干のずれあり)が働けていない国です。学歴や職歴に関係なく就職できる環境が完備されていないからか、総じて就業率が低めとなっています。



就業率の低さはコンゴ共和国政府のせいでもあるのかな。



コンゴ共和国は色んな課題を抱えている地域があるからか、仕事がないのも決して珍しくない。
7位.ナミビア
- 就業率が低い度:
- 就業率:約80.6%
ナミビアは、働く意思のある人100人に対して19.4人(厳密には若干のずれあり)が働けていない国です。学歴や職歴に関係なく就職できる環境が整備されていないからか、総じて就業率が低めとなっています。



就業率の低さはナミビア政府のせいでもあるのかな。



ナミビアも色んな課題を抱えている地域があるからか、仕事がないのも決して珍しくない。
8位.ソマリア
- 就業率が低い度:
- 就業率:約81.1%
ソマリアは、アフリカで就業率が低い国とされる国の一つです。意外と言うと誤解があるかもしれませんが、就業率は約81.1%と世界最低クラスとなっています。



ソマリアは貧富の差があって働けない人がいる。



ソマリアを見ると就業率・失業率は国として発展しているかはさして関係ないことがわかる。
9位.リビア
- 就業率が低い度:
- 就業率:約81.3%
リビアも、アフリカで就業率が低い国とされる国の一つです。意外と言うと語弊があるかもしれませんが、就業率は約81.3%と世界最低クラスとなっています。



リビアも貧富の差があって働けない人がいる。



リビアを見ても就業率・失業率は国として発展しているかはさほど関係ないことがわかる。
10位.セントビンセントグレナディーン諸島
- 就業率が低い度:
- 就業率:約81.4%
セントビンセントグレナディーン諸島は、世界的に見ても就業率が低い国の一つです。
就業率はILO基準で約81.4%と、日本の0.84倍の就業率にとどまります。
経済的にも情勢的にも未熟なままのセントビンセントグレナディーン諸島は、働く意思がなければ働けない国……とは言い切れないものの、選ばなくても仕事がないという状況です。



セントビンセントグレナディーン諸島の就業率の低さは世界でも指折り。



働く意思を持たない人に対してフェアウェルな国!
3.その他の就業率が低い国


最後にその他の就業率が低い国をピックアップします。
その他の国はILO・IMF・OECDの3つから国際労働機関として実績のあるILOの統計を参考に、就業率や失業率の割合を含めて判断しています。
- アフガニスタン
- タジキスタン
- ネパール
アジアでは、アフガニスタンやタジキスタンなどが就業率の低い国とされており、働く意思があっても仕事がなかなかない不安定な状態です。
- ガイアナ
- セントルシア
- ハイチ
中南米では、セントルシアやハイチなどが就業率の低い国とされており、働く意思があっても仕事がなかなかない不安定な状態です。
- アルバニア
- 北マケドニア
- ギリシャ
- スペイン
- ニューカレドニア
- ボスニアヘルツェゴビナ
- モンテネグロ
ヨーロッパでは、ギリシャやスペインなどが就業率の低い国とされており、働く意思があっても仕事がなかなかない不安定な状態です。
- アルメニア
- イエメン
- イラク
- ジョージア
- シリア
- ヨルダン
- レバノン
中東では、イエメンやイラク、シリアやヨルダンなどが就業率の低い国とされており、働く意思があっても仕事がなかなかない不安定な状態です。
- アルジェリア
- アンゴラ
- カーボベルデ
- チュニジア
- 南スーダン
- モーリタニア
- ルワンダ
- レソト
アフリカでは、アルジェリアやチュニジア、モーリタニアやルワンダなどが就業率の低い国とされており、働く意思があっても仕事がなかなかない不安定な状態です。



働く意思がなくて仕事もなければ、人は生きていけない。



国によっては仕事があっても不幸せな人がいるから一概には言えないけど、今日も明日もやることがないのは不安だよね。
4.まとめ
今回は世界の就業率が低い国ランキング、失業率の高い海外旅行先をまとめました。
海外旅行とはそこまで関係ありませんが、外国の就業率や失業率に目を向けると、日本とどれくらい差があるのかがわかるのではないでしょうか。今回のランキングを作成するにあたっていくつかの文献を参考にしたところ、国が豊かでも貧しくても就業率や失業率はそれほど関係ないことがわかりました。
「先進国だから仕事がある」「後進国だから仕事がない」とは言えない。逆もまた然り。もし社会情勢や世界経済をもっと学びたい人は、ILO・IMF・OECDの情報を参考にしてみてはいかがでしょうか。もしかすると、意外な点に気づくかもしれません。