エジプト古代文明の聖地、それがエジプト考古学博物館です。通称カイロ博物館は数十万点に及ぶ展示物を収蔵する博物館で、ツタンカーメンの黄金マスクやファラオのミイラ室などが見学できます。そこは数千年の時を超えた古代の贈り物が眠る観光スポットです。
今回はエジプトにあるエジプト考古学博物館の観光情報をまとめます。ここでは概要・予算・時間・場所・気候・服装・治安・注意点の他、実際に訪れた管理人が厳選した見どころも紹介します。記事の最後には体験談もあるので、ぜひ海外旅行の計画にお役立てください。
エジプト考古学博物館は古代文明の秘宝を収蔵する博物館!
この記事では「エジプトにあるエジプト考古学博物館の観光情報」「カイロ博物館の見どころ」をまとめるよ!
1.エジプト考古学博物館の概要
まずはエジプト考古学博物館の概要を見ていきましょう。
- 国:エジプト
- 地域:カイロ
- 特徴:博物館
- 目玉:カイロ博物館
- 方法:個人/ツアー
- おすすめ度:
エジプト考古学博物館はエジプトの首都カイロにある博物館で、古代文明の遺産を展示する博物館です。ツタンカーメンの黄金マスクやファラオのミイラ室など、古代エジプトの世界を覗ける観光スポットとなっています。
通称カイロ博物館は1835年に創設、1900年に原形が完成、1902年に開館された場所です。初代館長はフランス人考古学者オギュスト・マリエットで、館内の展示物は数十万点にも及ぶとか。エジプトの大看板として佇む姿はまさに歴史の生き証人……博物館そのものがエジプトの秘宝と言っても過言ではありません。
近年は大エジプト博物館の開館もあり、考古学の世界が熱狂を帯びています!
なお、エジプト考古学博物館の展示物はギザの大エジプト博物館や他の博物館に移転される予定ですが、完全に引っ越しを終えるまでは見学可能です。今後は「エジプトの芸術」をテーマにした大エジプト博物館と「エジプトの王族と神々」をテーマにしたエジプト考古学博物館、それぞれ役割も変わっていくのかもしれません。
エジプトを訪れるならエジプト考古学博物館は外せないね!
カイロを拠点にするなら個人で行くのもツアーで行くのもおすすめだよ!
2.エジプト考古学博物館の観光情報
次にエジプト考古学博物館の観光情報を見ていきましょう。
2-1.予算
- 個人:数千円~1万円
- ツアー:1万円~3万円
- 予算総額:15万円~45万円
個人は自分での手配、ツアーは旅行会社での代行、予算総額はエジプト旅行全体(移動費・宿泊費・飲食費・観光費)にかかる目安となります。入場料は変動するので直近の情報を調べておくと安心です。
2-2.時間
- 営業時間:9時00分~19時00分(季節で変動あり)
- 所要時間:1時間~2時間
- 必要期間:7日~15日
営業時間は開店から閉店、所要時間は到着から出発、必要期間は出国から帰国までにかかる目安となります。
2-3.場所
- 場所:エジプト/カイロ
- 住所:Wasim Hasan, El-Tahrir Square, 4272083 Egypt
- 行き方:電車/バス/タクシー/レンタカー/徒歩/ツアー
- 電車:10分~20分
- バス:10分~20分
- タクシー:5分~10分
- レンタカー:5分~10分
- 徒歩:5分~10分
場所と住所は所在地の目安となります。行き方は「カイロ⇒エジプト考古学博物館」への一例であり、他の方法でもアクセスできます。直接向かうなら現地発着のツアーがおすすめです。
2-4.気候
- 1月~3月:やや暑くて晴れやすい気候
- 4月~6月:暑くて晴れやすい気候
- 7月~9月:暑くて晴れやすい気候
- 10月~12月:やや暑くて晴れやすい気候
- ベストシーズン:2月~4月/11月~12月
平均 | 最高気温 | 最低気温 | 降水量 |
1月 | 19℃ | 10℃ | 5mm |
2月 | 21℃ | 11℃ | 5mm |
3月 | 24℃ | 13℃ | 5mm |
4月 | 29℃ | 16℃ | 0mm |
5月 | 33℃ | 19℃ | 0mm |
6月 | 35℃ | 22℃ | 0mm |
7月 | 35℃ | 23℃ | 0mm |
8月 | 35℃ | 24℃ | 0mm |
9月 | 34℃ | 22℃ | 0mm |
10月 | 30℃ | 19℃ | 0mm |
11月 | 25℃ | 15℃ | 5mm |
12月 | 21℃ | 11℃ | 5mm |
2-5.服装
- 1月~3月:体温調節できる服装
- 4月~6月:薄手の服装
- 7月~9月:薄手の服装
- 10月~12月:体温調節できる服装
- 持ち物:入場チケット/撮影チケット/ミイラ室チケット
⇒手荷物検査あり
2-6.治安
- やや悪い
エジプトは総じて治安が悪く、旅の拠点となるカイロも治安不良です。
2-7.注意点
- 事前の勉強
- 手荷物の検査
- 展示物への接触
- ミイラ室への入場
- 黄金マスクの撮影
- 移転と引っ越し
2-7-1.事前の勉強
エジプト考古学博物館は事前に勉強しないと魅力が半減してしまうかもしれません。逆に古代エジプトに関する情報を頭に入れておくことで遺物に秘められたドラマも見えてくるため、背景を学んでから訪れてみてください。
2-7-2.手荷物の検査
エジプト考古学博物館では手荷物の検査が実施されています。国宝級の遺物が展示されているこの場所はエジプトにとっての最重要施設です。危険物を所持している場合は没収されるので、観光に必要ないものは持ち歩かないようにしましょう。
2-7-3.展示物への接触
エジプト考古学博物館は希少なものが置かれているため、展示物への接触には気を付けたいです。館内には貴重な歴史や文化を物語る遺物も保存されており、古代文明の財宝や出土品も公開されています。当然ながら許可なく持ったり盗んだりしてはいけません。
2-7-4.ミイラ室への入場
館内にはファラオのミイラを収蔵するミイラ室があります。ミイラ室では何千年も前に生きていた古代王との邂逅が待っていますが、その希少価値ゆえに入室の許可が必要です。ミイラ室の見学には博物館の入場料とは別途でミイラ室の入場料もかかります。
2-7-5.黄金マスクの撮影
館内ではツタンカーメンの黄金マスクが公開されています。黄金マスクには警備員の監視の目が常に向けられ、その希少価値ゆえに撮影の許可も必要です。通常の展示物は撮影権を購入することで撮影できますが、黄金マスクは原則撮影禁止です。取材として正式に交渉しない限りは撮影厳禁……無断でカメラを向けようものならガードマンにつまみ出されてしまいます。
展示物の撮影は期間限定で自由解放されることもありますが、国宝級の展示物には多額の撮影料が必要です。ツタンカーメンの黄金マスクも数十万円以上かかるとの噂が……。
2-7-6.移転と引っ越し
エジプト考古学博物館は2022年オープン予定の大エジプト博物館に引っ越し予定で、貴重な展示物を中心に移転されています。すでに国立エジプト文明博物館など他の博物館にも展示物が移送されています。
現在のエジプト考古学博物館は首都カイロにあるものの今後は大ピラミッドや大スフィンクスで知られるギザの大エジプト博物館に拠点が移るため、移転と引っ越しに合わせて計画を立ててください。
観光情報は変更となる場合があることを加味しておきたいね。
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3.エジプト考古学博物館の見どころ
ここからはエジプト考古学博物館の見どころをまとめます。
3-1.サルコファガス
おすすめ度:
死者を喰らう人型石棺。
3-2.カルトゥーシュ
おすすめ度:
古代文字の刻印。
3-3.パピルス
おすすめ度:
古代文字の書物。
3-4.ツタンカーメンの黄金マスク
おすすめ度:
少年王を宿す仮面。
※仮画像
3-5.ファラオのミイラ室
おすすめ度:
古代王が眠る寝室。
※仮画像
エジプト考古学博物館はサルコファガスやカルトゥーシュ、パピルスやツタンカーメンの黄金マスク、ファラオのミイラ室など見どころ満載です。
数十万点に及ぶ展示物は古代からの贈り物、時が止まったままの遺物はまさに世界の七不思議そのものです。数千年前のサルコファガスやカルトゥーシュ、パピルスなど古代文明に魅せられた方にとってこれほど興奮させられる場所は他にありません。
何よりツタンカーメンの黄金マスクやファラオのミイラ室は圧巻です!
古代エジプトから蘇った黄金マスクの放つ神々しさはまさに究極の秘宝……時価総額200兆円~300兆円と謳われる少年王の面影には息をするのも忘れてしまうほどです。今にも吸い込まれてしまいそうなその美しい姿を一目見るためだけに訪れる価値があるでしょう。もちろん、古代王の遺体が安置されているミイラ室も引けを取らず、かつてエジプトを支配した強大な力に思わず目を奪われます。
ちなみに、2021年には古代エジプトの遺物が国立エジプト文明博物館へ移送され、国を挙げた一大プロジェクト「ファラオの黄金パレード」として一夜限りの死者の大行進が執り行われたそうです。
エジプト考古学博物館ではサルコファガスとカルトゥーシュ、パピルスとミイラ室、ツタンカーメンの黄金マスクが目玉!
個人的には異次元のオーラを放つツタンカーメンの黄金マスクがおすすめ!
4.エジプト考古学博物館の体験談
最後に管理人が2017年11月に訪れたエジプト考古学博物館の体験談を記しておきます。等身大の海外旅行記としてお楽しみください。
エジプト考古学博物館に到着。ここがあの秘宝を収蔵する博物館!
まずはチケットと記念撮影。ツタンカーメンの黄金マスクが眩しいぜ。
もしあまりの興奮で“嬉死”したらミイラにして保存しておいてね。
1万年と2000年経っても朽ち果てないよう石棺ごと埋葬したげる。
ついに憧れへの扉が……すでに血液が沸騰して一瞬でミイラになっちゃいそうだよ。
夢にまで見たカイロ博物館だけど、勢い余って黄泉の国へ渡らないようにね!
ちょうど心の奥底に眠ってた“時をかける少年”が目を覚ましたところよ。
……さぁ、千年アイテムを見つける時空の旅へ!
入場口を抜けるとそこはもう古代エジプト。これぞリアルタイムスリップ。
目の前には漆黒の石棺。あまりの迫力に圧倒されるね。
見事なヒエログリフ。その微細な文字の1つ1つに意味がある……でも、考古学者の方たちはどうやって解読したんだろう。
昔は古代の文字が読める人もいたみたいだよ。
こっちにはロゼッタストーン。1799年にエジプトのロゼッタで発見された石柱。
皇帝ナポレオン・ボナパルトがエジプト遠征の際に見つけたって記録が残ってるね。
この石碑が古代エジプトの象形文字を解読する重要な手がかりとなったんだとか。
ただ、ここにあるのはレプリカ。本物はイギリスのロンドンにある大英博物館に収蔵されてるよ。
憧れ続けてた古代エジプトの遺産が目の前に横たわってる……文字通り、棺が寝そべってる。
石棺から伝わるプレッシャーが桁違い。今にも握り潰されそう。
この人型の石棺はサルコファガスと呼ばれるもので、死者が格納されていたんだとか。
現地の言葉で「肉体を食べるもの」って意味なんだってね。
僕ももう食べられちゃってるかも……今にも魂ごと引っこ抜かれて我を忘れてしまいそうだもの。
精神すら貪る古代文明、恐るべし。
これはカルトゥーシュと呼ばれるもので古代の象形文字の一種。
カルトゥーシュもヒエログリフの1つで、ファラオの名前を表現するのに使用されたみたい。
近くに黄金の玉座もあったけど、なぜか写真に写らなかったよ。
単に照明の反射で写らなかっただけのことを物々しく言わないで。
遺物の中には古代の神々を模した黄金の像も飾られてる。
保存状態の良さに驚かされるばかり。ほぼ完璧な状態で残ってるだけで軌跡だよ。
あれもこれもどこもかしこも古代文明の世界。あぁ……ロマンの過剰摂取で脳が溶けるとろける。
とても数千年前のものとは思えない。時空を超えた古代からの贈り物には感動すら覚えるね。
これは何かの儀式に使用されてたものかな。圧倒的知識不足の自分が恥ずかしい。
野良ガイドさんもいるから、案内を任せちゃうのもありかも。ただ、ぼったくりガイドさんもいるから慎重に!
勝手に案内してお土産を買わせる手法まで横行してるらしいから警戒しておきたいところ。
断ったら露骨に嫌な顔するって噂もあるから、説明を頼むなら公式ガイドさんがおすすめかも。
古代文明のストーリーテラー、古代の紙として重宝されたパピルスもあった。
これは足の生えた餅が行列に並んでいる様子を描いた図だね。
いや、きっとV字バランスをする神々の様子を描いた図だよ。
……ってのは冗談で、この水引を巻いたマシュマロみたいな奴の正体はメジェド様。打ち倒す者という意味を持つ神様よ。
メジェド神……神様なのにかわいいね。
他にも魂の審判「心臓の計量」を描いた「死者の書」のパピルスも残ってるから、併せて見ておきたいね。
死者蘇生!……と叫んでしまいたくなるアンクの刺繍も発見。
これはエジプト十字とも呼ばれていて生命の象徴なのだとか。
子供の頃に憧れた「遊戯王」の世界を思い出すよ……もし“懐か死”したらさ、死者蘇生の魔法カードで蘇らせてね。
そういえば初めてエジプトに興味を持ったのも漫画の影響だったもんね。
あの日から枯れることなく湧き続けた古代への情景……もう涙が溢れちゃいそうだよ。
あれから数十年、エジプトを夢見た少年が今まさにここにいるわけだ。
これはアヌビス神の像。厨子と呼ばれる箱に鎮座する姿はまさに神の化身なり。
アヌビス様は彼岸への門を開き、裁きの間に死者を導く神様。
これはファラオたちが混浴してるように見えるけど……否!
少年王ツタンカーメンの臓器が収納されたアラバスター製のカノプス壺だね。
「ONE PIECE」に登場するアラバスタという地名もこの石から来たって話だよ。
なお、アラバスターは大理石より柔らかい半透明の白い石のこと。
ちなみに、このカノプス壺にはツタンカーメンの「胃・腸・肝臓・肺」が納められてるそうで。
今にも動き出しちゃいそうな威圧感があるね。じっと見つめてたらこっちまで五臓六腑と尻子玉が飛び出しちゃいそうになるよ。
見れば見るほど、知れば知るほど、古代エジプトの世界に溺れてゆく。
ここはまるで流砂の海。かつて砂に埋もれていた遺物をこうして見られるだけで感動さ。
撮影不可だから遠目になるけど、2階の奥にはツタンカーメンの間も見えるよ。
それにしても黄金のマスクとの邂逅には思わず心臓が震えたね。一目見られただけでも大満足。
目が合った瞬間、全身の血液が止まるかのような圧迫感だった。
あまりの美しさに血と肉と骨が呼応するような……あの間隔は言葉だけでは言い表せられない!
こればかりは実物と対峙した人にしか感じることのできない“何か”があるのかもしれない。
黄金の秘宝が放つ美貌に思わず腰が砕けちゃうかも。
なお、大広間で一際目を引くアメンホテプ3世とティイの像も必見。
本当に考古学博物館は時間がいくらあっても足りないや。まだまだ語り尽くせないもの。
まるで古代エジプトの世界を歩いているかのような錯覚に陥るね。
さながら背後に迫るミイラに追われながら歴史という名の砂漠を延々と彷徨う旅人なり。
ちなみに、眼前に置かれた黒い四角錐はベンベンと呼ばれるストーンキャップ。
これはエジプト第12王朝、アメンエムハト3世のピラミッドの頂上部分に使用されていたものなのだとか。
これがピラミッドやオベリスクの原型になったとも言われるね。
まさに古代エジプトは石によって文明を育んだ国だったんだね。
そういえばフリーメイソンも石工から始まったなんて話が……。
おっと、それ以上はやめておきな。世界の謎の中には足を踏み入れて良いものと悪いものがあるのだよ。
エジプト考古学博物館、そこは少年の頃に夢見た古代の世界そのものだった。
大人になるにつれて止まってた砂時計が再び動き始めた気がする。
いずれは大エジプト博物館に主役の座を譲ることになるかも……でも、ここで見たものは決して忘れない。
歴史ある博物館はこれで見納めだけど、新世代の博物館にも期待が止まらないね。
大エジプト博物館は間違いなくエジプト観光の新たな目玉になる!
新時代の幕開け。こうやって歴史は時代とともに変わってゆく。
エジプトの夜明けぜよ!大エジプト博物館がオープンしたら絶対にまた来よう。
エジプトに新たな風を巻き起こしてくれることを信じて。
5.まとめ
今回はエジプトにあるエジプト考古学博物館の観光情報、カイロ博物館の見どころをまとめました。
海外旅行でエジプトを訪れるならエジプト考古学博物館がおすすめです。中でもカイロ博物館は見どころ満載なので、機会があればぜひ訪れてみてください。