海外旅行には受託手荷物を入れるためのスーツケースが必須です。スーツケースは容量やサイズの選び方を間違うと旅先で千辛万苦するため、慎重に選びたいところです。種類や特徴、重さや大きさを見誤ると持ち物が収納できず受託手荷物の制限にも引っかかってしまうかもしれません。
今回は海外旅行のスーツケースの選び方を解説します。併せてキャリーバッグのおすすめの容量とサイズも説明します。ここでは旅行バッグの種類や特徴だけでなく受託手荷物の重さや大きさもまとめるので、海外旅行の準備にお役立てください。
海外旅行はスーツケース選び・キャリーバッグ選びで変わる!
この記事では「海外旅行のスーツケースの選び方」「キャリーバッグのおすすめの容量とサイズ」をまとめるよ!
1.海外旅行でスーツケースに入れるもの
まずは海外旅行でスーツケースに入れる持ち物を見ていきましょう。
以下はスーツケースに入れておきたい受託手荷物の一例となります。
番号 | 項目 | 備考 |
---|---|---|
1. | スーツケース | キャリーバッグ/スーツケースベルト |
2. | 着替え | 上着/下着/水着(海パン・ビキニ)/帽子/サングラス/アクセサリー/パジャマ/スーツ/ドレス/靴(クロックス・サンダル)/靴下/ハンガー/圧縮袋 |
3. | 洗面用具 | ヘアドライヤー/ヘアスプレー/整髪料(ワックス・ジェル・ムース)/洗顔料/メイク落とし/歯ブラシ/歯磨き粉/マウスウォッシュ/シャンプー/リンス/ボディソープ/タオル(ハンドタオル・バスタオル・ハンカチ・ティッシュ・トイレットペーパー)/爪切り/ピンセット/手鏡 |
4. | 食料品 | レトルト食品/インスタント食品/飲料水 |
5. | 日用品 | 袋(ビニール袋・ポリ袋)/ジップロック/輪ゴム/S字フック |
6. | 遊び道具 | トランプ/ウノ/ジェンガ/その他のボードゲーム |
以上のものは機内持ち込み手荷物にするのではなく受託手荷物として適宜預けておきたいです。そのため、受託手荷物として収納する持ち物を想定してスーツケースを選ぶのが大原則となります。
ただし、爆発性のあるものや可燃性のあるもの、危険性のあるものは受託手荷物にはできません。鈍器や刃物など凶器となるものも禁止されています。受託制限は航空会社ごとに変わるので、自身が搭乗する飛行機ごとにチェックしておきましょう。
頻繁に出し入れしない受託手荷物はスーツケースに入れておくのが利口かも。
最初にキャリーバッグに入れるものを決めちゃえば、後はそれに合わせて選ぶだけさ。
2.スーツケースの選び方
次にスーツケースの選び方を見ていきましょう。
- 目的で選ぼう
- 旅程で選ぼう
- 素材で選ぼう
- 機能性で選ぼう
- 耐久性で選ぼう
- 防犯性で選ぼう
- デザインで選ぼう
- ブランドで選ぼう
海外旅行では観光が目的という方もいれば、グルメやショッピングが目的という方もいます。それだけでなくアクティビティやレクリエーションなどのレジャーを目的としている方もいるかもしれません。
だからこそ、スーツケースは目的ごとに選ぶのがおすすめです。
単なる散策なら軽量型のスーツケースで十分ですし、食べ歩きや買い物でも小型~中型のスーツケースがあれば万全です。ただ、本格的な登山など運動をメインとするなら重量型かつ大型のスーツケースが必要となります。
スーツケースは旅程に合わせて選ぶのもありです。
旅程によっては弾丸旅行などの短期旅行もあれば世界一周などの長期旅行もあります。短い旅であれば荷物は少なく済みますが、長い旅となると荷物も多くなります。そのため、旅する期間に合わせて選ぶのも良いでしょう。
スーツケースの代表的な素材としてはABS樹脂・ハイブリッド樹脂・ポリカーボネート・ポリプロピレン・メーカーオリジナルの特殊素材などがあります。
- ABS樹脂:耐久性に優れた重量な素材
- ハイブリッド樹脂:機能性に優れた万能な素材
- ポリカーボネート:耐久性に優れた軽量な素材
- ポリプロピレン:可搬性に優れた便利な素材
- メーカーオリジナルの特殊素材:独自開発された特殊な素材
スーツケースは素材から選ぶことも忘れてはなりません。素材ごとの特徴を把握しておくことで、旅にぴったりのスーツケースを選べます。
海外旅行はどうしても受託手荷物を詰め込みたくなってしまうため、機能性でも選ぶようにしましょう。ことさら仕切りやポケットの数に左右されることがあるので、ジャンル分けできるよう複数の仕切り・ポケットがあるものを選びましょう。
ハンドルの構造は外側に出っ張らないよう内側に格納されることで収納部分に凹凸が生まれるため、凹凸のない構造(インナーフラット・アウターフラット)かどうかも確かめてから選びたいです。キャスターも二輪なのか四輪なのか、タイヤやホイールの音は静かなのか……それぞれ確かめつつ選びましょう。最近は静音キャスターなどもあって便利です。
ジッパーの構造は歪んだり曲がったりせず開け閉め楽々なファスナータイプの他、こじ開けられることのない丈夫なフレームタイプもあります。形状によってはトランクタイプの他に両面開きや片面開きのものもあるので、併せて確認しておいてください。
海外旅行ではすぐにスーツケースもボロボロになります。状況によっては乱暴に扱われたり衝撃を受けたりすることもあるため、耐久性で選ぶのもありです。
旅の途中で壊れてしまえば悲劇……ハンドルが折れたりキャスターが取れたりした日には文字通りの“お荷物”です。買い直すとしても旅先で同じようなキャリーバッグが手に入る保証もありません。そのため、寿命の長い耐久性に優れたものを選ぶべきです。
海外は日本とは比べ物にならないほど犯罪が発生します。現地で起こる事件は軽犯罪から凶悪犯罪まで多種多様ですが、日本人が貴重品を盗まれる事件も後を絶ちません。むしろ日本人は泥棒の標的にされる傾向にあります。
だからこそ、スーツケースは防犯性でも選ぶべきです。不審者を近寄らせないことが一番効果的な防犯ではありますが、念のため防犯性能に優れたものを選ぶようにしましょう。
万全を期すならアメリカの国土安全保障省が認定するロックシステム、TSAロックを内蔵したスーツケースを選ぶのもありです。TSAロックは空港の税関職員がマスターキーで開閉できるシステムで、緊急時の中身確認に使用されます。TSAロックなら係員に鍵を壊されることなく安心して預け入れ可能なので、防犯面でも優れていると言えるでしょう。
スーツケースは「おしゃれなものは避けたい」と書かれている記事もあるのですが、気分を高めるためにも見た目は大切と言えます。デザインが気に入らないと旅の支度もなかなか捗らない……かも。そのため、直感で「これが好き」と思ったものを選ぶのも全然OKです!
ただ、ハードタイプなのかソフトタイプなのかでデザインも左右されます。その点は両者の材質も確かめつつ選びましょう。
- アルミニウム
- マグネシウム合金
- ナイロン
- ポリエステル
使用されている材質によってデザインも変わるので、好みで選んでみてください。
スーツケースを手掛けているブランドは多数存在します。有名メーカーや人気メーカーのものは品質も安定していて失敗しにくいです。
旅行バッグを取り扱っているブランドは「アメリカンツーリスター」「エース」「グリフィンランド」「グローブトロッター」「サムソナイト」「サンコー」「ゼロハリバートン」「トゥミ」「プロテカ」「リモワ」などがあります。
ただし、世界中の人が知るブランドのものは盗まれる可能性も否めません。もちろん「ノーブランドだと盗まれない」ということではありませんが、仮に盗まれたとしても諦めがつくものを選ぶこともまた必要な心得となります。
ここまでがスーツケースの選び方となります。前述の選び方を網羅しておけば理想のキャリーバッグも見つかります。ただ、旅行バッグは好みもあるので、最終的には第一印象で決めるのもありかもしれません。
スーツケースは旅の盟友だからこそじっくりと選びたいところ。
種類や特徴、容量やサイズ、重さや大きさで選ぶことも忘れずに!
3.スーツケースの種類と特徴
次にスーツケースの種類と特徴を見ていきましょう。
- 旅行用
- 留学用
- 出張用
スーツケースは厳密に種類分けされているわけではないので特徴もそれぞれ違うのですが、代表的なものだと旅行用・留学用・出張用などがあります。
海外旅行に持参するなら旅行用がおすすめです。旅行用のスーツケースであれば持ち物もたくさん収納でき、数日分の荷物を入れたとしても難なく運搬できます。そのまま観光するには向きませんが、旅の拠点まで荷物を運ぶなら旅行用のキャリーバッグで決まりです。
大型の旅行用だけだと散策の邪魔になりますし超大型の留学用や出張用だと逆に収納を持て余すので「旅行用1つ+観光用1つ」が理想です。
例外として留学用は現地で勉強する場合、出張用は現地で仕事する場合に持参すると便利です。留学や出張の場合は数週間~数ヶ月、場合によっては数年単位となることも想定して選びましょう。
バックパックと別途で旅行用のスーツケースを持参するのがおすすめ。
小さめの観光用の旅行カバンがあると重宝するよね!
4.スーツケースの容量とサイズ
次にスーツケースの容量とサイズを見ていきましょう。
日数の目安 | 容量の目安 | サイズの目安 |
---|---|---|
1泊~3泊 | Sサイズ:30L~39L前後 | 高さ55cm+幅40cm+奥行き20cm前後 |
4泊~6泊 | Mサイズ:40L~59L前後 | 高さ60cm+幅45cm+奥行き25cm前後 |
7泊~ | Lサイズ:60L~79L前後 | 高さ65cm+幅50cm+奥行き30cm前後 |
一口には言えないものの1泊~3泊なら「30L~39L前後」のSサイズ、4泊~6泊なら「40L~59L前後」のMサイズ、7泊以上なら「60L~79L前後」のLサイズが目安となります。
この容量とサイズであれば受託手荷物にもできて安心です。
もし荷物が詰め込めなさそうなら容量80L~109L以上のスーツケースを選んでも良いかもしれません。ただ、一般的な海外旅行に110L以上のキャリーバッグは無用の長物なので、適切なスケールのものを選びましょう。
荷物に見合わないスーツケースを選ぶとかえって邪魔になるから用心。
キャリーバッグには8割の荷物と2割の希望を詰め込んで出発するのがマスト!
5.受託の重さと大きさ
最後に受託の重さと大きさについてまとめます。
受託手荷物の制限は航空会社だけでなくプランやクラスごとにも変わるため、ここではエコノミーなど一般的な飛行機の座席を前提とします。
5-1.一般航空会社(FSC)の場合
航空会社(FSC) | 重さの制限 | 大きさの制限 |
---|---|---|
ANA(全日本空輸) | ・国内線:合計20kg以内 ・国際線:合計23kg以内 | ・国内線:高さ+幅+奥行き=合計203cm以内 ・国際線:高さ+幅+奥行き=合計158cm以内 |
JAL(全日空) | ・国内線:合計20kg以内 ・国際線:合計23kg以内 | ・国内線:高さ+幅+奥行き=合計230cm以内 ・国際線:高さ+幅+奥行き=合計203cm以内 |
ANAやJALなどの大手航空会社は重さが「国内線で合計20kgまで」「国際線で合計23kmまで」が制限基準です。ただ、大きさは航空会社ごとに変化するので気を付けておきたいです。
ANAでは「国内線で3辺の合計が203cmまで」「国際線で3辺の合計が158cmまで」とされていますが、JALでは「国内線で3辺の合計が230cmまで」「国際線で3辺の合計が203cmまで」とされています。この制限基準をオーバーする荷物は預け入れできません。
両社ともこの制限を満たしていれば他の荷物(1辺の長さ制限を超えないもの)は何個でも預け入れられます。ただ、小さい荷物も重量制限に含まれる他、キャスターやハンドルなどの部品も分量制限に含まれるので、その点は要注意です。
逆に言えば、規定の制限を守ったスーツケースであれば受託可能となります。
5-2.格安航空会社(LCC)の場合
航空会社(LCC) | 重さの制限 | 大きさの制限 |
---|---|---|
JJP(ジェットスター) | 有料で合計40kg以内(1個32kg以内) | 3辺の合計を問わず1辺が1m以内 |
SJO(スプリング) | 有料で最大60kg以内(1個30kg以内) | 高さ+幅+奥行き=合計203cm以内 |
APJ(ピーチ) | 有料で最大100kg以内(1個32kg以内) | 高さ+幅+奥行き=合計203cm以内 |
JJPやSJOやAPJなどの格安航空会社は予約するプランによって重さの制限が変わります。LCCは必要最低限の荷物しか預け入れできず、制限基準を超える分は有料が基本です。大きさの制限も「3辺の合計が203cm以内まで」とするところもあれば、1辺の長さのみを制限対象とするところもあります。
そのため、厳密な数字は各航空会社カウンターの手荷物預かり所に設置されている秤で計測してみましょう。
ちなみに、LCCは運賃がリーズナブルな代わりに荷物制限も厳しいのが特徴で少しでも超過すると追加料金が発生します。一般航空会社も同様で超過した分は有料オプションで追加購入しなくてはなりません。もし制限をオーバーしそうなら事前にオプション付きで予約しておくのもありです。
海外旅行では行きと帰りで荷物の量も変わるから、状況に合わせて予約しておくのが安心かも。
お土産を爆買いすると「そんな馬鹿な……」なんて事態になっちゃうかも!
6.まとめ
今回は海外旅行のスーツケースの選び方、キャリーバッグのおすすめの容量とサイズをまとめました。
海外旅行にスーツケースは必須です。その選び方に正解も不正解もありませんが、海外旅行の内容に適したものを選ばないと旅先で後悔するかもしれません。それゆえにキャリーバッグ選びは慎重に行いたいです。
できる限り種類や特徴、容量やサイズ、受託の重さや大きさなど旅行に適したものを選びましょう。まずはどのような受託手荷物が必要なのか、自分の持ち物と照らし合わせながらスーツケースを選んでみてください。