トルコの世界遺産カッパドキアを一望する天空の箱舟、それが熱気球です。日の出とともに無数の気球が空へと舞う光景には、思わずため息が漏れてしまいます。寝ぼけた大地に金色の朝焼けが流れ込む姿はさながら妖精たちの黄金郷……そこは幻想と神秘が共存する観光スポットと言えるでしょう。
今回はトルコにある熱気球の観光情報をまとめます。ここでは概要・予算・時間・場所・気候・服装・治安・注意点の他、実際に訪れた管理人が厳選した見どころも紹介します。記事の最後には体験談もあるので、ぜひ海外旅行の計画にお役立てください。
熱気球は夜明けの渓谷を独り占めできる乗り物!
この記事では「トルコにある熱気球の観光情報」「ローズバレーやラブバレーの見どころ」をまとめるよ!
1.熱気球の概要
まずは熱気球の概要を見ていきましょう。
- 国:トルコ
- 地域:カッパドキア
- 特徴:世界遺産/乗り物/レジャー
- 目玉:ローズバレー/ラブバレー
- 方法:個人/ツアー
- おすすめ度:
熱気球はトルコの世界遺産、カッパドキアを一望できる珠玉の乗り物です。唯一無二の絶景を擁するカッパドキアを上空から眺める体験は究極のレジャー……一生に一度の冒険に相応しい観光スポットとなっています。
熱気球からの眺めはトルコで最も美しい絶景の1つとされ、地平線の先まで続く地球のドラマには思わず涙が溢れそうになるほどです。地上へと目をやると妖精の国に自生するキノコ岩・ラクダ岩・三姉妹岩など、カッパドキアの名所がいくつも見つけられます。
まさに他では見られない至高のロックウォッチング体験が待っていると言えるでしょう!
もちろん、熱気球からは岩窟遺跡群をはじめ石造りの家や洞窟の宿も見学可能。朝焼けに燃えるローズバレーやラブバレーの他、中心都市のネヴシェヒルまで……そのぼんやりと夜明けを迎えるカッパドキアの街並みは生涯忘れることのできない思い出となるのではないでしょうか?
ただし、熱気球の運行条件は厳しく設定されており「朝の時間帯かつ雨が降らず風が穏やか」というのが最低条件となります。晴れていても風が荒れていると熱気球は中止となるので、いつでもどこでも乗れるというわけではありません。その点は注意が必要です。
トルコを訪れるなら熱気球は外せないね!
イスタンブールを拠点にするなら個人で行くよりツアーで行くのがおすすめだよ!
2.熱気球の観光情報
次に熱気球の観光情報を見ていきましょう。
2-1.予算
- 個人:数千円~1万円
- ツアー:1万円~3万円
- 予算総額:8万円~24万円
個人は自分での手配、ツアーは旅行会社での代行、予算総額はトルコ旅行全体(移動費・宿泊費・飲食費・観光費)にかかる目安となります。乗船料は変動するので直近の情報を調べておくと安心です。
2-2.時間
- 営業時間:24時間
- 所要時間:1時間~2時間
- 必要期間:5日~10日
営業時間は開店から閉店、所要時間は到着から出発、必要期間は出国から帰国までにかかる目安となります。
2-3.場所
- 場所:トルコ/カッパドキア
- 住所:Adnan Menderes Cd. No:14, 50180 Göreme/Nevşehir Merkez/Nevşehir, Turkey
- 行き方:バス/タクシー/レンタカー/ツアー
- バス:6時間30分~7時間
- レンタカー:4時間30分~5時間
- バス:3時間~3時間30分
- タクシー:3時間~3時間30分
- レンタカー:3時間~3時間30分
- タクシー:10分~20分
- レンタカー:10分~20分
場所と住所は所在地の目安となります。行き方は「イスタンブール⇒熱気球」への一例であり、他の方法でもアクセスできます。直接向かうなら飛行機もしくは現地発着のツアーがおすすめです。
2-4.気候
- 1月~3月:寒くて晴れやすい気候
- 4月~6月:やや暑くて晴れやすい気候
- 7月~9月:暑くて晴れやすい気候
- 10月~12月:やや寒くて晴れやすい気候
- ベストシーズン:5月~6月/9月
平均 | 最高気温 | 最低気温 | 降水量 |
1月 | 4℃ | -5℃ | 30mm |
2月 | 7℃ | -3℃ | 30mm |
3月 | 12℃ | 1℃ | 40mm |
4月 | 17℃ | 4℃ | 55mm |
5月 | 22℃ | 9℃ | 50mm |
6月 | 27℃ | 13℃ | 40mm |
7月 | 31℃ | 15℃ | 10mm |
8月 | 31℃ | 15℃ | 5mm |
9月 | 26℃ | 10℃ | 15mm |
10月 | 19℃ | 5℃ | 30mm |
11月 | 11℃ | 0℃ | 35mm |
12月 | 5℃ | -4℃ | 40mm |
2-5.服装
- 1月~3月:厚手の服装
- 4月~6月:体温調節できる服装
- 7月~9月:薄手の服装
- 10月~12月:体温調節できる服装
- 持ち物:防寒着/歩きやすい靴
2-6.治安
- やや良い
トルコは総じて治安が良く、旅の拠点となるイスタンブールも治安良好です。
2-7.注意点
- 拠点からの立地
- 運次第の催行状況
- 体重の申告
- 危険な行為
2-7-1.拠点からの立地
熱気球は日帰りで観光可能です。ただ、イスタンブールから片道7時間40分~10時間50分ほど、往復15時間20分~21時間40分ほどかかります。観光時間を含めると半日~終日はかかるので、余裕のある日程を組みましょう。
2-7-2.運次第の催行状況
熱気球のホットエアバルーンは中止になる場合があります。コースは30分~1時間コースのみなので、催行状況に合わせて選びましょう。ただし、熱気球体験ツアーは早朝しか開催されません。日中や夜中は飛べないため、ほとんどのツアーが早朝4時~5時にピックアップです。
ちなみに、減圧症などのリスクの関係上、スキューバダイビングの翌日は参加できません。その点は他のレジャーとの兼ね合いも見つつ予約することをおすすめします。
2-7-3.体重の申告
熱気球ツアーでは体重の申告が求められることもあります。国内の熱気球体験ツアーでは体重制限や体重測定を設けていないところもありますが、海外では体重申告を義務付けているところもあります。体重は気球のバランスを維持・安定して飛行するために必要なものなので、もし聞かれた場合は正直に答えましょう。
2-7-4.危険な行為
熱気球は厳格なメンテナンスにより安全が確保されています。定期点検や定期管理も徹底されており、普通に乗る分には危険もありません。ただ、小窓から頭や手足を出したり箱乗りしたりするなど、危険な行為は控えるようにしましょう。
現地の熱気球は過去に死亡者を伴う事故を起こしており、ブラジルやフランスの方が亡くなっています。2017年には49人の負傷者を出していることもあり「乗らない」と判断する人もいます。ただ、事故以降より厳正な検査が行われ、不利な条件で飛ばすこともなくなりました。2019年の調査でも2013年~2017年に発生した事故は12件と、比較的安全に運行している熱気球体験ツアーと言えるでしょう。
それでも危険行為は原則禁止なので、ガイドの指示に従ってください。
観光情報は変更となる場合があることを加味しておきたいね。
Googleマップの口コミを参考にするのもおすすめかも!
3.熱気球の見どころ
ここからは熱気球の見どころをまとめます。
3-1.ローズバレー
おすすめ度:
桃色に染まる奇岩群。
3-2.ラブバレー
おすすめ度:
妖精の住まう黄金郷。
3-3.飛行証明書
おすすめ度:
空の旅を記念する認定証。
熱気球はローズバレーやラブバレー、飛行証明書など見どころ満載です。
上空を飛ぶ熱気球からは中心地から郊外まで一望でき、まるで絵本の中にいるかのような絶景が拝めます。淡い光を灯すアヴァノスやウチヒサール、ギョレメやユルギュップなどの街並みはまさに息を吞む絶景……そのメルヘンチックな光景はカッパドキアならではのものと言えるでしょう!
中でも、薄暗い地平線に太陽が差し込むことで幻想的な色合いを放つローズバレーの美しさは必見。薔薇と牛乳から作った生クリームでデコレーションしたかのようなその姿には心ときめかずにいられません。
同じく、黄金を流し込んだような金色に染まる神秘的なラブバレーの輝きも見逃せません。パシャバー国立公園やギョレメ国立公園を含む渓谷一帯が淡い煌めきに包まれる姿はまるで“妖精たちの黄金郷”、ゼルベ渓谷へと続く奇岩の絶景にも心奪われずにいられないほど!
遠方にはウフララ渓谷も見られるなど、その見どころは尽きません。
気球会社によっては無事に空から帰還すると飛行証明書が授与されるため、気球に乗ったという証を残したい人は認定証付きのツアーに参加してみてはいかがでしょうか?
熱気球ではローズバレーとラブバレー、飛行証明書が目玉!
個人的には冒険の証になる名前付きの飛行証明書がおすすめ!
4.熱気球の体験談
最後に管理人が2018年6月に訪れた熱気球の体験談を記しておきます。等身大の海外旅行記としてお楽しみください。
熱気球に到着!もう気球の準備が着々と進んでる!
寝ぼけまなこにガスバーナーの光が突き刺さるぅ。
早朝だけあって寒いはずなんだけど、炎を吸い込む気球を眺めてるとだんだん暖かくなってくるね。
好奇心と冒険心と恐怖心を喰らい尽くした熱気球……今にも破裂しそう。
僕の胸も期待で膨らみ過ぎて今にも爆発しそうだよ!
そのままフーセンドラゴンみたいに飛んでけばいいのに。
またマイナーなドラクエのモンスターを……。
……あ、スタッフの人が呼んでる!もう出発するみたい!
無数の熱気球が重力に抗いながら一斉に空へと舞う。
爆音を響かせる気球はまるで炎を食べるタコ型宇宙船。
……今、絶景の空の旅が始まるっ!
それにしても不思議な乗り心地。“濡れたスポンジから水分が抜けて元通りになるみたいな浮遊感”。
浮力と重力がせめぎ合う“魔法の絨毯的ドッグファイト”……ふんわりした乗り心地が冒険感を駆り立てる!
……あっ!だんだんと太陽が昇ってきたっ!
朝焼けに照らされて真っ黒焦げな熱気球。燃えるような空と熱気球のシルエットが綺麗。
これは「世界一美しい日の出」と言っても過言ではないかも。
いよいよカッパドキアの夜明け。無数に浮かぶ気球はまるでこの地に来たことを祝福してくれてるみたい。
見方によっては無数の宇宙船が襲来したようにも見えてくるよ。
鮮やかでカラフルな気球はさながら“絵の具の逆さ雫”。本当いつまでも眺めてたくなるね。
ここにいると色んな表現が浮かんでくる……熱気球だけに!笑
ピンク色の岩から察するにこの一帯がローズバレーかな?
たぶん。それにしてもどうやったらこんな地形になるんだろう?
カッパドキアの地形は数億年前に起きたエルジェス山とハッサン山の連続噴火によって形成されたらしいよ。
つまり、火山灰と溶岩でできてるってこと?
そうなるね。噴火で数百mずつ積み重なった凝灰岩や溶岩層がこの景観を生み出したんだってさ。
なるほど。それが雨風の侵食を受けて「妖精の煙突」に“マジカル☆変身”させられちゃったってわけか。
太陽光が差し込んでやや温みを帯びてきたカッパドキア。
そろそろ妖精たちも目を覚ます頃かな?
静かに煌めく世界遺産、カッパドキアの全景がここに!
太陽で金色に染まる世界はまごうことなき黄金郷。うねりを帯びた大地にゆっくりと黄金が流れ込む景色は圧巻。
……トルコに来て本当に良かった。
この絶景を見るためだけにトルコを訪れてもいいかも。そう思ってしまうほどの風景が遥か向こうまで広がってる。
キノコ岩が群生するこの一帯はラブバレーという名で親しまれてるとか。
「愛の谷」だなんてこれまたロマンチックだね。
パシャバー国立公園やギョレメ国立公園もここら辺かな?
目を凝らせば野外博物館や岩窟遺跡群も見られるかも!
気づけば数え切れないほどの熱気球が空を覆い尽くしてた。
あんなところまで上昇してる熱気球もあれば、こんなところまで下降してる熱気球もあって大賑わい!
さながら気球会社の陣取り合戦……もはや熱気球による早朝エレクトリカルパレード!
やっぱりキノコ岩周辺は熱気球ツアーのホットスポットなのかな。
ぐるっとカッパドキアを目に焼き付けて、徐々に降下。
空にいたのは時間にして1時間~2時間だったけど、体感的には3時間くらい浮かんでた気がする。
だんだんと他の熱気球も降下してきて地上は大渋滞!
気球がぶつかり合うくらいぎゅうぎゅう詰め。
これが世にも珍しい“熱気球のラッシュアワー”かぁ。
上空ではあんなに小さかった熱気球も近くで見ると超特大。
その迫力たるやカッパドキアの大自然に負けず劣らず。
稀に事故が発生するみたいだけど、原因はこの渋滞にあるのでは……と思ってしまうほどの混雑っぷりだった。
カッパドキアの熱気球ツアー……もう最高。
朝焼けで顔がバルーンフェイスになってるけど大丈夫?
これは単にむくんでるだけ!
……んで、その手に持ってるのは何?
熱気球に乗ったことを証明する認定証だよ。勇敢な空の冒険者にだけ贈られる思い出の品さ!
こういう記録として残るものってなんか嬉しいね。
しかも、名前付きで発行してくれるんだよ。
気球会社によって変わるけど、私たちが参加した「カッパドキアバルーンズ社」は名前付きで発行してくれるみたい。
ギョレメ地区にはこの手の気球会社がたくさんあるから、気になる人は前日もしくは数日前に予約しておくのがベター!
ただ、ベストシーズンだと予約がすぐ埋まっちゃうみたいだから申し込みはお早めに!
5.まとめ
今回はトルコにある熱気球の観光情報、ローズバレーやラブバレーの見どころをまとめました。
海外旅行でトルコを訪れるなら熱気球がおすすめです。中でもローズバレーやラブバレーは見どころ満載なので、機会があればぜひ訪れてみてください。