海外旅行保険は、クレジットカード付帯保険だけで十分と思っている人も珍しくありません。確かに、クレジットカード付帯保険があれば、現地でのトラブルにも対応可能です。ただ、使い方がわからない人もいるため、必要書類・保険金請求方法と併せて知っておくと安心です。
今回は海外旅行でのクレジットカード付帯保険の使い方を解説します。併せて必要書類と保険金請求方法も説明します。ここではクレジットカード付帯保険と任意加入保険の違いやクレジットカード付帯保険利用の注意点もまとめるので、海外旅行の準備にお役立てください。
クレジットカード付帯保険があれば、アクシデントやハプニングも怖くない!
この記事では「海外旅行でのクレジットカード付帯保険の使い方」「必要書類と保険金請求方法」をまとめるよ!
1.海外旅行でのクレジットカード付帯保険の使い方


まずは海外旅行でのクレジットカード付帯保険の使い方を見ていきましょう。
- 出国前の対応
 - 渡航中の対応
 - 帰国後の対応
 
海外旅行でのクレジットカード付帯保険の使い方は、出国前・渡航中・帰国後の対応に分けて考えるとわかりやすいです。もし「わかりにくい」という人は、1つずつ順序立てて対応していくことをおすすめします。
1-1.出国前の対応
出国前の対応は、次の通りです。
- 海外旅行保険付きのクレジットカードを作る
 - カード会社の会員サイトに登録する
 - カード会社の緊急連絡先を控える
 - 自動付帯か利用付帯か確認する
 - 補償期間を確認する
 - 補償内容を確認する
 
まずは、海外旅行保険付きのクレジットカードを作ります。
海外旅行保険付きのクレジットカードとしては、エポスカード・JCBカード・セゾンカード・三井住友カード・三菱UFJカード・楽天カードといったものがあります。クレジットカードを作ったら、カード会社の会員サイトに登録し、緊急連絡先を控えておくと安心です。
大抵のカード会社はアシスタントデスクを設けており、日本語対応しているため、現地でいつでもどこでも連絡を取れるようにしておくと完璧!
また、適用条件(自動付帯か利用付帯か)をはじめ、補償期間や補償内容も併せてご確認ください。自動付帯とはカードを持っているだけで保険が適用されるもの、利用付帯とはカードで支払うなどの条件を満たすことで保険が適用されるもののことです。適用条件に関しては勘違いしている人もいるので、一度確認が求められます。
家族が動向する場合は、家族特約があるかどうかも確認しておきましょう。
1-2.渡航中の対応
渡航中の対応は、次の通りです。
- 携行品の破損や紛失が発生した場合
⇒現地警察でポリスレポートを発行してもらう
⇒当事者にも報告して状況証明書をもらう - 他人への賠償事故が発生した場合
⇒すぐにカード会社に電話する
⇒やり取りは担当者に任せる - 本人の怪我や病気が発生した場合
⇒すぐにカード会社に電話する
⇒提携の病院を紹介してもらう
⇒被害の程度を診断してもらう
⇒領収書を保管する 
携行品の破損や紛失が発生した場合、現地警察でポリスレポートを発行してもらい、当事者にも報告して状況証明書をもらっておくと安心です。自力での警察への通報が困難な場合は、地元の人に助けてもらうことをおすすめします。管理人もフィジーで車に轢かれた際、地元の人と友達に助けてもらいました。
他人への賠償事故、本人の怪我や病気が発生したら、まずはカード会社にお電話ください。
カード会社では医療アシスタンスサービスや事故相談サービスを提供しており、24時間365日体制で対応しています。事後報告だと保険適用の対象外となることがあるからこそ、問題が発生した段階で連絡を取っておくことが重要です。やむを得ず病院を利用する時は、キャッシュレス診療の有無を確認しましょう。
キャッシュレス診療とは保険会社が医療機関と直接やり取りし、被保険者が立て替え払いせずに治療を受けられるサービスとなっています。
併せて、カード決済の証明書や支払いの領収書、被害状況の写真を原本で保管しておくと万全!
1-3.帰国後の対応
帰国後の対応は、次の通りです。
- 必要書類を揃える
 - 保険金請求を申請する
 - 保険金が振り込まれる
 
外国から日本に戻ってきたら、必要書類を揃え、保険金請求を申請します。
一般的には、カード会社が指定する用紙で請求することになるため、どのような提出方法があるか(オンラインか郵送か)をご確認ください。
保険金の振り込みについては、複数のクレジットカード付帯保険や任意加入保険と併用している場合、合算ルールを適用した金額の計算が必要です。
カード会社によっては審査や追加書類もあるので、期限内に提出できるよう準備を進めておくのが理想!
クレジットカード付帯保険だけだと心配な人もいるかもね!
不安だったら任意加入保険に入っておくと安心だよ!
2.クレジットカード付帯保険と任意加入保険の違い


次にクレジットカード付帯保険と任意加入保険の違いを見ていきましょう。
- 適用条件
 - 手続きの必要性
 - 保険料の有無
 - 補償内容
 
クレジットカード付帯保険と任意加入保険の主な違いは、適用条件・手続きの必要性・保険料の有無・補償内容の4つ。どちらにもメリット・デメリットがあるからこそ、比較検討してどちらを持つか、もしくは両方持つかをご検討ください。
2-1.クレジットカード付帯保険の特徴
クレジットカード付帯保険の特徴は、次の通り。
- 適用条件:自動付帯もしくは利用付帯が適用される
 - 手続きの必要性:原則不要
 - 保険料の有無:原則不要
 - 補償内容:限定的
 
クレジットカード付帯保険は、自動付帯もしくは利用付帯が適用されるのが特徴で、原則は手続きも保険料も不要です。ただ、補償内容が限定的となるため、必要最低限で問題ない人におすすめの保険と言えます。
2-2.任意加入保険の特徴
任意加入保険の特徴は、次の通り。
- 適用条件:柔軟な状況に応じて適用できる
 - 手続きの必要性:原則必要
 - 保険料の有無:原則必要
 - 補償内容:網羅的
 
任意加入保険は、柔軟な状況に応じて適用できるのが特徴ではあるものの、原則は手続きと保険料が必要です。ただ、補償内容が網羅的となるので、最高水準で補償を受けたい人におすすめの保険となっています。
楽なのはクレジットカード付帯保険の方かな!
ちょっと手間はかかっても安心なのは任意加入保険の方!
3.クレジットカード付帯保険の必要書類


次にクレジットカード付帯保険の必要書類を見ていきましょう。
- 各種状況証拠となる書類
 - クレジットカードの利用明細
 - パスポートの出入国印の写し
 - 保険金請求書
 - 本人確認書類
 
クレジットカード付帯保険を利用するには、各種状況証拠となる書類が必須です。
携行品の破損や紛失が発生した場合、他人への賠償事故が発生した場合、本人の怪我や病気が発生した場合、各々の状況がわかる証明書が必要となります。交通事故の場合は事故証明書、飛行機遅延の場合は遅延証明書という具合に「具体的にどのような被害を被ったか」を立証できる書類が必要です。
警察の被害届、病院の診察書も証拠となり得ます。
併せて、自動付帯ではなく利用付帯の場合は、クレジットカードの利用明細やパスポートの出入国印の写しが必要となることもあるため、事前にまとめておいてください。加えて、必ず提出が求められる保険金請求書と本人確認書類も忘れないようにしましょう。
ちなみに、カード会社ごとに必要書類は変わるので、請求前に確認しておくと安心かもしれません。
必要書類は原則として原本を準備するのが鉄則!
何を用意すべきかは契約しているカード会社に要確認!
4.クレジットカード付帯保険の保険金請求方法


次にクレジットカード付帯保険の保険金請求方法を見ていきましょう。
- カード会社に電話
 - 必要書類の取得・提出
 - 保険会社による審査
 - 保険金の振り込み
 
クレジットカード付帯保険を利用するには、とにもかくにもトラブルが発生した段階でカード会社に電話するのが鉄則です。まずはすぐにカード会社に電話し、どのような状況なのか報告してください。海外旅行の場合は現地から、すでに国内にいる場合も速やかに連絡することで対処してくれます。
状況を伝えるとサービスデスクから必要書類の案内があるため、現地で取得しましょう。
例えば、医療費を請求する場合は医師の診断書や診療明細書が必要です。自動付帯の場合は不要なものの、利用付帯の場合は別途でクレジットカードを利用した証拠が必要となるので、領収書も残しておく必要があります。カード会社から指定された書類をすべて集めたら、まとめて提出しましょう。
なお、保険金については、一度保険会社による審査が入ります。
審査の結果、妥当と判断されれば保険金が振り込まれる仕組みです。
保険金請求方法は、やってみると意外と簡単!
警戒すべきは、必要書類の取得と保険会社の審査!
5.クレジットカード付帯保険利用の注意点


最後にクレジットカード付帯保険利用の注意点についてまとめます。
- 合算ルールに気を付ける
 - 国内でのことは対象外となる
 - 事後報告とならないようにする
 - 補償額が足りないことがある
 - 補償範囲に限りがある
 
クレジットカード付帯保険を利用する場合、いくつかの点に気を付けておかなければいけません。適当に申請しても保険金が出ないこともあるからこそ、契約前の確認が必須です。
5-1.合算ルールに気を付ける
複数のカードを持っている人は、合算ルールをご確認ください。
死亡保障や治療費は合算可能なことが多いですが、携行品損害や損害賠償は制限が設けられていることも少なくないです。「クレジットカード付帯保険があるから大丈夫」と安易に考えている人もいますが、中には合算できない項目もあります。ゆえに、まずは合算ルールを確認しましょう。
5-2.国内でのことは対象外となる
クレジットカード付帯の海外旅行保険は、あくまでも国外での出来事が対象です。
カード会社によっては国内でのことは対象外となる可能性があり、「日本で荷物をなくした」というような状況には対応できないことも珍しくありません。原則は外国での事案にのみ対応となるからこそ、どこからどこまでが対象となるのかについては一度カード会社に確認しておくことをおすすめします。
5-3.事後報告とならないようにする
自己判断かつ事前連絡なしの場合、保険金が支払われないことがあります。
現地で電話した上で請求すれば問題ありませんが、警察や病院に行った際の報告を怠ったり、事件発生時の連絡を怠ったりした場合は請求を却下されることがあります。逆に現地で電話しておけば、適用条件に沿った必要書類を取得できるため、より確実に保険金請求が可能です。
対して、適用条件が満たされていないと保険金請求自体が不可となることも珍しくありません。
後々請求した段階で「証拠不足」と判断された場合は、保険金が支払われないこともあるので、カード会社の指示に従って証拠集めしておくことが求められます。
5-4.補償額が足りないことがある
クレジットカード付帯保険は、現地での治療費が100万円~300万円までとされるのが一般的で、任意加入保険と比べると心許ない金額です。第三者への損害賠償費用も1,000万円~3,000万円までと心許ないからこそ、別途で任意加入保険に入っておくことをおすすめします。
欧米はより医療費が高額で、クレジットカード付帯保険だけでは足りなくなることがあるため、任意加入保険で補完しておくと安心です。また、外国にはキャッシュレス対応の提携病院がなく、立て替え払いが必要となることもあるので、日本で手続きできるよう備えておくことが求められます。
5-5.補償範囲に限りがある
クレジットカード付帯保険は、家族が補償範囲に含まれていないのが一般的です。同伴の子供・祖父母・両親まではカバーできないため、各々追加で任意加入保険に入っておくと安心だと思います。
また、携行品は「携帯している私物」に限定される点に注意が必要です。カメラやスマホ、時計といった貴重品は1品10万円などの制限があります。根本的に現金や電子マネーをはじめ、航空券やパスポートの補償は含まれていないことが一般的なので、補償範囲については必ずご確認ください。
自動付帯ではなく利用付帯の場合、公共交通機関の利用でのみ適用となる点にも注意しましょう。
クレジットカード付帯保険だけだと不安だから、心配性の人は任意加入保険に入っておくのがベスト!
1日数千円の保険料で入れるものがあるから「安心を買う」って意味で入っておくのがマストかな?
6.まとめ
今回は海外旅行でのクレジットカード付帯保険の使い方、必要書類と保険金請求方法をまとめました。
海外旅行保険は、クレジットカード付帯保険では若干不十分です。確かに、何事もなく海外旅行できれば保険料が無駄になってしまうのは事実ですが、万が一に備えておく必要はあります。当ブログの管理人も車に轢かれるなんて微塵も考えていませんでしたが、実際に交通事故に遭いました。
さすがに交通事故に巻き込まれるのは稀だとは思いますが、「安心を買う」という意味で任意加入保険に入っておくのが良いでしょう。気兼ねなく海外旅行を楽しめるよう、せめて手頃な値段で契約できる保険会社を見つけておいてはいかがでしょうか。

	



