モロッコの世界遺産として登録されている砦の町、それがアイトベンハッドゥです。そこはカスバと呼ばれる伝統家屋が軒を連ねる村で、集落と要塞が融合した街並みが人気です。有名な映画のロケ地にもなるなど、まさに異世界探訪を楽しめる観光スポットと言えるでしょう。
今回はモロッコにあるアイトベンハッドゥの観光情報をまとめます。ここでは概要・予算・時間・場所・気候・服装・治安・注意点の他、実際に訪れた管理人が厳選した見どころも紹介します。記事の最後には体験談もあるので、ぜひ海外旅行の計画にお役立てください。

アイトベンハッドゥは赤茶色の岩肌に築かれた古代都市!



この記事では「モロッコにあるアイトベンハッドゥの観光情報」「集落や要塞の見どころ」をまとめるよ!
1.アイトベンハッドゥの概要


まずはアイトベンハッドゥの概要を見ていきましょう。
- 国:モロッコ
- 地域:ワルザザード
- 特徴:町/レジャー
- 目玉:集落/要塞
- 方法:個人/ツアー
- おすすめ度:
アイトベンハッドゥはモロッコ南部のワルザザード近郊、アトラス山脈の麓に築かれた集落兼要塞で、カスバと呼ばれる伝統的な建造物群がひしめき合う町です。日干しレンガで作られた街並みは、さながら映画の中の世界……まさに異世界に没入させられる魅惑の観光スポットと言えます。
もともとアイトベンハッドゥはベルベル人が築いた村で、ハドゥ族の息子たちによって築かれた村を意味します。かつて、この地には複数の民族が生活しており、度々争いが起こっていました。その争いを避けるため、他部族との紛争や盗賊の略奪から守るために作られたのがアイトベンハッドゥです。
1つしかない城門から入ると見えてくるのは、“難攻不落の城のような姿”。
歩くほどに入り組んだ道が続き、不思議な構造をしていることがわかります。
一方で、古代都市の面影を残していることから映画のロケ地としても使用され、「アラビアのロレンス」「キングダムオブヘブン」「グラディエーター」「スター・ウォーズ」「ソドムとゴモラ」「ハムナプトラ」「プリンスオブペルシャ」といった作品が撮影されました。
ワルザザード近郊にはハリウッドの映画スタジオもあるなど、まさにアイトベンハッドゥはモロッコを代表する映画の都でもあるわけです。



モロッコを訪れるならアイトベンハッドゥは外せないね!



カサブランカを拠点にするなら個人で行くのもツアーで行くのもおすすめだよ!
2.アイトベンハッドゥの観光情報


次にアイトベンハッドゥの観光情報を見ていきましょう。
2-1.予算
- 個人:数千円~1万円
- ツアー:1万円~3万円
- 予算総額:15万円~45万円
個人は自分での手配、ツアーは旅行会社での代行、予算総額はモロッコ旅行全体(移動費・宿泊費・飲食費・観光費)にかかる目安となります。入場料は変動するので直近の情報を調べておくと安心です。
2-2.時間
- 営業時間:10時00分~18時00分
- 所要時間:1時間~2時間
- 必要期間:7日~15日
営業時間は開店から閉店、所要時間は到着から出発、必要期間は出国から帰国までにかかる目安となります。
2-3.場所
- 場所:モロッコ/ワルザザード
- 住所:Ait ben haddou, Morocco
- 行き方:タクシー/レンタカー/ツアー
- タクシー:2時間30分~3時間
- レンタカー:2時間30分~3時間
- タクシー:3時間~3時間30分
- レンタカー:3時間~3時間30分
場所と住所は所在地の目安となります。行き方は「カサブランカ⇒アイトベンハッドゥ」への一例であり、他の方法でもアクセスできます。直接向かうなら飛行機もしくは現地発着のツアーがおすすめです。
2-4.気候
- 1月~3月:寒くて晴れやすい気候
- 4月~6月:やや暑くて晴れやすい気候
- 7月~9月:暑くて晴れやすい気候
- 10月~12月:やや寒くて晴れやすい気候
- ベストシーズン:3月~4月/10月~11月
平均 | 最高気温 | 最低気温 | 降水量 |
1月 | 16℃ | 1℃ | 10mm |
2月 | 18℃ | 4℃ | 20mm |
3月 | 22℃ | 8℃ | 10mm |
4月 | 25℃ | 11℃ | 5mm |
5月 | 29℃ | 14℃ | 5mm |
6月 | 34℃ | 18℃ | 5mm |
7月 | 37℃ | 22℃ | 0mm |
8月 | 36℃ | 21℃ | 5mm |
9月 | 32℃ | 17℃ | 10mm |
10月 | 26℃ | 13℃ | 15mm |
11月 | 20℃ | 7℃ | 10mm |
12月 | 17℃ | 3℃ | 15mm |
2-5.服装
- 1月~3月:厚手の服装
- 4月~6月:体温調節できる服装
- 7月~9月:薄手の服装
- 10月~12月:体温調節できる服装
- 持ち物:歩きやすい靴
2-6.治安
- やや悪い
モロッコは総じて治安が悪く、旅の拠点となるカサブランカも治安不良です。
2-7.注意点
- 拠点からの立地
- 街中での迷子
2-7-1.拠点からの立地
アイトベンハッドゥは日帰りで観光可能です。ただ、カサブランカから片道5時間30分~6時間30分ほど、往復11時間~13時間ほどかかります。観光時間を含めると半日~終日はかかるので、余裕のある日程を組みましょう。
2-7-2.街中での迷子
アイトベンハッドゥでは美しい街並みを歩くウォーキングツアーが体験できますが、街中での迷子には気を付けたいです。地区によってはトラブルに巻き込まれることもあるので、街中ではコーディネーターの指示に従いましょう。



観光情報は変更となる場合があることを加味しておきたいね。



Googleマップの口コミを参考にするのもおすすめかも!
3.アイトベンハッドゥの見どころ
ここからはアイトベンハッドゥの見どころをまとめます。


3-1.集落
おすすめ度:
カスバ街道が続く集落。


3-2.要塞
おすすめ度:
食料貯蔵庫が残る要塞。
アイトベンハッドゥは集落や要塞など見どころ満載です。
荒涼とした砂漠に突如現れるアイトベンハッドゥは、1つだけある城門から入場するのが一般的です。その城門を通ると見えてくるのが、赤褐色の岩壁に縫い付けられるように築かれた集落と要塞。この場所はもともとサハラ交易の休憩地や隊商交易の中継地として栄えた場所だったこともあり、銃眼が施されたカスバと呼ばれる邸宅が林立しています。
通称カスバ街道を歩けば、平坦な壁に四角い穴が開いていることが確認できるはず。
道幅のない入り組んだ路地は、まさに映画で見るような景観と言っても過言ではありません。
なお、カスバの建造物群の1階部分には窓がなく換気口が設けられているのみで、要塞化した集落の最上階には籠城に備えた食料貯蔵庫があります。その頂上からの眺めは地平線の先まで開けており、モロッコでも指折りの絶景です。この光景を見るためだけにアイトベンハッドゥを訪れても十分にお釣りが来るでしょう。



アイトベンハッドゥでは集落と要塞が目玉!



個人的には要塞の名残がある集落がおすすめ!
4.アイトベンハッドゥの体験談
最後に管理人が2018年10月に訪れたアイトベンハッドゥの体験談を記しておきます。等身大の海外旅行記としてお楽しみください。





アイトベンハッドゥに到着……ってどこにあるの?



ほら!あの岩の上にあるじゃない!砂色の建造物群が!



あぁ!同化してて見えなかった!まさに“透明村”だ!



あれがモロッコの世界遺産アイトベンハッドゥ。映画の「グラディエーター」や「スター・ウォーズ」のロケ地になった場所。







村というより山だね、こりゃ。



丘の斜面にへばりつくように建てられた日干しレンガの建物。まるで侵入者を拒むかのような荒々しさと禍々しさがある。



荒野に突如として現れる世界遺産の村……いざ潜入!



どんなものが見られるか楽しみ!





まず見えてきたのは迷路のような階段と坂道。それにしても、なんでこんなに入り組んでるんだろう?



アイトベンハッドゥは17世紀に先住民ベルベル人が築いた村で、他部族との紛争や盗賊の略奪から守るために作られた村なんだよね。



だから通路もめちゃくちゃ狭いんだ。



1人~2人がすれ違えるかどうかってくらいの広さしかないから、立ち往生してるところを襲撃するだけで撃退できるのさ。





……な、なんだあれ!



あれは銃眼を備えた塔を持つカスバだね。カスバってのはアラビア語で砦を意味する言葉だよ。今歩いてるのはカスバ街道。



村の中に砦があるなんて、不思議。



アイトベンハッドゥは、あんな感じのカスバが密集してて、城門も1つしかないんだよね。まさに村全体が要塞化した集落なのさ。





ここは……宿かな?ってかアイトベンハッドゥって住民はいるの?



今ではあまり住民と呼べる住民はいないけど、砂漠地帯の過酷な自然と敵襲に耐え抜いてきた人々の末裔が住んでるって噂がある。



えぇ、でもガスも水道も電気もないよね?



そりゃなくて当たり前さ!それがここの常識だから。



建物といい土地といい、なんだか不思議に満ちた村だ。



まるで、映画のワンシーンに迷い込んだような錯覚に陥るよね。よし、もっと登って頂上を目指してみよう。





路地を抜けると、眼下に集落とも要塞とも見て取れる建造物群が見えた。



よく見ると各建物の四隅に銃眼が設けられた塔がある。まさに村全体が敵を迎え撃つための“難攻不落の城”って感じ。



敵もいつどこで撃たれるかわからない恐怖と戦うことになるのか……。



ちょっと怖いよね。全部砂色でカスバ同士の境目がわからないのが余計に怖さを倍増させる。





所々に朽ちた箇所がある。一体、何年前からあるんだろう。



建物自体は17世紀のものが中心って話だけど、この土地にある村自体は11世紀にも7世紀にも遡るって話だよ。



ってことは、日本が飛鳥時代~平安時代の頃からあったってこと?!



……そうなるね。果てしないや。





さらに登ると、今度は詰まれた石垣があった。穴が開いてる。



あれは、周りを見回すための穴かな……ってか山頂、風がやばい!私の羽毛、全部吹き飛ばされそうなほどに!





ほわあぁ……これがアイトベンハッドゥの山頂からの眺めか。



眺望が抜群!砂漠だけど緑もあってオアシスって感じがする。



ガイドさん曰く、アイトベンハッドゥはいわゆるオアシスに築かれてて、かつては隊商都市としても栄えてたっぽい。



その古代の建築技法を伝える貴重な文化遺産として1987年、世界遺産に登録されたんだよね。





山頂は何もないって思ったら、石が積んであった。



今は何もないけど、昔は丘の頂に食料貯蔵庫が作られてて、籠城戦への備えにしてたって話もあるよ。



命を守るのに必要な食べ物や飲み物は山頂に隠してたんだ。



やっぱり大事なものは手の届かないところに置いておかないとね!





帰路の途中、ガイドさんが民家のキッチンのような場所に連れて来てくれた。かまどのようなものもある。



ここはたぶん観光客や旅行者のために現地の人がそれっぽく装飾してくれた感があるけど、日本とはまるで別物で面白い。



はぁ、こんなところで暮らしたいなぁ!



それ、本当に本気で言ってる?



すみません!ガスも水道も電気も欲しいです!何ならもうゲーム機もスマホもパソコンも欲しくなってます!



……現代人めぇ~!
5.まとめ
今回はモロッコにあるアイトベンハッドゥの観光情報、集落や要塞の見どころをまとめました。
海外旅行でモロッコを訪れるならアイトベンハッドゥがおすすめです。中でも集落や要塞は見どころ満載なので、機会があればぜひ訪れてみてください。