モロッコで全身干からびるまで眺めていたくなる砂の絶景、それがサハラ砂漠です。観光の玄関口エルフードからメルズーガ村に移動すると見えてくる大砂丘は圧巻。“砂の海”が太陽の光で黄金の絨毯に変わってゆく光景はまさに大スペクタクル……そこは砂の世界に心奪われる観光スポットです。
今回はモロッコにあるサハラ砂漠の観光情報をまとめます。ここでは概要・予算・時間・場所・気候・服装・治安・注意点の他、実際に訪れた管理人が厳選した見どころも紹介します。記事の最後には体験談もあるので、ぜひ海外旅行の計画にお役立てください。

サハラ砂漠は過酷な環境でありながらもどこか魅せられる最果ての砂地!



この記事では「モロッコにあるサハラ砂漠の観光情報」「夜空や砂丘や朝日の見どころ」をまとめるよ!
1.サハラ砂漠の概要


まずはサハラ砂漠の概要を見ていきましょう。
- 国:モロッコ
- 地域:メルズーガ
- 特徴:砂漠
- 目玉:夜空/砂丘/朝日
- 方法:個人/ツアー
- おすすめ度:
サハラ砂漠はモロッコを代表する世界最大の砂漠で、東西に大砂丘を形成する砂の景勝地です。朝焼けや夕焼けが描く景観はもちろん、丘を吹き抜ける風が作り出す風紋はさながら“砂の惑星”を彷彿とさせ、訪れる人々を魅了してやみません。まさにそこは美しさと恐ろしさが共存する砂漠の観光スポットと言えます。
面積はアフリカ大陸の約3分の1を占め、アメリカの国土に匹敵するほど巨大。
いざ目の前にすると、自然の驚異にただただ茫然と立ち尽くしてしまうほど。
そんなサハラ砂漠は、世界で最も乾燥した砂漠の一つです。一見するとすべて砂に覆われた砂砂漠に見えるものの、大部分は岩石砂漠で石炭・石油・鉄鉱石・天然ガスなどの化石燃料が眠っています。世界の砂漠は南北両半球の亜熱帯高圧帯に分布しているのですが、サハラ砂漠も例外ではありません。
ことサハラ砂漠はアゾレス高気圧に年中覆われており、砂漠化と緑化を繰り返しているのが特徴です。大陸の西側に山脈がないこと、東側のタクラマカン高気圧と連動していることがアラビア半島からタール砂漠に連なる他に類を見ない巨大な砂漠帯を作り出しました。中央部に至っては年間を通じて滅多に雨が降らず、動植物のいない赤茶けた極乾燥地域が続くだけ。周囲には1ヶ月前後の雨季がある乾燥地域が続き、さらにその周辺に3ヶ月程度の雨季がある半砂漠のステップ地域が続いています。
ちなみに、雨が降るとワーディーと呼ばれる涸れ川を流れますが、すぐ地下に浸透・蒸発します。まさに生命が活きていくにはあまりにも過酷な不毛の地と言えるわけです。



モロッコを訪れるならサハラ砂漠は外せないね!



カサブランカを拠点にするなら個人で行くのもツアーで行くのもおすすめだよ!
2.サハラ砂漠の観光情報


次にサハラ砂漠の観光情報を見ていきましょう。
2-1.予算
- 個人:数千円~1万円
- ツアー:1万円~3万円
- 予算総額:15万円~45万円
個人は自分での手配、ツアーは旅行会社での代行、予算総額はモロッコ旅行全体(移動費・宿泊費・飲食費・観光費)にかかる目安となります。入場料はかかりません。
2-2.時間
- 営業時間:24時間
- 所要時間:1時間~2時間
- 必要期間:7日~15日
営業時間は開店から閉店、所要時間は到着から出発、必要期間は出国から帰国までにかかる目安となります。
2-3.場所
- 場所:モロッコ/メルズーガ
- 住所:Merzouga, Morocco
- 行き方:タクシー/レンタカー/徒歩/ツアー
- タクシー:8時間~8時間30分
- レンタカー:8時間~8時間30分
- タクシー:30分~1時間
- レンタカー:30分~1時間
- 徒歩:5分~10分
場所と住所は所在地の目安となります。行き方は「カサブランカ⇒サハラ砂漠」への一例であり、他の方法でもアクセスできます。直接向かうなら飛行機もしくは現地発着のツアーがおすすめです。
2-4.気候
- 1月~3月:寒くて晴れやすい気候
- 4月~6月:やや暑くて晴れやすい気候
- 7月~9月:暑くて晴れやすい気候
- 10月~12月:やや寒くて晴れやすい気候
- ベストシーズン:2月~4月/10月~11月
平均 | 最高気温 | 最低気温 | 降水量 |
1月 | 17℃ | 3℃ | 0mm |
2月 | 20℃ | 5℃ | 5mm |
3月 | 24℃ | 8℃ | 0mm |
4月 | 27℃ | 11℃ | 0mm |
5月 | 32℃ | 15℃ | 0mm |
6月 | 38℃ | 20℃ | 0mm |
7月 | 41℃ | 23℃ | 0mm |
8月 | 41℃ | 22℃ | 0mm |
9月 | 35℃ | 20℃ | 5mm |
10月 | 27℃ | 14℃ | 10mm |
11月 | 22℃ | 10℃ | 5mm |
12月 | 18℃ | 5℃ | 0mm |
2-5.服装
- 1月~3月:厚手の服装
- 4月~6月:体温調節できる服装
- 7月~9月:薄手の服装
- 10月~12月:体温調節できる服装
- 持ち物:歩きやすい靴
2-6.治安
- やや悪い
モロッコは総じて治安が悪く、旅の拠点となるカサブランカも治安不良です。
2-7.注意点
- 拠点からの立地
- 朝晩の寒暖差
- 砂嵐による被害
2-7-1.拠点からの立地
サハラ砂漠は日帰りで観光可能です。ただ、カサブランカから片道8時間35分~9時間40分ほど、往復17時間10分~19時間20分ほどかかります。観光時間を含めると半日~終日はかかるので、余裕のある日程を組みましょう。
2-7-2.朝晩の寒暖差
サハラ砂漠は朝晩の寒暖差が激しいです。昼と夜の気温差が20℃を超える日もあるなど、気象条件によっては非常に過酷な環境となります。訪れる場合は、防寒着と防暑着の両方をご持参ください。
2-7-3.砂嵐による被害
サハラ砂漠は砂嵐による被害があります。カメラやスマホに砂が入り込んだり健康被害に繋がったりと、天候によっては観光するだけでも一苦労です。散策する場合は、スカーフで顔や本体を覆えるようにしておきましょう。



観光情報は変更となる場合があることを加味しておきたいね。



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3.サハラ砂漠の見どころ
ここからはサハラ砂漠の見どころをまとめます。


3-1.夜空
おすすめ度:
星屑が煌めく星空。


3-2.砂丘
おすすめ度:
黄金色に染まる大砂丘。


3-3.朝日
おすすめ度:
金一色の砂の絨毯。
サハラ砂漠は夜空や砂丘、朝日など見どころ満載です。
砂漠観光の玄関口エルフードからメルズーガ村まで移動すると目に入るのが、何層にも重なった砂丘です。果てしなく連なる砂丘はアラビア語で「エルグ」と呼ばれ、東部・西部にそれぞれ大砂丘が点在しています。ただ、サハラ砂漠の大砂丘は総面積の約15%ほどで、他は平坦な砂漠が延々続くのみで幻想的かつ神秘的な砂丘が見られるのは一部だけ……!
ゆえに、モロッコでサハラ砂漠を見学するとなると砂漠の宿「オーベルジュヤスミナ」に宿泊するツアーに参加するのが定番と言えるでしょう。
なお、ツアー会社によっては砂漠でキャンプやドライブをしたり、サンライズやサンセットを観察したり、星空を鑑賞したりラクダに乗ったり、大砂丘を散歩したりするツアーも出ています。特にシェビ砂丘が朝焼けや夕焼けでオレンジ色に染まる姿は必見。まだ誰も踏んでいない砂に自らの足跡を残す体験も、砂漠でしか味わうことのできない極上の体験です。
ぜひ、モロッコの朝日と夜空が描く砂漠の二面性を覗いてみてはいかがでしょうか?
ただ、サハラ砂漠は朝晩の寒暖差が顕著で、日中は日陰でも50℃を上回ることがあるのに対して、夜中は急速に熱を放出する影響で10℃を下回ることもあったりなかったり。条件が揃うと氷点下になることもあるほど寒暖差が激しいからこそ、滞在中は準備を怠らないように!



サハラ砂漠では夜空と砂丘、朝日が目玉!



個人的には波打つように果てしなく続く砂丘がおすすめ!
4.サハラ砂漠の体験談
最後に管理人が2018年10月に訪れたサハラ砂漠の体験談を記しておきます。等身大の海外旅行記としてお楽しみください。





サハラ砂漠に到着!目の前に広がるは天の川銀河と世界最大の砂漠!



雪の山道を超えて砂漠の玄関口エルフードに入り、さらにオアシスがあるメルズーガ村までの移動……しんどかった。



ミイラのように眠ってた。眠って眠って眠り続けた先にこの星空だもの。



そこはもう夜空というより、宇宙だった。





今夜の滞在先、ホテルオーベルジュヤスミナ。



アラビアンナイトっぽい雰囲気が最高!部屋もムード満点でドラクエとかに出てくる砂漠の宿って感じだった!



ここはサハラ砂漠を訪れる人のために作られたホテルで、各部屋2階建てで屋上から星空を眺められるんだよね。



そんな贅沢な体験ができるなんて素敵。







サハラ砂漠の夜空を見つめながら1人、“砂の海”に腰掛ける。



真っ暗だけど星がキラキラしてて明るく感じるね。



……子供の頃、こうやって砂漠を旅するのが夢だった。それが大人になって実現するなんて夢にも思わなかったよ。



……今まさに夢の中にいるんだ。





サハラ砂漠の空を流れる“星の川”。いや、“星の海”って言葉の方が似合うか。無数の星々が浮かんで宇宙ができてる。



モロッコに来られて良かった。



初めて本格的な星空撮影にも挑戦。一眼レフ固定してレンズは無望遠、シャッター開いて露光時間15秒、ISO感度3200~6400。



宝石を散りばめたような夜空。シャッター音しか聞こえないくらい静か。





天の川の中にある無数の星々、遥か彼方まで続く銀河の光。五感で感じるとはまさにこのことさ。



その後、しばらく砂の上に座りながら星空をただただ眺めてた……瞳の中に星が流れ込んでくるほどに。



広大なサハラ砂漠よりももっと広大な宇宙。系外惑星の遥か先まで見えそうなほど澄んだ空にただただ呆然。



真っ暗なのになぜか落ち着く。何も聞こえない静寂の夜。心臓に沈殿した毒が流れ星と一緒に黒いキャンパスに溶けてく感じ。



流れた星に「もっともっと旅ができますように」って願っといたよ。



もっともっと夜が深くなるまで座ってたら、星の王子様も降ってくるかもしれないね。





……そして夜が明けた!



昨日は真っ暗で砂丘のシルエットがわからなかったけど、太陽が差し込むだけで印象がガラッと変わるよね。



今日はベルベル人ガイドさんと砂丘を歩く予定。



……砂漠の大冒険ってこと?





砂漠だ!砂漠だ!わっしょい!わっしょい!



また柄にもないことを……。



ふぅ、僕だってやりたくてやってるわけじゃ……。



え?ノリノリに見えたけど!





決してやりたくてやってるわけでは……。



いや!ノリノリやん!



だって、ベルベル人ガイドさんのノリが良いからつい……気づけば心の兄弟になっちゃってたよね。



ノリで兄弟の契り交わすな!劉備・関羽・張飛に怒られろ!



ここタクラマカン砂漠じゃねぇから!



え?今何の件で怒られてるの?







日の出まで横になったり縦になったりして写真を撮るよ。



本当、地平線の先まで砂漠だねぇ。



アフリカ大陸の3分の1、アメリカとほとんど同じ面積って言われることもあって果てしないよね。



距離は南北に約1,700km、面積は約1,000万km²ほどある“砂漠の大海原”。





砂丘から顔を覗かせるご来光がもう絶景すぎて。



今まさに砂漠のど真ん中にいると思うと不思議な感覚だよね。目の前の光景が現実じゃないように思えてくる。



サハラ砂漠は死ぬ前に一度は見たかったから、もう感動しかない。



黄色に染まる空と波打つ砂丘……これぞまさに大地の神秘!





風が作った風紋、みんなが残した足跡すら味がある。



幻想の中を遭難してるような、そんな気分になるよね。



さながら地球と人間が織りなすサンドアート。僕も描いちゃおうかな、マイホームの設計図。



やけに具体的!夢を描くならもっと抽象的なもので良いんじゃない?







丸あげちゃう!ついでにガイドさんと「E.T.」のポーズしちゃう!



また古いSF映画引っ張り出してきたね。



日本人とベルベル人が指先で以心伝心する。モロッコ旅でホームシックになりかけてたけど、もう孤独じゃない。



目を覚まして!私たちのホームは日本だよ。





何かの痕跡を発見……追いかけてみよう。



フンコロガシか何かかな?



新種の生物かもしれない。



ロマンあるけど、たぶんただの虫か何かだと思う。





……黄金の絨毯が敷かれてる。



朝日が差し込んで金色に染まる砂丘がもう美しすぎて……。



今にも爆発しそうな太陽に照らされて真っ黒になったラクダのキャラバンも絵になるね。本当に絵なんじゃないかと思えてくるよ。



綺麗とかそんな言葉じゃ足りない。





旅人の痕跡が刻まれた黄金の絨毯に座ってしばらく眺めてみる。



金色の砂煙が舞うサハラ砂漠、ずっと見てられるよ。



聞くところによるとここまで美しい砂丘が見られるのはサハラ砂漠でも極一部の場所だけみたい。



いわゆる砂砂漠はちょっとしかなくてほぼ岩石砂漠らしいね。





もう奇跡じゃん。この場所にいられるだけで。



足で踏むとふわっとするんだけど、手で持つともっとふわっとする。例えるなら“粉末状にした絹”みたい。



もしかしたら魔法の絨毯の原料はサハラ砂漠の砂なのかも。ただ、風紋を崩すのがもったいない。



風紋は1日で元通りになるらしいから大丈夫さ。







……永遠にここに座っていたい。



昨日は寒かったけど、今日は太陽のおかげもあってか暖かくなってきたね。気温もどんどん上がるっぽいよ。



昼間のサハラ砂漠は50℃を超えることがあるっぽい。



油断すると普通に死んじゃう!





こ、これは……トビウサギか何かの巣かな。



トビウサギの巣かどうかはわからないけど、砂漠に生息する何らかの動物の巣穴だと思う。



手とか突っ込んだらやばいかな?



やめとこ。何の巣かわからないし。







聞くところによるとサハラ砂漠全体の人口は約2,500万人もいるみたいよ。



砂漠って人が生きていけない場所だと思ってたけど、意外といるんだ。



モロッコだけじゃなくてアルジェリアやエジプト、モーリタニアやリビアに住んでる人も含まれるらしいけどね。



ちなみに、ベルベル人はサハラ砂漠のツアーガイドとして働いてるの他に農業や遊牧で暮らしてる人がいるっぽい。





さっきの痕跡の犯人はお前かぁ!!!



こんな不毛の地にも生き物がいるのすごくない?



すごい!そして何より逞しい!



何を栄養にしてるんだろう?





サハラ砂漠……何枚写真撮っても飽きないや。



金色のキャンパスに映るシルエットがおしゃれ。



もう何枚撮ったかわからない。



後は記憶に焼き付けて帰ろうよ。



なお、砂漠ツアーはそろそろ終わりの模様。



本当に素晴らしかった、サハラ砂漠。まだまだ見てたいけど、さすがにずっと見てるわけにはいかないからね。





砂漠を抜ける道路沿いにはラクダのモロッコ国旗があった。



モロッコの国旗は、国民の祖とされるアラウィー家を表す赤、イスラム伝統色の緑で描かれた五芒星で構成されてるのが特徴。



ガイドさん曰く、神の加護と国の安寧、繁栄を象徴してるとのこと。



もともと17世紀は赤一色の国旗だったんだけど、1912年になって緑色の星が追加されたんだとか。





なんか井戸っぽいのがあるよ。



砂漠じゃ水を確保できるかどうかが運命の分かれ道だからね。でもこれ、本当に井戸なのかな?



工事現場っぽくも見えるよね。イオンでもできるのかな?



……できてたまるか!



だってイオン、どこにでもあるから。あっ、なんかイオンウォーター飲みたくなってきた。



イオンウォーターのイオン、そっちのイオンじゃないから。



砂漠に行くなら?イオンウォーター!



……CMっぽくなっちゃった!
5.まとめ
今回はモロッコにあるサハラ砂漠の観光情報、夜空や砂丘や朝日の見どころをまとめました。
海外旅行でモロッコを訪れるならサハラ砂漠がおすすめです。中でも夜空や砂丘や朝日は見どころ満載なので、機会があればぜひ訪れてみてください。