モロッコで知らない人はいない世界遺産の古都、それがラバトです。そこは堅牢な城塞に覆われた古代都市で、アラビアンな雰囲気とヨーロピアンな雰囲気が混在するパラレル都市……旧市街・新市街いずれも世界遺産に登録されている貴重な観光スポットです。
今回はモロッコにあるラバトの観光情報をまとめます。ここでは概要・予算・時間・場所・気候・服装・治安・注意点の他、実際に訪れた管理人が厳選した見どころも紹介します。記事の最後には体験談もあるので、ぜひ海外旅行の計画にお役立てください。
ラバトは過去と未来の建築様式が融合した要塞都市!
この記事では「モロッコにあるラバトの観光情報」「ウダイヤのカスバやハッサンの塔の見どころ」をまとめるよ!
1.ラバトの概要
まずはラバトの概要を見ていきましょう。
- 国:モロッコ
- 地域:ラバト
- 特徴:世界遺産/町/レジャー
- 目玉:ウダイヤのカスバ/ハッサンの塔
- 方法:個人/ツアー
- おすすめ度:
ラバトはアラビアンかつヨーロピアンな街並みの残る古都で、砂色の要塞に覆われた古代から続く城塞都市です。そこはヨーロッパ・中東の建築様式が入り混じる町で、モロッコの世界遺産として知られる場所……時代のうねりを肉眼で見られる観光スポットとして知られています。
「庭園都市」と称されるラバトは、堅牢な城壁・城門に囲まれた街並みが特徴で、旧市街・新市街ともに世界遺産に登録されている希有な都市。
中心市街地の北側を占める旧市街は、12世紀にアフリカ北部に興ったムワッヒド朝によって築かれたアラブ系の町で、狭く入り組んだ道の両側にありとあらゆる店がひしめき合っています。海側には17世紀に建設されたウダイヤのカスバが佇んでおり、敷地内には「アンダルシア庭園の傑作」と呼ばれ、スペインのアルハンブラ宮殿を彷彿とさせるウダイヤ庭園が人気を集めています。
一方、隣り合うように南側に広がる新市街は、フランスの統治下にあった20世紀に西洋人の手によって作られたヨーロッパ系の町で、ヤシ並木が続く通りの両脇に近代建築が立ち並んでいるのが特徴です。フランスのおしゃれな街角と見紛う路地を抜けると、ランドマークのムハンマド5世廟がお出迎え。12世紀から未完のまま取り残されているハッサンの塔が聳え立つなど、イスラムの一面が見られることでも有名です。
アフリカの地でアラビアン&ヨーロピアンな世界の両方に触れられるラバトは、複数の文化・歴史が交錯するパラレル都市……ロマンしかありません!
モロッコを訪れるならラバトは外せないね!
カサブランカを拠点にするなら個人で行くのもツアーで行くのもおすすめだよ!
2.ラバトの観光情報
次にラバトの観光情報を見ていきましょう。
2-1.予算
- 個人:数千円~1万円
- ツアー:1万円~3万円
- 予算総額:15万円~45万円
個人は自分での手配、ツアーは旅行会社での代行、予算総額はモロッコ旅行全体(移動費・宿泊費・飲食費・観光費)にかかる目安となります。入場料はかかりません。
2-2.時間
- 営業時間:24時間
- 所要時間:2時間~3時間
- 必要期間:7日~15日
営業時間は開店から閉店、所要時間は到着から出発、必要期間は出国から帰国までにかかる目安となります。
2-3.場所
- 場所:モロッコ/ラバト
- 住所:Boulevard de la Corniche, Casablanca 20000, Morocco
- 行き方:電車/バス/タクシー/レンタカー/ツアー
- 電車:1時間~1時間30分
- バス:1時間~1時間30分
- タクシー:1時間~1時間30分
- レンタカー:1時間~1時間30分
場所と住所は所在地の目安となります。行き方は「カサブランカ⇒ラバト」への一例であり、他の方法でもアクセスできます。直接向かうなら現地発着のツアーがおすすめです。
2-4.気候
- 1月~3月:やや寒くて晴れやすい気候
- 4月~6月:やや暑くて晴れやすい気候
- 7月~9月:やや暑くて晴れやすい気候
- 10月~12月:やや寒くて晴れやすい気候
- ベストシーズン:4月~11月
平均 | 最高気温 | 最低気温 | 降水量 |
1月 | 18℃ | 8℃ | 90mm |
2月 | 19℃ | 9℃ | 60mm |
3月 | 21℃ | 10℃ | 60mm |
4月 | 22℃ | 11℃ | 55mm |
5月 | 24℃ | 13℃ | 20mm |
6月 | 26℃ | 16℃ | 5mm |
7月 | 28℃ | 18℃ | 0mm |
8月 | 28℃ | 19℃ | 5mm |
9月 | 27℃ | 17℃ | 5mm |
10月 | 25℃ | 15℃ | 45mm |
11月 | 22℃ | 11℃ | 70mm |
12月 | 19℃ | 9℃ | 90mm |
2-5.服装
- 1月~3月:厚手の服装
- 4月~6月:体温調節できる服装
- 7月~9月:体温調節できる服装
- 10月~12月:厚手の服装
- 持ち物:歩きやすい靴
2-6.治安
- やや悪い
モロッコは総じて治安が悪く、旅の拠点となるカサブランカも治安不良です。
2-7.注意点
- 街中での迷子
2-7-1.街中での迷子
ラバトの周辺では美しい街並みを歩くウォーキングツアーをはじめ美味しいグルメや楽しいショッピングが体験できますが、街中での迷子には気を付けたいです。トラブルが発生したりパニックを誘発したりすると取り返しのつかない事態になるので、街中ではコーディネーターの指示に従いましょう。
観光情報は変更となる場合があることを加味しておきたいね。
Googleマップの口コミを参考にするのもおすすめかも!
3.ラバトの見どころ
ここからはラバトの見どころをまとめます。
3-1.ウダイヤのカスバ
おすすめ度:
攻守に優れた堅牢な城。
3-2.ハッサンの塔
おすすめ度:
未完成のミナレット。
ラバトはウダイヤのカスバやハッサンの塔など見どころ満載です。
ウダイヤのカスバは17世紀にムーレイ・ラシッドが建設した城塞で、見張り用の歩道を持つ城壁と敵からの襲撃に耐えられる堅牢な城門に囲われた場所。砂色の壁が囲う敷地内には庭園や博物館があり、単なる要塞としてだけでなく、宗教施設や住居の側面も担っていた場所として知られています。
ハッサンの塔は建造中の1198年にムワッヒド朝の君主ヤークブ・マンスールが亡くなったため、未完のまま残されたムーア様式の尖塔です。当初は高さ約88mにまで到達する予定でしたが、半分の44mで工事が停止しており、現在はミナレットだけが残されている状態。当時すでに世界最大級の高さを誇っていたものの、もし完成していたら世界一の高さになっていたかもしれない貴重なモスク遺跡と言えるでしょう。
なお、反対側にはムハンマド5世廟があり、観光客・旅行者にも一般公開されています。
ムハンマド5世の霊廟は1971年にベトナム人のコン・ヴォ・トアンが設計した場所で、1961年のムハンマド5世の崩御後、国王に即位したハサン2世の命令により、1962年から1971年にかけて作られたものです。2012年には「近代的首都と歴史的都市をあわせもつ遺産ラバト」として世界文化遺産に登録され、ムハンマド5世の2人の息子であるハサン2世とアブダラーが収められています。真っ白な大理石とピラミット型の緑色の屋根を持つ姿は必見……パキスタン産のオニキス、金箔、大理石で彩られた姿に加え、カラフルなモザイクのゼリージュに覆われた姿など、見どころは尽きません。
中を照らす金色のシャンデリアも見逃せません。
ラバトではウダイヤのカスバとハッサンの塔が目玉!
個人的にはムハンマド5世の霊廟に隣接されているハッサンの塔がおすすめ!
4.ラバトの体験談
最後に管理人が2018年10月に訪れたラバトの体験談を記しておきます。等身大の海外旅行記としてお楽しみください。
ラバトに到着!ラバトはかつて城塞だった町で、モロッコがフランスの保護領だった時代に建設された都市。
20世紀に作られた都市の中ではアフリカ最大級の規模だけど、歴史は相当古いみたいね!
紀元前3世紀頃のネクロポリスが残ってて、ローマ帝国時代にはサラコロニアと呼ばれてたらしいよ!
12世紀のムワッヒド朝時代に改築されて、初めてラバトって名前が付けられたんだってさ。
その後この場所は首都となり、要塞としてウダイヤのカスバが作られたとのこと。
なんだか映画の中のような話だよね。
今は肉球の音色が溶け込む平和な場所……って思ったけど、なんか大砲のようなものない?
道の両脇にそれっぽいのがあるよね、さすがは要塞都市ラバト。
中は武器だらけの本丸になって……いるのかと思いきや、庭園が広がってて砂漠のオアシスのようになってた!
ウダイヤに限らず、カスバは時代によって宗教施設として使用されたり住居として利用されたり……色んな一面があるのさ。
取り囲うように立つ壁に窓はなく無数の穴が空いてるところを見ると、攻撃・防御の両面で優秀だったことがわかるね。
のどかな日常の裏に見え隠れする戦火の跡。
砂色の痕跡を追いながら歩くと、本当にタイムスリップしてしまったのではないかと疑っちゃう。
ここはさながらタイムトンネル。時空の狭間を覗ける場所なのかも。
乗り継ぎからそのまま観光というハードな1日だった。もう何もしたくない、何もできない……働きたくない。
最後だけ願望が混ざってない?
そりゃね、働かなくていいなら働かないよね!
ただの現実逃避で旅してる人みたいなこと言ってる!
ある意味そうなのかもしれない。でも、旅してると不思議とまた仕事したくなるんだよね。
ちょっとわかる気がする。誰かに必要とされるのが嬉しいからつい仕事しちゃうんだよね……って真面目に語ってしまった!
たまにはマジトーンで話す異国の夜ってのも乙じゃない?
それもそっか……よし、このままオールだ!
世界遺産ラバトの朝焼け。どっしりとした雨雲が空を覆い、なんだか雨が降りそ……いや、ってかもう降った後!
いつも海外旅行は晴れるんだけど、今日は小雨。
やってきたのはモロッコの国王として知られるムハンマド5世廟……の対面にあるハッサンの塔。
かつて世界最大級のモスクを作ろうとしたものの、王の死によって頓挫したムハンマド5世の霊廟。
そうそう!計画が途中で中止になったから中途半端な塔だけが残る形になったんだよね。
この規模のモスクが完成してたらアラブのシェイクザイードグランドモスクやトルコのスルタンアフメトモスクを凌ぐ規模だったかも。
完成形が見たかった!でも、残されたハッサンの塔だけでも見応えは十分。
ムハンマド5世の力なのか、雨雲も消えたよ!
“天気の子”ならぬ“天気の王”だね。
いつの間にか雨雲も散り、濡れたモスク遺跡だけがポツン。
雨は嫌いだけど雨上がりは好き。
わかる!雨が抜けた後の空気がひんやりする感じ、たまらないよね。
おっと、こんなところに水も滴る良い男。
……ってより陳腐な武器商人のような胡散臭さが漂ってる。
いや、これは雨の匂いだから!決して僕が臭いわけじゃないから!
そっちの臭さじゃない……ってか単に傘忘れただけでしょ。
一眼レフも服もびちゃびちゃだけど、大丈夫!なぜならここはムハンマド5世のバリアによって守られてる場所だから!
関係ない気がするけど、青空も見えてきたし、まぁいいか!
写真は撮ってないけど、ハッサンの塔の向かい側にある1971年完成のムハンマド5世廟も迫力満点だった。
大広間の中央に鎮座するムハンマド5世の霊廟は必見。新旧入り混じる世界遺産ラバト……見どころ満点だった!
雨上がりに虹……とんだご褒美だぜ。
なんてことない場所でも虹がかかれば一気に映えるよね。
……これはモロッコが歓迎してくれてるってことで良いかな?
良いんじゃない?これから向かうシャウエンも晴れてたら最高だよね。
ずっと憧れてた青い町シャフシャウエン……楽しみすぎて目から雨が出ちゃいそう。
そこは虹であれ!
5.まとめ
今回はモロッコにあるラバトの観光情報、ウダイヤのカスバやハッサンの塔の見どころをまとめました。
海外旅行でモロッコを訪れるならラバトがおすすめです。中でもウダイヤのカスバやハッサンの塔は見どころ満載なので、機会があればぜひ訪れてみてください。