ニュージーランドの世界遺産、自然保護区テワヒポウナムにある国立公園、それがマウントクック国立公園です。白銀の名峰が聳え立つこの場所は標高3,000m級の山々が囲う自然の宝庫……そこはありとあらゆる自然が凝縮された観光スポットです。
今回はニュージーランドにあるマウントクック国立公園の観光情報をまとめます。ここでは概要・予算・時間・場所・気候・服装・治安・注意点の他、実際に訪れた管理人が厳選した見どころも紹介します。記事の最後には体験談もあるので、ぜひ海外旅行の計画にお役立てください。
マウントクック国立公園は天を突き抜ける世界遺産!
この記事では「ニュージーランドにあるマウントクック国立公園の観光情報」「タスマン氷河やフッカーバレーの見どころ」をまとめるよ!
1.マウントクック国立公園の概要
まずはマウントクック国立公園の概要を見ていきましょう。
- 国:ニュージーランド
- 地域:カンタベリー
- 特徴:世界遺産/公園/山/湖/渓谷/レジャー
- 目玉:タスマン氷河/フッカーバレー
- 方法:個人/ツアー
- おすすめ度:
マウントクック国立公園は世界遺産の自然保護区テワヒポウナムにある国立公園で、山脈・湖・渓谷などありとあらゆる自然が凝縮された場所です。同自然保護区内には4つの国立公園があり、その総敷地面積は約28,000km²……まさにそこは「地球の箱庭」の名に恥じない観光スポットと言えるでしょう。
サザンアルプスが描く地形は標高3,000mを超える山が14峰、標高2,000mを超える山が140峰あるとされ、見渡す限りダイナミックな山々が続いています。その中央に“白銀の古城”の如く聳え立つマウントクックの存在感は圧巻です。
古くからマウントクックはマオリ語でアオラキ(雲を貫く山)と呼ばれ、人間を寄せ付けない神聖な山として扱われてきました。
日本の霊峰、富士山と同程度の標高でありながら登山の難易度は世界有数、切り立った断崖絶壁は人類を拒む禁断の聖域と化しています。名のある登山家でも下山を余儀なくされる世界屈指の難所であり、志半ばで命を落とした冒険家も数知れず……ゆえに美しさと恐ろしさが共存する場所としても知られています。
ただし、普通に滞在する分には最高のロケーション。どこまでも広がる青空と澄んだ空気、氷河で白銀に輝く山頂とそよ風に揺れる草花……どれをとっても絶景の宝庫です!
ニュージーランドを訪れるならマウントクック国立公園は外せないね!
クイーンズタウンを拠点にするなら個人で行くのもツアーで行くのもおすすめだよ!
2.マウントクック国立公園の観光情報
次にマウントクック国立公園の観光情報を見ていきましょう。
2-1.予算
- 個人:1万円~3万円
- ツアー:3万円~5万円
- 予算総額:8万円~24万円
個人は自分での手配、ツアーは旅行会社での代行、予算総額はニュージーランド旅行全体(移動費・宿泊費・飲食費・観光費)にかかる目安となります。入場料はかかりません。
2-2.時間
- 営業時間:8時30分~16時30分
- 所要時間:2時間~3時間
- 必要期間:5日~10日
営業時間は開店から閉店、所要時間は到着から出発、必要期間は出国から帰国までにかかる目安となります。
2-3.場所
- 場所:ニュージーランド/カンタベリー
- 住所:Canterbury 7999, Southland, New Zealand
- 行き方:バス/タクシー/レンタカー/ツアー
- バス:2時間30分~3時間
- タクシー:2時間~2時間30分
- レンタカー:2時間~2時間30分
- バス:30分~1時間
- タクシー:30分~1時間
- レンタカー:30分~1時間
場所と住所は所在地の目安となります。行き方は「クイーンズタウン⇒マウントクック国立公園」への一例であり、他の方法でもアクセスできます。直接向かうなら現地発着のツアーがおすすめです。
2-4.気候
- 1月~3月:やや寒くて晴れやすい気候
- 4月~6月:寒くて晴れやすい気候
- 7月~9月:寒くて晴れやすい気候
- 10月~12月:やや寒くて晴れやすい気候
- ベストシーズン:1月~3月/12月
平均 | 最高気温 | 最低気温 | 降水量 |
1月 | 23℃ | 9℃ | 55mm |
2月 | 23℃ | 8℃ | 55mm |
3月 | 20℃ | 7℃ | 65mm |
4月 | 16℃ | 3℃ | 65mm |
5月 | 12℃ | 0℃ | 65mm |
6月 | 8℃ | -2℃ | 70mm |
7月 | 7℃ | -3℃ | 70mm |
8月 | 10℃ | -1℃ | 70mm |
9月 | 13℃ | 1℃ | 60mm |
10月 | 16℃ | 4℃ | 60mm |
11月 | 19℃ | 6℃ | 60mm |
12月 | 21℃ | 8℃ | 55mm |
2-5.服装
- 1月~3月:体温調節できる服装
- 4月~6月:厚手の服装
- 7月~9月:厚手の服装
- 10月~12月:体温調節できる服装
- 持ち物:歩きやすい靴
2-6.治安
- やや良い
ニュージーランドは総じて治安が良く、旅の拠点となるクイーンズタウンも治安良好です。
2-7.注意点
- 拠点からの立地
- 動植物への接触
- 水中への落下
2-7-1.拠点からの立地
マウントクック国立公園は日帰りで観光可能です。ただ、クイーンズタウンから片道2時間30分~4時間ほど、往復5時間~8時間ほどかかります。観光時間を含めると半日~終日はかかるので、余裕のある日程を組みましょう。
2-7-2.動植物への接触
マウントクック国立公園には希少生物が暮らしているため、動植物への接触には気を付けたいです。この地域一帯は貴重な生態系を構成する生き物も生息しており、キーウィなどの動物や樹齢数百年~数千年を超えるカウリなどの植物も分布しています。当然ながら許可なく捕まえたり摘んだりしてはいけません。
2-7-3.水中への落下
マウントクック国立公園は氷河湖を擁するため、水中への落下には気を付けたいです。スマホやカメラを落とすと大変ですし、自分自身が落ちると危険です。興奮して撮影に夢中になったり無理に立ち上がったり動き回ったりすると船から転落するので、船上では静かに過ごしましょう。
観光情報は変更となる場合があることを加味しておきたいね。
Googleマップの口コミを参考にするのもおすすめかも!
3.マウントクック国立公園の見どころ
ここからはマウントクック国立公園の見どころをまとめます。
3-1.アオラキ
おすすめ度:
名峰マウントクック。
3-2.タスマン氷河
おすすめ度:
氷河湖クルージング。
3-3.フッカーバレー
おすすめ度:
渓谷ハイキング。
マウントクック国立公園はアオラキやタスマン氷河、フッカーバレーなど見どころ満載です。
世界遺産に指定された国立公園内に足を踏み入れると真っ先に見えてくるのが、マオリの言葉で「天を貫く峰」を意味するアオラキ、マウントクックです。山あいから顔を覗かせる名峰は遠くからでも肉眼で鮮明に確認できるほどで、その悠然たる姿には思わず目が釘付けになります。
切り立った山頂と青白く光る氷河の共演は、まさにニュージーランドでNo.1の絶景と言っても過言ではありません。
そんなマウントクック国立公園で絶対に体験したいのが、タスマン氷河クルージングとフッカーバレーハイキングです。どちらもマウントクックを訪れる観光客・旅行者に人気のレジャーで、ニュージーランドの大自然を思う存分満喫できます。他にもツーリスト向けの催しが日夜開催されているので、アウトドアから遊覧飛行まで……美しい大自然を心ゆくまで楽しみ尽くしましょう!
マウントクック国立公園ではアオラキとタスマン氷河、フッカーバレーが目玉!
個人的には“天の峰”を指すアオラキがおすすめ!
4.マウントクック国立公園の体験談
最後に管理人が2019年2月に訪れたマウントクック国立公園の体験談を記しておきます。等身大の海外旅行記としてお楽しみください。
マウントクック国立公園に到着!ここはマオリの言葉で「雲を突き抜ける山」を意味するアオラキの麓!
あの山あいに見えるのがマウントクックだね。
そのマウントクックを見ながら売店で買ったサンドイッチを食べる……自然の中で食べるとより美味しいや!
空気も美味しいから何を食べても美味しいよ!
……料理したくなってきた、クックだけに!
……またしょうもないこと言ってる。
標高は約3,724mとニュージーランドでは最高峰の山。
約3,776mの標高を持つ富士山と大体同じくらいの大きさなんだ。
20年くらい前は標高3,764mだったから、今よりももっと似通った高さだったと言えるかも。
1991年に山頂が崩落して10mくらい低くなった後、山頂付近の分厚い氷が崩壊して今の標高になったらしいね。
周囲を取り囲む山々の景色よ。
こんな風景、日本だとなかなか見られないよね。
氷河で雪化粧した荒々しい山肌を眺めてると、なんだか無性にかき氷が食べたくなってこない?
普通の感覚から外れすぎててよくわかんないや。
知ってる!みんなから「よくわからない」って言われるから!
……あったんだ、自覚。
休憩を終えていよいよ世界遺産、マウントクック国立公園探索へ!
空気が澄んでて自然が豊かで絶景に囲まれてて……もう最高じゃん。
それにしてもなんでここ「クック山」って呼ばれてるんだろう?
確かニュージーランドを探索したイギリス海軍士官ジェームズ・クック船長から名付けられてたはず!
クックってあの海洋探検家で海図製作者でもあったクック船長?
そう!人並外れた航海術を持ってたことから「キャプテン・クック」の名で親しまれた英軍航海士その人!
クック船長は太陽・月・地平線の位置から正確な現在地を割り出すことができたって話だよね。
うん!こんな感じの分かれ道だってきっとどっちに進めばいいか瞬時にわかったはず。
方向音痴の自分からしたら神様のような人だ。
まぁ今歩いてるトレッキングコースは案内板も設置されてて迷子になることはないけどね!
そんなこんなでクック船長の話をしてたら何やら水辺に出た!
ここはタスマン氷河によって形成された氷河湖。通称タスマン湖。
タスマン川を形成する氷河湖としても知られてる場所。何やらボートがあるけど、あれに乗れってかい?
ご名答!今日はあのボートに乗って氷河クルーズに出かけるよ!
あんな小舟で大丈夫なのかい?クック船長さんよぅ!
誰がクック船長……いや、今日は私がクック船長!野郎どもを乗せて冒険に出かけるぞ!!
へへ……船長、早速財宝を見つけやしたぜ!
でかしたぞ、雑用!今日は「金銀財宝を奪ってこい」だなんて野暮なことは言わん!氷河を持って来な!
副船長くらいかと思ってたら雑用だった!
細かいことはいいじゃない。それにしてもこの氷河の欠片、超綺麗。こんな透き通った氷、見たことない。
船長、12時の方角に巨大な氷山が……!
あ、あれは……よし!このまま突っ切る!
うわぁあぁああぁ!氷山にぶつかるぞ!
このままではタイタニック号の二の舞に……。
……なることはありませんでした!
うん、なぜならただの小型船だから!
長々と茶番を演じてしまったけど……見てよ!この氷河湖に浮かぶ美しい氷塊を!どれも空のように青くて綺麗。
本当だね!縦に入った縞模様もなんだか不思議。
……あ、あれがタスマン氷河の終着点かな?
あそこから崩れ落ちた氷山が氷河湖へと流れてくってわけよ。
これはマウントクックでも指折りの絶景だね。
うん!この地域一帯では国立公園内発着のツアーが出てるから、気になる人はぜひ参加してもらいたいところ!
ボートの後ろには虹も出た!
船の水しぶきで作る世界一小さな虹。これもまたタスマン氷河のクルーズを彩ってくれる粋な演出!
……氷河クルーズ、最高だった。
満喫しちゃったね、ニュージーランドの大自然!
ここらで一旦、ホテルに戻って休憩。
部屋からの眺めがこれだもの。
夕食はホテル併設のレストランでいただきます!
ビュッフェ式のディナー、いい感じ。
ニュージーランドはご飯も美味しくていいよね。
人も優しくて本当に過ごしやすい国だと思う。
夕焼けに火照らされたマウントクック。
今日は雲一つない空だから星も綺麗に見えそう。
ニュージーランドといえば、星空観測は欠かせない。
だんだん暗くなってきた……これは期待しちゃう。
……こ、これがニュージーランドの星空!
広角レンズだから星の光を捉えきれてないけど、それでも満点の星空が頭上を覆い尽くしてるのがわかる!
肉眼でもくっきり見えるくらいの満点の星空。
もう星の海ってくらい真っ黒な空に光の粒が漂ってる。
星空撮影が苦手な僕でもこの通り。
カメラによってはもっと綺麗な星空も撮れそう。
……まさに星が降る夜。
マウントクック国立公園は周辺に大都市がない分、星もはっきり。なんだかずっと眺めてたくなる夜空だね。
……そして、夜が明けた!
今日は一体何をするってんだい?
今日はね、フッカーバレーまで歩いて行こうと思うんだ。
フッカーバレー?一体どんな絶景が見られるんだろう?
まずはフッカーバレーで亡くなった先人たちに挨拶。
聞くところによると、マウントクックは登頂難易度が非常に高い山として知られてるんだってね。
そうそう、年間数百人の登山家が頂上を目指すんだけど、その大半は途中で下山してしまうんだとか。
2011年までの死者数も227名と相当なもの。標高こそ世界最高峰の山々と比べると低いけど、危険度は高め。
初登頂は1894年のこと。トム・ファイフ、ジャック・クラーク、ジョージ・グラハムの3人が成し遂げたとのこと。
ちなみに、ここには吊り橋が設置されてるけど、この先登山道として整備されている道はほとんどないとか。
僕らが歩いているトレッキングコースは道があってありがたい。
……途中、壮大な谷を流れる川も眺められるよ。
万年雪の雪解け水だからかな?色が青い!
クリアで綺麗な水だよね。
しばらく歩くと見えてきたのがこちらのボードウォーク。
マウントクックのガイドブックでもここからの写真がよく掲載されてるから見たことある人もいるかも。
僕らもここで記念写真撮っちゃう。
ただ、本当はこの先まで行きたいところだけど、日中にはテカポ方面に向かわないといけないからここまで!
本当、いくら時間があっても足りないや!
いや、時間ありまくりな人に見えるけど?
これはニュージーランドの空気を最大限に吸い込んでいるのだよ!この先ずっと忘れないためにね!
まぁ、名残惜しいのはわかるけど。
高山植物だってこの通り。苔もいい感じだよね。
こういう草木がこの美味しい空気を作ってくれてるのかな?
ガイドさん曰く、マウントクック国立公園には約300種類を超える高山植物が咲き誇ってるんだとか。
そんな高山植物を眺めながら歩くのもアオラキの醍醐味。
いやぁ最高だなぁ、マウントクック。
どこもかしこも雄大な絶景ばかりで思わず見惚れちゃう。
おじいちゃんおばあちゃんはこれからフッカーバレーに向かうみたい。
……素敵な老夫婦、あんな老後を過ごせたらいいなぁ。
最後の最後までこの絶景を目に焼き付けるぞ。
眼球が真っ白になるくらいの絶景。今まで数々の絶景をハントしてきたけど、ここまで癒される場所は数えるほどしかないかも。
最後に看板と写真を撮っておさらば!
いつかこの場所でキャンプしながらバーベキューでもしよう。メインディッシュに美味しい空気を添えて。
……とテカポ行きのバスが来るまでちょっと時間があったので、サーモンベーグルをいただきます!
ニュージーランドといえばサーモンだよね、味はどう?
んん!パンも野菜もふわふわシャキシャキで美味しい!何より旨味が凝縮されたサーモンがやばい!
肝心の美味しさが伝わってこない!
むしゃむしゃ、もぐもぐ、これはもう……んぐ!
……よし!テカポに向かおう!狙うは世界遺産登録待ったなしの星空。ニュージーランドの旅はまだまだ終わらない。
5.まとめ
今回はニュージーランドにあるマウントクック国立公園の観光情報、タスマン氷河やフッカーバレーの見どころをまとめました。
海外旅行でニュージーランドを訪れるならマウントクック国立公園がおすすめです。中でもタスマン氷河やフッカーバレーは見どころ満載なので、機会があればぜひ訪れてみてください。