トルコの歴史を現代に紡ぐ世界遺産、それがエフェソス遺跡です。ここには絶景のクレテス通りはじめ、娼婦の館へと繋がるケルスス図書館や半円状に広がる円形大劇場など古代文明の数々が眠っています。そこは古代の物語を追体験できる観光スポットです。
今回はトルコにあるエフェソス遺跡の観光情報をまとめます。ここでは概要・予算・時間・場所・気候・服装・治安・注意点の他、実際に訪れた管理人が厳選した見どころも紹介します。記事の最後には体験談もあるので、ぜひ海外旅行の計画にお役立てください。
エフェソス遺跡はエロスとタナトスが交錯する古代都市!
この記事では「トルコにあるエフェソス遺跡の観光情報」「ケルスス図書館や円形大劇場の見どころ」をまとめるよ!
1.エフェソス遺跡の概要
まずはエフェソス遺跡の概要を見ていきましょう。
- 国:トルコ
- 地域:イズミル
- 特徴:世界遺産/遺跡
- 目玉:ケルスス図書館/円形大劇場
- 方法:個人/ツアー
- おすすめ度:
エフェソス遺跡はトルコの西部、エーゲ海の港湾都市として栄えた町の跡地です。2015年に世界遺産登録されて以来、古代ギリシャや古代ローマの時代にタイムスリップできる遺跡として注目を集めています。
遺跡内には美しい遺跡の数々が現存しており、古代の人々の営みを肌で感じられる観光スポットとなっています。巨大な石畳を一歩ずつ進むごとに垣間見える当時の暮らし……浴場があったり厠があったり、時代は違えど現代にも通ずる生活に興味を引かれずにはいられません。
中でも荘厳なケルスス図書館や円形大劇場の迫力には目を見張るものがあります。それだけではなく施設ごとに面白い逸話が残っているのもエフェソス遺跡の魅力です。知れば知るほど歴史の渦に飲み込まれていく……そんなディープな体験が待っている世界遺産と言えます。
トルコを訪れるならエフェソス遺跡は外せないね!
イスタンブールを拠点にするなら個人で行くよりツアーで行くのがおすすめだよ!
2.エフェソス遺跡の観光情報
次にエフェソス遺跡の観光情報を見ていきましょう。
2-1.予算
- 個人:数千円~1万円
- ツアー:1万円~3万円
- 予算総額:8万円~24万円
個人は自分での手配、ツアーは旅行会社での代行、予算総額はトルコ旅行全体(移動費・宿泊費・飲食費・観光費)にかかる目安となります。入場料は変動するので直近の情報を調べておくと安心です。
2-2.時間
- 営業時間:8時00分~19時00分(季節で変動あり)
- 所要時間:2時間~3時間
- 必要期間:5日~10日
営業時間は開店から閉店、所要時間は到着から出発、必要期間は出国から帰国までにかかる目安となります。
2-3.場所
- 場所:トルコ/セルチュク
- 住所:Acarlar, Efes Harabeleri, 35920 Selçuk/İzmir, Turkey
- 行き方:バス/タクシー/レンタカー/ツアー
- バス:8時間~9時間
- レンタカー:4時間30分~5時間
- バス:1時間30分~2時間
- タクシー:30分~1時間
- レンタカー:30分~1時間
- バス:10分~20分
- タクシー:5分~10分
- レンタカー:5分~10分
場所と住所は所在地の目安となります。行き方は「イスタンブール⇒エフェソス遺跡」への一例であり、他の方法でもアクセスできます。直接向かうなら飛行機もしくは現地発着のツアーがおすすめです。
2-4.気候
- 1月~3月:寒くてやや晴れやすい気候
- 4月~6月:やや暑くて晴れやすい気候
- 7月~9月:暑くて晴れやすい気候
- 10月~12月:やや寒くてやや晴れやすい気候
- ベストシーズン:4月~10月
平均 | 最高気温 | 最低気温 | 降水量 |
1月 | 13℃ | 7℃ | 130mm |
2月 | 14℃ | 7℃ | 90mm |
3月 | 16℃ | 9℃ | 65mm |
4月 | 20℃ | 11℃ | 35mm |
5月 | 25℃ | 15℃ | 20mm |
6月 | 30℃ | 20℃ | 0mm |
7月 | 33℃ | 23℃ | 0mm |
8月 | 33℃ | 23℃ | 0mm |
9月 | 29℃ | 19℃ | 10mm |
10月 | 23℃ | 16℃ | 30mm |
11月 | 18℃ | 12℃ | 85mm |
12月 | 15℃ | 9℃ | 130mm |
2-5.服装
- 1月~3月:厚手の服装
- 4月~6月:体温調節できる服装
- 7月~9月:薄手の服装
- 10月~12月:体温調節できる服装
- 持ち物:歩きやすい靴
2-6.治安
- やや良い
トルコは総じて治安が良く、旅の拠点となるイスタンブールも治安良好です。
2-7.注意点
- 事前の勉強
- 拠点からの立地
- 遺跡の保存状態
- 遺跡への接触
2-7-1.事前の勉強
エフェソス遺跡は事前に勉強しないと魅力が半減してしまうかもしれません。逆に古代ギリシャ・古代ローマに関する情報を頭に入れておくことで遺跡に秘められたドラマも見えてくるため、背景を学んでから訪れてみてください。
2-7-2.拠点からの立地
エフェソス遺跡は日帰りで観光可能です。ただ、イスタンブールから片道5時間5分~11時間20分ほど、往復10時間10分~22時間40分ほどかかります。観光時間を含めると半日~終日はかかるので、余裕のある日程を組みましょう。
2-7-3.遺跡の保存状態
エフェソス遺跡は遺跡の保存状態が完璧ではありません。時代の流れで失われてしまった部分もある他、雑な発掘作業で壊されてしまった部分もあります。そのため、完全な状態で保管されているわけではないことを念頭に置いておいてください。
2-7-4.遺跡への接触
エフェソス遺跡は希少な遺跡が残っているため、遺跡への接触には気を付けたいです。遺跡内には貴重な歴史や文化を紐解く遺物も収蔵されており、古代遺跡の財宝や出土品も展示されています。当然ながら許可なく触れたり傷つけたりしてはいけません。
観光情報は変更となる場合があることを加味しておきたいね。
Googleマップの口コミを参考にするのもおすすめかも!
3.エフェソス遺跡の見どころ
ここからはエフェソス遺跡の見どころをまとめます。
3-1.クレテス通り
おすすめ度:
数々の遺跡が残る大通り。
3-2.公衆トイレ跡
おすすめ度:
水洗式の公衆便所跡地。
3-3.ケルスス図書館
おすすめ度:
巨大なセルシウス図書館。
3-4.円形大劇場
おすすめ度:
半円形のローマ大劇場。
エフェソス遺跡はクレテス通りや公衆トイレ跡、ケルスス図書館や円形大劇場など見どころ満載です。
ここは数ある遺跡の中でも完璧な保存状態と希少価値を誇る遺跡で、かのクレオパトラとアントニウスが過ごした地としても知られています。エーゲ海を望むクレテス通りからの眺めはまさに絶景、その光景には思わず息を呑んでしまうほどです。
通りの先にある図書館や大劇場も見逃せません。約1万冊の蔵書を誇ることからアレキサンドリア図書館・ペルガモン図書館とともに古代世界三大図書館に数えられるケルスス図書館、約2万5,000人を収容できる規模を誇る円形大劇場……どちらもエフェソス遺跡を代表する存在と言えるでしょう!
途中、ユニークな方法で水洗式便器を取り入れていた公衆トイレ跡も見学可能です。
ちなみに、旅の拠点となるセルチュクには古代の遺物を展示するエフェソス考古学博物館や世界の七不思議に数えられるアルテミス神殿もあるため、併せて散策してみてはいかがでしょうか?
エフェソス遺跡ではクレテス通りと公衆トイレ跡、ケルスス図書館と円形大劇場が目玉!
個人的には当時の活気を感じさせるクレテス通りがおすすめ!
4.エフェソス遺跡の体験談
最後に管理人が2018年6月に訪れたエフェソス遺跡の体験談を記しておきます。等身大の海外旅行記としてお楽しみください。
エフェソス遺跡に到着!早速、だだっ広い敷地に見えてきたのはヴァリウスの浴場。
ここは紀元前2世紀頃に作られたお風呂で、典型的なローマ式浴場として使われてたそうな。
日本の銭湯にも通ずるものがあるね。温泉行きたくなってきた。
いわゆるハマムってやつ。当時から冷水・ぬるま湯・熱湯が用いられた温泉だったとか。
もう古代のリゾート&スパやん……それにしてもハマムって謎にセクシーな響きじゃない?
しかも漆喰で全身を消毒しつつ浴場で身を清めた人しか街に入れなかったとか。
人生で一度は混浴に入りたいという煩悩も一緒に洗い流してもらいたい所存。
そのいやらしい下心は石鹼だけじゃ落ちそうにないね……金たわし100回擦りの刑に処す。
これがクレテス通りの見晴らし。両側に広がる門や柱、彫像が当時の賑わいを投影してるかのよう。
今でこそ陸が続いてるけど、昔はここから海が見えたんだってさ。
エフェソスはエーゲ海の入り江に栄えた港湾都市。きっと身震いするような絶景だったに違いない。
……心が洗われる景色とはこのこと。これならヴァリウスの浴場を素通りした人もピッカピカ。
クレテス通りを歩けばトラヤヌスの泉やドミティアヌス神殿も見えてくる。
エフェソスは古代都市では考えられないほど、水回りの施設が充実してたみたいよ。
ガイドさん曰く、コレッソス山やピオン丘の傾斜を利用して上下水道を完備してたってね。
他にも市庁舎に音楽堂、メミウスの記念碑にニケのレリーフ……本当見るとこ盛りだくさん。
テラスハウスという住居まであったとか。もしかしたら古代の人々も“男女くんずほぐれつ生活”を送ってたのかも。
そんなおしゃれなもんじゃないよ。むしろ汗と血にまみれた“筋骨隆々あらくれ生活”さ。
最盛期は約10万人が暮らしてたとのことだし、ハーレムもきっと夢じゃなかったはず。
こんな破廉恥の化身みたいなケダモノはメデューサに石にされれば良いのに。
あっ!こんなところに最先端なベンチがあるよ。ちょっと休憩してこうか。
……それ、トイレだよ。
えっ?でもこれイチモツの位置とか姿勢とかどうなってるの?どっちが前でどっちが後ろなの?
前と思った方が前で後ろと思った方が後ろ。
いや、哲学者みたいなこと言い出したよ。世にも奇妙な公衆便所すぎてタモリさん出てきちゃうよ。
迷わず行けよ、行けばわかるさ。
それ猪木さんだよ。そもそも仕切りがないじゃない。これじゃあ自慢のヘラクレスが見えちゃうよ。
さぁ、処刑台の準備ができたよ。それくらいのサイズならコブラツイストでねじ切り落としても問題ないよね?
ねじ切り落とすなんて初めて聞いた!
……本当、世界って知らないことだらけだね。
……もうロマンがすぎる。この町がまだ生きていた頃の潮風すら感じられる。
この風景は古代遺跡愛好家が涙を流して喜ぶだろうね。
エフェソス遺跡の象徴、ケルスス図書館の姿も見えるよ。
1970年代に修復された正面玄関が手招きしてる。もっと近づいてみよっか。
これが古代の図書館かぁ。ここに1万冊を超える書物が保管されてたんだね。
まさに古書の宝石箱。でも、収蔵されてた本はゴート族の襲撃によって炎上してしまったとのこと。
全人類共通の遺産になんてことを……。
ちなみに正面の女性像は「知恵・幸運・学問・美徳」の象徴だったのだとか。
余談だけど、この図書館の向かい側には娼婦館と呼ばれる売春宿もあったそうな。
教養を学ぶ場と性欲を満たす場が同じ通りにある……大学の前に風俗店があるのと一緒じゃない。
しかも娼婦館と図書館は地下で繋がってて自由に行き来できたんだってさ。
もうやる気満々じゃん。肉欲へと繋がる秘密の地下通路とか……破廉恥すぎるよ。
当時は未婚者も既婚者も足繫く通ったとか。
愛する人がいながら不埒なり。きっと古代の世界でもこんなやり取りがあったんだろうね。
◆
◆
◆
「ちょっと図書館言ってくるわ」
「こんな夜中に図書館?」
「……あ、あぁ。ちょっと調べものをね」
「そう、気を付けてね!」
「(よし今日もあの子に会いに来たぞぅ)……あっ!」
「このエロ男爵いももち野郎!こっちに来なさい!」
◆
◆
◆
「異性への痴情はいつの時代も甘美なり」「股間に渦巻く感情は鋼鉄の如き衝動なり」……アフロディーテもそう言ってる。
言ってないよ。でも、古代の人々も人目を忍んで色々と発散してたことは間違いないね。
破られ放題な柵を横目に見えてくる、古代の人々が熱狂した半円状の円形大劇場。
この全裸のスネオくんみたいな注意書きが目印。
パナユル山の斜面に広がる大劇場には思わず足腰もガクブル。
直径は約154m~158m、高さは約18m~20mと諸説あるけれど、とにもかくにも巨大だね。
当時は各地にこの大劇場に似た劇場が建造されたとか。
ステージを囲う緻密に作られた座席。散策に疲れたらここで休憩するのもおすすめかも。
この規模の劇場を作るのにどれほどの年月がかかるのか……途方もなさすぎて途方に暮れそう。
娯楽がない時代、みんなの楽しみといえばこの大劇場に通うことだったのかもしれない。
ある意味で図書館に通う方がワクワクテカテカしてたかもしれないけどね!笑
これだからスケベは……でも、娼婦館もきっと男性にとって欠かせない場所だったはず。
ふむ、人類はエロスとタナトスとともに歩んできたと言っても過言ではないのだよ。
くれぐれもエロスにうつつ抜かして、タナトスに股間引きちぎられないようにね。
5.まとめ
今回はトルコにあるエフェソス遺跡の観光情報、ケルスス図書館や円形大劇場の見どころをまとめました。
海外旅行でトルコを訪れるならエフェソス遺跡がおすすめです。中でもケルスス図書館や円形大劇場は見どころ満載なので、機会があればぜひ訪れてみてください。