トルコの世界遺産カッパドキアの頂上に君臨する天空の岩窟村、それがウチヒサールです。標高1,200mの高原地帯に広がるその村は「妖精と出会える」との言い伝えが残る場所で、異世界のような街並みで知られています。そこは幻想文学に登場する神秘の観光スポットと言えるでしょう。
今回はトルコにあるウチヒサールの観光情報をまとめます。ここでは概要・予算・時間・場所・気候・服装・治安・注意点の他、実際に訪れた管理人が厳選した見どころも紹介します。記事の最後には体験談もあるので、ぜひ海外旅行の計画にお役立てください。
ウチヒサールはカッパドキアの要塞……妖精たちが守る天空の岩窟村!
この記事では「トルコにあるウチヒサールの観光情報」「ウチヒサール城やピジョンバレーの見どころ」をまとめるよ!
1.ウチヒサールの概要
まずはウチヒサールの概要を見ていきましょう。
- 国:トルコ
- 地域:カッパドキア
- 特徴:世界遺産/村/城
- 目玉:ウチヒサール城/ピジョンバレー
- 方法:個人/ツアー
- おすすめ度:
ウチヒサールはトルコの世界遺産、カッパドキアに聳え立つ天空の岩窟村です。風雨の侵食が形成したその村は標高1,200m地点、カッパドキアの頂上に君臨しています。天を穿つ立ち姿はまさにこの地域一帯の城主……岩の衛兵を従えた王者の風格漂う観光スポットです。
中でもウチヒサールはカッパドキアという広大な世界遺産を構成する村の1つであり、岩窟住居が連なる“天然の要塞”としても知られます。ウチヒサール城を頂点として段々畑のような街並みが続いており、比類なきメルヘンチックな絶景を描いています。
ちなみに、ウチヒサール城周辺の地層はエルジェス山の噴火によって形成されたもので、火山灰とマグマが凝固した凝灰岩・溶岩層が雨風で侵食されて出来上がったものとのこと。かつてはその特異な地形から砦としても使用され、迫害を逃れたキリスト教徒が隠れ住んでいたとされています。
岩窟住居の地下は岩盤を数百m以上削って作った坑道が張り巡らされており、敵の包囲や襲撃から身を守るために役立てられたそうです。そのため、砦というよりはシェルターのような役割を担っていた場所と言えるかもしれません。
なお、数十年前まではウチヒサール城で生活する人々がいたものの経年劣化により立ち退きを余儀なくされ、現在居住している人は数えるほどしかいないようです。
トルコを訪れるならウチヒサールは外せないね!
イスタンブールを拠点にするなら個人で行くよりツアーで行くのがおすすめだよ!
2.ウチヒサールの観光情報
次にウチヒサールの観光情報を見ていきましょう。
2-1.予算
- 個人:数千円~1万円
- ツアー:1万円~3万円
- 予算総額:8万円~24万円
個人は自分での手配、ツアーは旅行会社での代行、予算総額はトルコ旅行全体(移動費・宿泊費・飲食費・観光費)にかかる目安となります。入場料はかかりません。
2-2.時間
- 営業時間:24時間
- 所要時間:2時間~3時間
- 必要期間:5日~10日
営業時間は開店から閉店、所要時間は到着から出発、必要期間は出国から帰国までにかかる目安となります。
2-3.場所
- 場所:トルコ/カッパドキア
- 住所:Tekelli, 50240 Uçhisar/Nevsehir Merkez/Nevsehir, Turkey
- 行き方:バス/タクシー/レンタカー/ツアー
- バス:6時間30分~7時間
- レンタカー:4時間30分~5時間
- バス:3時間~3時間30分
- タクシー:3時間~3時間30分
- レンタカー:3時間~3時間30分
- タクシー:10分~20分
- レンタカー:10分~20分
場所と住所は所在地の目安となります。行き方は「イスタンブール⇒ウチヒサール」への一例であり、他の方法でもアクセスできます。直接向かうなら飛行機もしくは現地発着のツアーがおすすめです。
2-4.気候
- 1月~3月:寒くて晴れやすい気候
- 4月~6月:やや暑くて晴れやすい気候
- 7月~9月:暑くて晴れやすい気候
- 10月~12月:やや寒くて晴れやすい気候
- ベストシーズン:5月~6月/9月
平均 | 最高気温 | 最低気温 | 降水量 |
1月 | 4℃ | -5℃ | 30mm |
2月 | 7℃ | -3℃ | 30mm |
3月 | 12℃ | 1℃ | 40mm |
4月 | 17℃ | 4℃ | 55mm |
5月 | 22℃ | 9℃ | 50mm |
6月 | 27℃ | 13℃ | 40mm |
7月 | 31℃ | 15℃ | 10mm |
8月 | 31℃ | 15℃ | 5mm |
9月 | 26℃ | 10℃ | 15mm |
10月 | 19℃ | 5℃ | 30mm |
11月 | 11℃ | 0℃ | 35mm |
12月 | 5℃ | -4℃ | 40mm |
2-5.服装
- 1月~3月:厚手の服装
- 4月~6月:体温調節できる服装
- 7月~9月:薄手の服装
- 10月~12月:体温調節できる服装
- 持ち物:歩きやすい靴
2-6.治安
- やや良い
トルコは総じて治安が良く、旅の拠点となるイスタンブールも治安良好です。
2-7.注意点
- 拠点からの立地
- 奇岩への接触
2-7-1.拠点からの立地
ウチヒサールは日帰りで観光可能です。ただ、イスタンブールから片道7時間40分~10時間50分ほど、往復15時間20分~21時間40分ほどかかります。観光時間を含めると半日~終日はかかるので、余裕のある日程を組みましょう。
2-7-2.奇岩への接触
ウチヒサールには脆い岩も残っているため、奇岩への接触には気を付けたいです。この地域一帯は貴重な地層を観測できる奇岩群も現存しており、妖精の煙突などの奇岩群や洞窟の家などの岩窟遺跡群も残存しています。当然ながら許可なく傷つけたり掘ったりしてはいけません。
観光情報は変更となる場合があることを加味しておきたいね。
Googleマップの口コミを参考にするのもおすすめかも!
3.ウチヒサールの見どころ
ここからはウチヒサールの見どころをまとめます。
3-1.ウチヒサール城
おすすめ度:
妖精の国の天然要塞。
3-2.ピジョンバレー
おすすめ度:
畑の肥料を集める鳩の谷。
ウチヒサールはウチヒサール城やピジョンバレーなど見どころ満載です。
その最大の見どころは段々畑の街並みを見下ろすウチヒサール城にあります。古い教会や民家がひしめき合う岩山周辺は城下町のような景観が広がっており、カッパドキアの主要4エリア(アヴァノス・ウチヒサール・ギョレメ・ユルギュップ)の中でもトップクラスの絶景を描いています。
ウチヒサール城は入場による見学も可能。その360度に広がる唯一無二の大パノラマは圧巻の絶景と言えるでしょう。
ちなみに、かつて難攻不落の砦としてキリシタンを守ったウチヒサール城にはピジョンバレーと呼ばれる鳩の谷も現存しており、現在は畑の肥料用とされる鳩のフンの回収に役立てられています。
昼の美しさもさることながら夜の美しさも必見。辺り一面がノスタルジックな夜景に包まれる姿は一生ものの思い出となるはずです。刻一刻と色彩が変化してゆく姿はこの世でただ1つの絶景。その景色に心を打たれる旅人も後を絶ちません。それはカッパドキアを訪れるなら絶対に見逃せない光景と言えるでしょう。
ウチヒサールではウチヒサール城とピジョンバレーが目玉!
個人的には天空の城とも見紛うウチヒサール城がおすすめ!
4.ウチヒサールの体験談
最後に管理人が2018年6月に訪れたウチヒサールの体験談を記しておきます。等身大の海外旅行記としてお楽しみください。
ウチヒサールに到着……っとその前に寄り道して岩造りのお宅訪問!
現地ガイド同行ツアーはこういう場所も立ち寄れるのが良いよね。
まさにそれ!現地の生活を覗かせてもらえるなんて貴重な体験だよ!
いくら親日国でもいきなり見知らぬ日本人に「家の中見せて」なんて言われたら普通引くもんね。
ヨネスケさんくらい悪名高かっ……いや、名の知れた人だったら話は別だけどね。
いや、いくら日本で知られた落語家だったとしてもトルコでは警察呼ばれて終わりよ。
確かに!僕もいきなり「今日の晩御飯は何?」なんてタメ口で部屋に入って来られたら秒で警察呼ぶもの。
ある意味、あの番組すごかったよね。
……はいっ!本日お邪魔させていただくのはこちらのお庭がとっっっても素敵なお宅です!
リポーターしなくていいから。でも、確かに綺麗な花が飾ってあって素敵なお家だね。
カッパドキアの風景に溶け込んでる……まるで映画の中の世界に迷い込んじゃった気分だよ。
同じ地球なのに住む国が違うだけでこんなにもライフスタイルが違う……本当不思議だよね。
ただ、部屋を撮影するのはさすがに気が引けたので写真はなし!ご想像にお任せします!
賢明な判断だと思うよ。いくらツアーに組み込まれていてもプライベートな空間まで撮影されるのは嫌だろうしね。
岩窟住居の中、トルコ絨毯が何枚も敷き詰められてて予想以上に快適だったね。
意外と言ったら失礼かもしれないけど、住み心地も良さそうだったよ。
リタイアまでまだまだあるけど、老後はカッパドキアで引退生活送ろうかしら?
空腹のヨネスケさんが突撃してくるよ?
それはちょっと……ってかよく考えたらあの人どこでも勝手に突撃するから迷惑だよね。
これは“家要塞化計画”を進めないとだね。まずはウチヒサール城を参考にしてみようっと!
天を穿つ岩の城との邂逅……これが「尖った砦」を意味するウチヒサール城か。
神々しくも物々しい様相は要塞そのもの。周囲の奇岩はさながら城を守る精鋭部隊かな。
聞くところによると、中央に聳え立つ岩山は古くから城塞としてこの村を守ってきたんだってさ。
滑らかな岩肌に茂る草木はまるで天然の要塞……この城こそがカッパドキアの守り神なのかもしれない。
ニョキニョキ生えるキノコのような奇岩群も景色に花を添える。ソテーにしたら美味しそう。
ちなみに、ウチヒサールという言葉には「3つの要塞」という意味もあるのだとか。
今にも空に届きそう……天空の城ウチヒサールは本当にあったんだっ!
宮崎駿監督に怒られるよ?でも、確かにジブリ映画のワンシーンみたい。
世界には「天空の城ラピュタ」のモデルとなったと言われる場所がいくつかあるけど、この城もきっとそうに違いない!
ジブリ云々抜きにとにかく絶景!この世に2つとない景観だと思う!
奇岩の影からふわっと現れた少女に懐かれてしまったんだけど、これは一体どうすればいいの……?
……おまわりさん、こっちです!
ちょ、ちょっと待って!確かにかわいいとは思ったけどもっ!
確信犯めっ!ここで鳩の餌にしてくれる!
これは不可抗力で……ほら、距離感がわからずに僕も苦笑いしてるじゃない?
一緒に写真を撮った時点で……いや、半径1mに近づいた時点で打首獄門の刑じゃ!
くそうぅっ!どうせ晒し首にするならウチヒサール城のてっぺんにしてくれぃ!
否っ!フンを回収するために作られた鳩の家に置く……以上!
鳩、びっくりしちゃうよ!帰ってきたら見知らぬ日本人の頭あるなんて!
かかしとしては効果絶大かも。ただ、やっぱ鳩の心臓に悪いからそこらへんに転がしておくことにする!
ほら、これ少女がくれた目玉のお守り。トルコでナザールボンジュウって呼ばれてるやつ。
なんだ、本当にただ懐かれてただけだったのか……今回はそのお守りに免じて無罪放免とす!
このお守りがあればどんな困難も恐れるに足らず。まさにプライスレス。
思いがけずトルコで買ったどのお土産よりも価値のあるものになってしまったね。
気づけば女の子もぴょんぴょんと跳ねてどこかに消えちゃったよ。
素敵な思い出を届けてくれた彼女こそ、この地に住む本物の妖精だったのかもしれない。
今夜は岩窟ホテルに泊まるぞぅ。まるで洞窟に泊まるみたいでワクワクしてくる!
カッパドキアの奇岩群は外からも中からも楽しめるってことね。粋な計らいよ。
壁が岩でできていて触れるとひんやり。今日は壁にくっついて寝ようかな?
せっかくの岩が汚れるからやめて。寝るなら床で寝て。
宿の庭から見える夜景がこれ。城から段々畑のように広がる城下町は圧巻の美しさ。
奇抜な街並みと煌びやかな灯火が描く夜景はさながら“岩の不夜城”。
世界中に美しい夜景は数多くあるけど、この夜景は他では決して見られないものだと思う。
人間と自然が手を取り合って夜のキャンパスに描いた1枚の絵画。一見の価値あり。
……この街明かりを目に焼き付けておこう。
燃えるような光に目が吸い込まれる。そんな不思議な引力を持つ夜景。
いつも心を満たすのは世界中に散らばる絶景……この夜景もそう。
トルコ周遊の旅では毎日目まぐるしく景色も変わるから、余計にそう感じるのかもしれない。
まさにトルコは絶景の万華鏡。メルヘンが横たわる幻想小説のような不思議の国。
冒険という名の1ページを開けばそこは神秘の世界。終わらない冒険の始まりが待ってる!
岩が作り出す景観はまるで別世界。奇妙で奇天烈で奇想天外な絶景が待つ奇跡の地……それこそがトルコの魅力だと思う。
今夜はカッパドキアの洞窟で一休み……ひんやりした岩の中でおやすみなさい。
5.まとめ
今回はトルコにあるウチヒサールの観光情報、ウチヒサール城やピジョンバレーの見どころをまとめました。
海外旅行でトルコを訪れるならウチヒサールがおすすめです。中でもウチヒサール城やピジョンバレーは見どころ満載なので、機会があればぜひ訪れてみてください。