アイスランドで……いや、世界で最も美しい氷に覆われた洞窟、それが氷の洞窟です。毎年、再生と崩壊を繰り返す氷の洞窟は幻想的かつ神秘的な絶景が見られることで知られ、世界中の写真家を魅了してやみません。そこは誰もが心奪われる“幻の洞窟”……青の世界に魅せられる観光スポットです。
今回はアイスランドにある氷の洞窟の観光情報をまとめます。ここでは概要・予算・時間・場所・気候・服装・治安・注意点の他、実際に訪れた管理人が厳選した見どころも紹介します。記事の最後には体験談もあるので、ぜひ海外旅行の計画にお役立てください。

氷の洞窟は世界にたった1つしか存在し得ない“幻の洞窟”!



この記事では「アイスランドにある氷の洞窟の観光情報」「アイスケーブやスーパーブルーの見どころ」をまとめるよ!
1.氷の洞窟の概要


まずは氷の洞窟の概要を見ていきましょう。
- 国:アイスランド
- 地域:南部
- 特徴:洞窟/レジャー
- 目玉:アイスケーブ/スーパーブルー
- 方法:個人/ツアー
- おすすめ度:
氷の洞窟は、美しく儚い氷が生まれては滅ぶ不死鳥のような洞窟です。一部のメディアで「神の洞窟」と紹介され、英語でアイスケーブ、敬称でスーパーブルーと呼ばれる場所となっています。そこは世界に2つとて同じものはない純度100%の氷の空間……眼前で燦然と輝く青に魅せられる観光スポットと言えるでしょう。
アイスランドにある洞窟は氷河によって形成されるものと永久凍土が残っているものの2種類あり、永久凍土が残っている岩の洞窟は1年中訪れることができますが、氷河によって形成される氷の洞窟は11月前半~3月後半の間しか訪れられません。
しかも、古い氷の洞窟は時を経ると崩れ、新たな氷の洞窟として生まれ変わるので、一度見逃すと二度と同じものは見られない……まさに煌めきに満ちた“幻の洞窟”と言えるでしょう。
氷の洞窟は常にゆっくりと移動している氷河に隙間ができることで生まれ、ヴァトナヨークトル国立公園やスカフタフェットル国立公園で毎年ツアーが行われています。他にも氷の洞窟はミールダルスヨークトル氷河やラングヨークトル氷河、ペルトランで見学可能。再生と崩壊を繰り返すがゆえに、切なくも生命力溢れる絶景に感動すること間違いなしです。



アイスランドを訪れるなら氷の洞窟は外せないね!



レイキャビクを拠点にするなら個人で行くのもツアーで行くのもおすすめだよ!
2.氷の洞窟の観光情報


次に氷の洞窟の観光情報を見ていきましょう。
2-1.予算
- 個人:数千円~1万円
- ツアー:1万円~3万円
- 予算総額:10万円~30万円
個人は自分での手配、ツアーは旅行会社での代行、予算総額はアイスランド旅行全体(移動費・宿泊費・飲食費・観光費)にかかる目安となります。入場料は変動するので直近の情報を調べておくと安心です。
2-2.時間
- 営業時間:ガイドの判断
- 所要時間:ガイドの判断
- 必要期間:5日~15日
営業時間は開店から閉店、所要時間は到着から出発、必要期間は出国から帰国までにかかる目安となります。
2-3.場所
- 場所:アイスランド/スカフタフェル
- 住所:785 Skaftafell, Iceland
- 行き方:タクシー/レンタカー/ツアー
- タクシー:4時間~4時間30分
- レンタカー:4時間~4時間30分
場所と住所は所在地の目安となります。行き方は「レイキャビク⇒氷の洞窟」への一例であり、他の方法でもアクセスできます。直接向かうなら現地発着のツアーがおすすめです。
2-4.気候
- 1月~3月:寒くてやや雨が降りやすい気候
- 4月~6月:やや寒くてやや雨が降りやすい気候
- 7月~9月:やや寒くてやや雨が降りやすい気候
- 10月~12月:寒くてやや雨が降りやすい気候
- ベストシーズン:6月~9月
平均 | 最高気温 | 最低気温 | 降水量 |
1月 | 3℃ | -2℃ | 175mm |
2月 | 3℃ | -1℃ | 155mm |
3月 | 4℃ | -1℃ | 130mm |
4月 | 6℃ | 1℃ | 100mm |
5月 | 9℃ | 4℃ | 75mm |
6月 | 12℃ | 7℃ | 75mm |
7月 | 13℃ | 8℃ | 80mm |
8月 | 13℃ | 8℃ | 110mm |
9月 | 11℃ | 6℃ | 155mm |
10月 | 7℃ | 3℃ | 175mm |
11月 | 5℃ | 0℃ | 160mm |
12月 | 3℃ | -2℃ | 160mm |
2-5.服装
- 1月~3月:厚手の服装
- 4月~6月:厚手の服装
- 7月~9月:厚手の服装
- 10月~12月:厚手の服装
- 持ち物:歩きやすい靴
2-6.治安
- やや良い
アイスランドは総じて治安が良く、旅の拠点となるレイキャビクも治安良好です。
2-7.注意点
- 拠点からの立地
- 周辺の商業施設
- ガイドの同行が必須
- 限られた滞在時間
- 崩落による事故
- 年齢制限の有無
2-7-1.拠点からの立地
氷の洞窟は日帰りで観光可能です。ただ、レイキャビクから片道4時間~4時間30分ほど、往復8時間~9時間ほどかかります。観光時間を含めると半日~終日はかかるので、余裕のある日程を組みましょう。
2-7-2.周辺の商業施設
氷の洞窟の付近には目立った商業施設がありません。周辺にはトイレこそあるものの飲食店や宿泊施設はなく、ギフトショップもコンビニもスーパーもありません。そのため、買い出しは最寄りの町で済ませておきたいです。
2-7-3.ガイドの同行が必須
氷の洞窟に行くには、ガイドの同行が必須です。アイスランドでは、毎年いくつか氷の洞窟が出現すると同時に消滅するものもあり、素人だけでの観光は危険を伴います。必ずツアーに申し込み、ガイドの指示に従って散策を行ってください。
2-7-4.限られた滞在時間
氷の洞窟では、ガイドの判断で滞在時間が前後します。タイミングによってはツアーが中止になることもあるため、運に恵まれないと見学はできません。当日になるまで入場できるかはガイドもわからないので、特定の条件を引き当てる強運が必要です。
2-7-5.崩落による事故
氷の洞窟では、2024年8月に参加者1名が犠牲になる崩落事故が発生しています。ツアーは常に万全の状態で行われているものの、自然が相手ゆえに何があるかはわかりません。コンディションが良好でも油断せず、常に安全な行動を心がけることが鉄則です。
2-7-6.年齢制限の有無
アイスランドで行われている氷の洞窟ツアーに限らず、岩の洞窟ツアーなどでは年齢制限が設けられています。ツアーの内容によってはアイゼンやヘルメットだけでなく、ハーネスの装着が求められることもあるからこそ、参加するツアーのレンタル品についても確認しておきたいです。



観光情報は変更となる場合があることを加味しておきたいね。



Googleマップの口コミを参考にするのもおすすめかも!
3.氷の洞窟の見どころ
ここからは氷の洞窟の見どころをまとめます。


3-1.アイスケーブ
おすすめ度:
光を透過する青い洞窟。


3-2.スーパーブルー
おすすめ度:
天を覆い尽くす青い光。
氷の洞窟はアイスケーブやスーパーブルーなど見どころ満載です。
“青い宇宙”に“青い銀河”、はたまた“青い宝石”に“青い星屑”、果ては“青い流星群”……形容する言葉がいくつも浮かんでくるほど美しいこの場所は、氷の洞窟を表すアイスケーブもしくは氷河の色を指すスーパーブルーと呼ばれます。
その光景は「一生に一度は訪れたい絶景」「死ぬまでに一度は見たい絶景」と絶賛されるほど。
アイスケーブに太陽光が差し込むと、青だけが透過して純度100%のスーパーブルーを放つ……なぜ真っ青になるのかは諸説ありますが、氷河に降り積もった雪が果てしない年月をかけて圧縮されることで中の空気が抜け、高密度の氷になるためとされています。例えるなら、青だけを通すフィルターがかかっている状態です。
凝縮された氷は抜群の透明度を誇り、太陽光が乱反射されることで鮮やかな青に見えます。
一際美しい青を放つ氷の洞窟に対しては、“ブルーダイヤモンド”と例えるガイドもいるほどです。
なお、オーロラのような発色を見るなら、11月後半~3月前半の間がベストシーズン。アイスランドでは夏でも氷の洞窟を見られる場所はあるものの、氷の洞窟が崩れにくい冬がマストと言えるでしょう。
一部、アイスランドでは氷の洞窟ではなく溶岩の洞窟もあるため、より冒険してみたい人はツアーに申し込んでみてはいかがでしょうか。よく知られたところだとヴァッツヘトリル洞窟・ヴィズゲルミルの洞窟・ギャバッカヘトリル洞窟・スリーフヌカギグル洞窟・ブーリ洞窟・マリウヘトラル洞窟・レイザルエンディ洞窟・ロイヴァルホルスヘトリル洞窟・ロフトヘトリル洞窟などがあるので、ぜひ冒険の旅に出かけてみてください。
マグマによって形成された洞窟……地球の深淵を覗いてみましょう!



氷の洞窟ではアイスケーブとスーパーブルーが目玉!



個人的にはスーパーブルーがおすすめ!
4.氷の洞窟の体験談
最後に管理人が2016年11月に訪れた氷の洞窟の体験談を記しておきます。等身大の海外旅行記としてお楽しみください。





氷の洞窟に到着?いや、ただの雪野原だった!



今から向かうのは数ある絶景の中でもまた異質、一瞬にして心を奪われる甘美なまでの氷の世界。その名も氷の洞窟!



アイスランドに来た目的の一つだよね。



“世界で最も美しい氷”が見られる場所だけに期待も高まっちゃう。



見学できるのはツアー参加者のみで、毎年発見されたものの中で許可が出たところだけ入場できる文字通りの“幻の洞窟”。



ガイドの同行必須で、運にも左右される超難関ミッション。



夏は氷が崩れやすいため、出入りできるのは冬の間だけ……そもそも見られるかどうかもわからない大博打。



ただ、空を見る限りコンディションは最高!ここまで来て見逃せない!これを見るために世界の果てまでやってきたんだから!





……こ、ここは月面か何か?!



氷に覆われたクレーターは人間を拒絶するでこぼこ道。首が上下左右に揺れて、気を抜いたら折れちゃいそう。



いよいよ、冒険らしくなってきたじゃない。



こりゃ確かにガイドさんがいないと無理だ。





月の表面から見る朝明け。ロケットに乗らなくても来れる月。こんな景色を見てたら息をするのも忘れてしまう。



未知の惑星に降り立ったかのような風景だよね。



……本当にここ、地球なのかな?



遥か向こうまで続く静寂の氷河に響くのは、心臓と吐息の音だけ。もうこの絶景だけでアイスランドに来た価値があると思う。





鬼灯色に染まる火と氷の国。アイスランドでは、奇跡のような絶景が目の中とめどなく飛び込んでくる。



こんなに神々しい朝日はたぶん見たことない。



今まで世界各地で見てきた絶景が霞んでしまうほど。



気分はアームストロング、いや、ガガーリン?今なら言えちゃいそう……地球は赤かったって!笑





どうやらあるみたい、ここに。



ガイドさんにアイゼンとヘルメットを渡されて装着。世界中から集まってきた氷愛好家と一緒に洞窟へと足を踏み入れる。



毎年、ガイドさんが探し出して安全を確保できるところだけ立ち入りが許される氷の洞窟。期待で早足になる。



……ザクッザクッと氷に軋む足音が心地いい。



中に入る前に装備を確認!防水加工のアウターとインナー、登山靴、ニット帽、マフラー……全部OK!



ふわっふわの羽毛もOK!





すでにやばい、超綺麗。



氷の洞窟は再生と崩壊を繰り返す不老不死の秘境。“不死鳥”ならぬ“不死氷”の洞窟で、姿形が毎年変わる……ゆえに美しさは未知数。



同じものは世界に2つとない。



世界中を探したってこの洞窟は絶対に見つけられない。この日、この時間、この場所でしか見られない洞窟なんだよね。





……目の前には青の燦然世界。なんだこの青さは。



彩度の関係で鮮やかすぎる写真になってるけど、肉眼でも相当青い。



青すぎてもはや官能的ですらある。



目の前に広がる絶景に思わず絶句しちゃうよ。心を奪われるってこういうことなのかもしれないね。



心臓を撃ち抜かれたように、シャッターを切るのも忘れる。



氷河の上を歩くだけでもすごい経験なのに今は氷河の中にいる。こんな体験、残りの人生で何回できるんだろう。



青い氷はまるでサファイアを溶かしたような色合い。宝石を優に凌駕してる。



アイスケーブ……ここがスーパーブルーと称される理由にも頷けるね。まるで巨大な青い天然石の中を歩いてるような感覚だよ。





奥へと進むと全身を妖艶な氷が包み込む。



奥に進むほど色が濃く深くなる……まさに青の極み。



青だけでなく時折、黒や白、茶色や灰色にも見えるよ。



条件によって見せる色彩が変わる。これも氷の洞窟の魅力……いや、魔力なのかもしれないね。



それにしても、なんでこんな青いんだろう。



圧縮された氷の純度が関係してるとのこと。気泡などの不純物がなく、青のみが目に映るからここまで青く見えるんだとか。





眼前で爆ぜる青に酔う。世界を見渡してもこんな絶景どこにもない。あまりの神々しさに圧倒されちゃう。



背筋が凍るほどの絶景に心までとろけちゃいそうになる。



氷は厚みによって通す光の量が変わるから、場所によって見え方が変わる。薄かったり濃かったり、まるで氷の油絵のよう。



これぞ、氷の芸術。



呆然としてしまうのは、ここが夢の中のようだからかな。



ちなみに、2016年~2017年は例年より青が強く出たことから“ブルーダイヤモンド”と呼ぶガイドさんもいるらしい。



これほどまでの当たり年に来られるなんて、強運すぎて逆に怖いよ。



残りの人生の運、全部持ってかれたかもね!笑





例えるなら、天から降り注ぐ“青い流れ星”、星が流れ着く“青い天の川“。



青い結晶を砕いてまた凝縮したような……そんな光景。



青く染まった氷河の世界にどんどん溺れてゆく。間違いなくアイスランドで一番の絶景だと思う。



勝手に認定しちゃおう!アイスランドNo.1の絶景に!





滑らかな氷の表面は、触れて見ると手に吸い付くような感触。



陶器のような触り心地だよね。艶やかで滑らか、不思議としっとりしているようにすら感じてくる。



絶景すぎて気づかなかったけど、なんか全然寒くない!



氷の洞窟内は風があまり入ってこないから実は暖かいんだよね。例えるなら、雪国で作るかまくらのようなもの。



これなら何も着なくても大丈夫そう!



やめなさい!汚らわしい!



そんな「女王の教室」の阿久津先生ばりに怒らなくても……。



いつもならおちゃらけててもスルーするけど、今日はふざけるのなし!







二度と見られないなら、一生忘れないよう目に焼き付けておこう。



なお、青が一際強く出る“ブルーダイヤモンド”の他にもアイスランドでは度々当たり年があるんだよね。



僕たちが今見てるのが一番綺麗だと思ったけど、他にもあるんだ!



オーロラ模様が浮き出る“オーロラケーブ”に巨大な“クリスタルケーブ”、滝が流れる“ウォーターフォールケーブ”などなど。



今見上げてるのもオーロラっぽいよね。



うん、私たちが訪れてる今回の洞窟は“オーロラケーブ”であり“ブルーダイヤモンド”でもあるんだと思う。





さながら、氷と雪の天然アトリウム。



想像を絶する景色と遭遇した際の衝撃。これだけは息を呑むような風景に出会った時だけのものだと思う。



溢れんばかりの太陽光が差し込むと……青は純度100%を超える!



光の加減によって透過する色が変わるから、時間帯によって同じ青でも色が刻一刻と変わってくんだよね。







……氷でできた鼈甲飴まであるや。



燃えるような太陽に照らされる洞窟の中は、つららさえも美味しそうに写る。カメラのボケ感がより美味しさを引き立てる。



本当に美味しそう……じゅる。



いくら道産子だからって食べないでね?石や砂が混ざっていることもあるから食べたらお腹壊すよ!







洞窟探検を終え、洞窟の外に出て見るとまだ朝焼け。時間にして1時間ほどだったけど、数時間いた気がした。



夢の中に閉じ込められたと勘違いするほどここは綺麗。



もしかしたら僕らは氷の竜宮城に迷い込んでしまってたのかもしれない。



ただ、氷の洞窟はガイドさんがその日のコンディションを見て滞在時間を決めるから、場合によっては5分だけってこともあるみたい。



今回は本当に運が良かった。



海外旅行では運の良さも味方につけると想像を超える奇跡に出会える。氷の洞窟はまさにその最たるものと言えるんじゃないかな。





ずっと見てみたかった氷の洞窟で、夢がまた1つ叶った。



……と同時に価値観とか人生観とか世界観とか、今まで持ってたものも一緒に崩れ落ちた気がする。



そしてまた新たな自分になれたような気持ち。



まるで常に再生と崩壊を繰り返す氷の洞窟のよう。



寝ぼけた太陽もようやく昇って周りの山々も赤く染まる。何度見てもこの光景は言葉にならない。



どこを見ても綺麗な国、アイスランド。



今までの絶景は訪れれば確実にあったけど、氷の洞窟はいつか溶けて消える。逆行することのない時間の脆さを教えてくれる。



その刹那的な切なさこそが氷の洞窟の美しさでもある。



はぁ……これでアイスランドの旅も終わりかぁ。



いや、まだ終わらない!終わらせない!最後に世界の果ての波打ち際に打ち上げられるという“氷のダイヤモンド”を探しに行こう!
5.まとめ
今回はアイスランドにある氷の洞窟の観光情報、アイスケーブやスーパーブルーの見どころをまとめました。
海外旅行でアイスランドを訪れるなら氷の洞窟がおすすめです。中でもアイスケーブやスーパーブルーは見どころ満載なので、機会があればぜひ訪れてみてください。