台湾で「自然×人間」の力が生んだ奇跡の仙人郷、それがタロコ国立公園です。園内に広がるタロコ渓谷は台湾でも名のある絶景として知られ、仙人郷を彷彿とさせる風景が現地の人々を魅了しています。そこはまさに迫力満点の岩壁と透明度抜群の水流に魅せられる観光スポットです。
今回は台湾にあるタロコ国立公園の観光情報をまとめます。ここでは概要・予算・時間・場所・気候・服装・治安・注意点の他、実際に訪れた管理人が厳選した見どころも紹介します。記事の最後には体験談もあるので、ぜひ海外旅行の計画にお役立てください。
タロコ国立公園は標高1,000mにも及ぶ岩盤に挟まれた大渓谷!
この記事では「台湾にあるタロコ国立公園の観光情報」「燕子口やタロコ渓谷の見どころ」をまとめるよ!
1.タロコ国立公園の概要
まずはタロコ国立公園の概要を見ていきましょう。
- 国:台湾
- 地域:花蓮
- 特徴:公園/渓谷
- 目玉:燕子口/タロコ渓谷
- 方法:個人/ツアー
- おすすめ度:
タロコ国立公園は立霧渓によって侵食された大理石の断崖絶壁が広がる渓谷です。台湾でも名の知れた絶景で、その風光明媚な景色から「台湾のグランドキャニオン」と称される場所でもあります。
まるで仙人が住んでいそうな観光スポットは一見の価値あり。1986年に創設されたこの公園は総面積9万2,000haにも及ぶ広大な敷地を有しており、台湾原住民のタロコ族が守ってきた聖地としても知られています。なお、タロコという名前は「連なる山の峰」を意味し、ここが古くから険しい山々に囲まれていた秘境だったことを物語っています。
もともとタロコ渓谷は農耕と狩猟をしながら暮らすタイヤル族の住む地域でした。そこからタロコ族とタウサイ族が離脱し、北や東へ向けて大規模な民族大移動を行います。これによりタロコ渓谷各地に部族が拡散し、最大79箇所もの部落が形成されたのだとか。
その後、1937年に台湾総督府がタロコ全域を次高タロコ国立公園として指定し、1986年にタロコ国立公園(正式には太魯閣国家公園)が成立したわけです。
台湾を訪れるならタロコ国立公園は外せないね!
台北を拠点にするなら個人で行くのもツアーで行くのもおすすめだよ!
2.タロコ国立公園の観光情報
次にタロコ国立公園の観光情報を見ていきましょう。
2-1.予算
- 個人:数千円~1万円
- ツアー:1万円~3万円
- 予算総額:5万円~15万円
個人は自分での手配、ツアーは旅行会社での代行、予算総額は台湾旅行全体(移動費・宿泊費・飲食費・観光費)にかかる目安となります。入場料はかかりません。
2-2.時間
- 営業時間:24時間
- 所要時間:2時間~3時間
- 必要期間:3日~5日
営業時間は開店から閉店、所要時間は到着から出発、必要期間は出国から帰国までにかかる目安となります。
2-3.場所
- 場所:台湾/花蓮
- 住所:Xiulin Township, Hualien County 972, Taiwan
- 行き方:電車/バス/タクシー/レンタカー/ツアー
- 電車:2時間~2時間30分
- バス:3時間~3時間30分
- タクシー:2時間~2時間30分
- レンタカー:2時間~2時間30分
- バス:1時間~1時間30分
- タクシー:30分~1時間
- レンタカー:30分~1時間
場所と住所は所在地の目安となります。行き方は「台北⇒タロコ国立公園」への一例であり、他の方法でもアクセスできます。直接向かうなら現地発着のツアーがおすすめです。
2-4.気候
- 1月~3月:寒くてやや雨が降りやすい気候
- 4月~6月:やや暑くて雨が降りやすい気候
- 7月~9月:暑くて雨が降りやすい気候
- 10月~12月:やや寒くて雨が降りやすい気候
- ベストシーズン:1月~5月/10月~12月
平均 | 最高気温 | 最低気温 | 降水量 |
1月 | 21℃ | 15℃ | 70mm |
2月 | 21℃ | 15℃ | 100mm |
3月 | 23℃ | 17℃ | 85mm |
4月 | 26℃ | 20℃ | 95mm |
5月 | 28℃ | 22℃ | 195mm |
6月 | 30℃ | 24℃ | 220mm |
7月 | 32℃ | 25℃ | 175mm |
8月 | 32℃ | 25℃ | 260mm |
9月 | 30℃ | 24℃ | 345mm |
10月 | 28℃ | 22℃ | 365mm |
11月 | 25℃ | 19℃ | 170mm |
12月 | 22℃ | 16℃ | 70mm |
2-5.服装
- 1月~3月:体温調節できる服装
- 4月~6月:薄手の服装
- 7月~9月:薄手の服装
- 10月~12月:体温調節できる服装
- 持ち物:歩きやすい靴
2-6.治安
- やや良い
台湾は総じて治安が良く、旅の拠点となる台北も治安良好です。
2-7.注意点
- 拠点からの立地
- 岩肌への衝突
2-7-1.拠点からの立地
タロコ国立公園は日帰りで観光可能です。ただ、台北から片道2時間30分~5時間ほど、往復5時間~10時間ほどかかります。観光時間を含めると半日~終日はかかるので、余裕のある日程を組みましょう。
2-7-2.岩肌への衝突
タロコ国立公園の遊歩道脇には大理石が飛び出しているので、岩肌への衝突にも気を付けたいです。スマホやカメラをぶつけると故障しますし、自分自身がぶつかると怪我します。トンネルには照明が設置されているものの視界は微妙で、場所によっては眼前5cm~10cmまで岩が迫る場所もあります。よそ見していると激突するので、通路上では警戒して進みましょう。
観光情報は変更となる場合があることを加味しておきたいね。
Googleマップの口コミを参考にするのもおすすめかも!
3.タロコ国立公園の見どころ
ここからはタロコ国立公園の見どころをまとめます。
3-1.東西横貫公路
おすすめ度:
花蓮と台中を結ぶ道路。
3-2.砂卡礑歩道
おすすめ度:
上下を岩に挟まれる小道。
3-3.燕子口
おすすめ度:
穴だらけのツバメの巣。
3-4.九曲洞歩道
おすすめ度:
手で掘った血と涙の結晶。
3-5.タロコ渓谷
おすすめ度:
仙人が住まう大渓谷。
タロコ国立公園は東西横貫公路や砂卡礑歩道、燕子口や九曲洞歩道、タロコ渓谷など見どころ満載です。
渓谷に到着するとまず見えてくるのが、花蓮と台中を結ぶ東西横貫公路。中華風の赤い門は横断道路の出入口でありながら、タロコ国立公園のシンボルとしても知られています。そこから砂卡礑大橋の脇にある砂卡礑歩道に入ると、いよいよ神聖な空気が降り注ぐ仙人郷のお出ましです。
岩盤に食べられている感覚を味わえる遊歩道はスリル満点……その奥地にある燕子口と九曲洞歩道も見逃せません。ツバメの巣がある燕子口と手彫りのトンネルがある九曲洞歩道はどちらも迫力満点。雨風と鉄砲水が形成した燕子口も人力で掘削した九曲洞歩道も、ここでしか見られない光景です。その景色はまさに「自然×人間」が描いた絶景と言えるでしょう。
ちなみに、東西横貫公路工事の際には212名の作業員が亡くなったとされています。園内にはその過酷な仕事で殉職した方を祀る長春祠も置かれています。他にも慈母橋や流芳橋、錐麓大断崖や大禹嶺、布洛湾や白楊瀑布など見どころは尽きません。
タロコ国立公園では東西横貫公路と砂卡礑歩道、燕子口と九曲洞歩道、タロコ渓谷が目玉!
個人的には蛇行した断崖絶壁が延々と続くタロコ渓谷がおすすめ!
4.タロコ国立公園の体験談
最後に管理人が2016年4月に訪れたタロコ国立公園の体験談を記しておきます。等身大の海外旅行記としてお楽しみください。
タロコ国立公園に到着!この「太魯閣国家公園東西横貫公路入口」と書かれた石碑と赤門が目印。
やってきたのは台湾で名の知れた景勝地とされるタロコ渓谷!またの名をタロコ峡谷!
調べてみたら「太魯閣」って“勇者の開拓精神”を意味する当て字なんだってね。
タロコ族の言葉を直訳すると“連なる山の峰”って意味もあるみたいよ。
砂卡礑大橋を抜けた先には、大口を開けて待つ砂卡礑歩道。
ガイドさん曰く「砂卡礑」はタロコ語で臼歯を意味するとか。
確かに抉られた岩盤が巨人の奥歯に見えなくもない。
でも、岩の巨人に咀嚼されるなんてまっぴらごめん!さっさとここを抜けよう?
ところがどっこい。観光客やら旅行者やら地元民やらでごった返してて完全にデスマーチ状態なのさ。
……これはしばらくかかりそうね。現実離れした景色も相まって“黄泉の国への一本道”に見えてきたよ。
しばらく歩くと人もぽつりぽつり。気づけば両手に花ならぬ両手に岩。
セミの鳴き声が一足早く夏を運んでくる。岩に染み込む初夏の音色も清々しいや。
さながら松尾芭蕉の代表作を目の前で再現されているかのよう。僕も台湾版「奥の細道」を執筆しようかな?笑
……喝ッッッ!江戸時代を代表とする偉人と肩を並べるなど1,000年早いわ!
口調が仙人みたいになっちゃってるよ?1,000年だけにね!
まさにここは仙人郷……って滑るなら1人で滑ってくれるかな?
こりゃ滑って落ちたら大変だぁ……でもタロコ国立公園は水の美しさでも知られるだけあって綺麗だぁ。
エメラルドグリーンの透き通った水はまるで翡翠を溶かしたような色。
水のせせらぎは眼福ならぬ耳福。世界一耳に優しい音色として認定したいくらいだよ。
雨のように降り注ぐセミたちの声もアクセントになってて気持ち良いね。
……こ、この穴は何?!山奥に住まう筋肉隆々のモンクがここで三日三晩修行でもしてたっての?
これは雨風と鉄砲水でできた燕子口。今ではツバメの洞窟住居になってるみたい。
あの高級食材のツバメの巣ってこと?健康にも美容にも効くってもっぱら評判のあの食材がここに?
もしこれがアナツバメの巣だったら宝の山だろうね。
……でもこの岩肌、点が3つあるからか顔に見えてちょっと怖い。
まさかのシミュラクラ現象。いや、お化けに見えるならパレイドリア現象か。
ここからはガイドさんにヘルメットを手渡されて洞窟探索へ……と思ったらただのトンネルだった!
ただのトンネルじゃないよ。これは人力で掘られたという隧道。
……こ、これを手掘りで作ったの?!
その掘削跡はまさに血の涙の結晶。先人たちの痕跡が凝縮されてる。
ガイドさんの話だと東西横貫公路の工事中に約212名の作業員の方が亡くなったそうね。
そうそう、こうやって何事もなく歩かせていただいていることに感謝だよ。
うわぁ……これぞタロコ渓谷の大絶景。巨大な奇岩怪石がゴロゴロ転がってて秘境感満載だ。
もしかしてこの岩、怪力僧侶が修行がてらに粉砕した岩だったりして。
タロコ渓谷、侮ってた……穴だけに!
大渓谷に道路を切り開いた人たち……もしかしたら彼らがこの地に伝わる仙人なのかもしれない!
先人たちの面影を追いかけながら、粗削りな道の先を進む。
清らかに流れる水や安全帽に滴る雫、すべてが風流なり。
そんな風情とは裏腹にガイドさんは超早歩き。哀愁を感じる間もなくどんどん突き進んでっちゃう。
黄昏る時間すらないのはいかがなものだけど、早く抜けたい気持ちもわかる。崩落したら一大事だもの。
昼食は太魯閣国立公園内にある郷土料理屋でいただきます。
タロコ渓谷のツアーに参加する人は大体ここで食事をとるみたい。
濃い味が好きな道産子からすると薄味だけど、これはこれで美味しい。
素材そのままの味わいが感じられるよね。
ちなみにスタッフはタロコ族の民族衣装で接客してくれるから、そちらも必見!
台湾美女がタロコ族の伝統衣装で接客してくれるなんて、粋な計らい。
最後にレトロな外観を撮影させてもらって今回のタロコツアーは終了。
それにしてもタロコ国立公園、想像以上にすごいところだったよね。
台湾といえば九份ばかりがピックアップされがちだけど、タロコも忘れないで!
もし台湾旅行で花蓮に立ち寄ることがあるなら、ぜひタロコ渓谷へおいでやす!
ツアーには石工場見学も含まれているとのことで訪問。
何やら鬼の形相で睨みを利かせる石像を発見。これは獅子舞……いや、台湾だし龍の石像かな?
見て見て!この石像、口の中に石の球が入れられてる!一体どうやって入れたのかな?
ガイドさん曰く「石像があくびしてる時に口の中に放り込んだんだ」ってさ!笑
こっちには巨大な翡翠もあった。ここまで大きい翡翠だといくらくらいになるのかしら?
小さいものでも加工によっては数十万円~数百万円に化けるから……これはもう!
時価総額にして数千万円単位ってところかな?
でも、普通に外に置いちゃってるところを見るとそこまで価値のあるものではないのかな?
本当にこれで最後、やってきたのは七星潭。ここは台湾の若者に人気のビーチ……ってことだけどちょっと微妙?
天気が微妙すぎて何とも言えないね。
うん……ただ、水の青さはなかなかのものよ。晴れてたらきっと絶景だったに違いない。
これにて台湾の旅も終了!天気は微妙だったけどなかなか思い出深い旅になったんじゃないかな?
なんだかんだであっという間の旅だったね。次訪れるなら台中・台南・高雄にも行ってみたいな。
まだまだ台湾の魅力を伝えきれてないから、次はあまり知られていない場所を訪れてみよっか。
5.まとめ
今回は台湾にあるタロコ国立公園の観光情報、燕子口やタロコ渓谷の見どころをまとめました。
海外旅行で台湾を訪れるならタロコ国立公園がおすすめです。中でも燕子口やタロコ渓谷は見どころ満載なので、機会があればぜひ訪れてみてください。