エジプトで青い建物が一際目を引くアーティスティックな村、それがヌビア村です。青い村として知られるその場所はカラフルな街並みが広がるナイル川の田舎町で、色鮮やかな色彩に包まれたフォトジェニックな村……さながら砂漠のオアシスを具現化したような観光スポットです。
今回はエジプトにあるヌビア村の観光情報をまとめます。ここでは概要・予算・時間・場所・気候・服装・治安・注意点の他、実際に訪れた管理人が厳選した見どころも紹介します。記事の最後には体験談もあるので、ぜひ海外旅行の計画にお役立てください。
ヌビア村はその存在そのものが砂漠のオアシス!
この記事では「エジプトにあるヌビア村の観光情報」「青い村やラクダ乗りの見どころ」をまとめるよ!
1.ヌビア村の概要
まずはヌビア村の概要を見ていきましょう。
- 国:エジプト
- 地域:アスワン
- 特徴:村
- 目玉:青い村/ラクダ乗り
- 方法:個人/ツアー
- おすすめ度:
ヌビア村はナイル川に寄り添うカラフルな村で、一部の旅人の間で青い村として話題となっているアスワンの田舎町です。パステルカラー調の街並みはまさに砂漠のオアシス……そこは乾いた心に潤いを与えてくれる観光スポットと言えるでしょう!
もともとヌビア地方はクシュ王国が栄えた地域で「金の産地」「産業の交易路」「奴隷・傭兵を確保する拠点」として発展していたそうです。しかし、1960年代に政府がアスワンハイダムの建設を強行、現地の人々はナイル川沿いの居住区に強制移住させられてしまいます。
その結果生まれたのが通称青い村、ヌビア村だったとか。
ヌビア地方はアフリカともアラブとも異なる文明を築いてきた地域で、その美的センスは独特。ヌビア村はそんなヌビア人の感性が爆発したアーティスティックな村です。現地はただフォトジェニックなだけでなくサンドアートをはじめカゴ細工やビーズ細工、宝飾品や皮革製品などのお土産屋も充実しています。雑多な街並みが生み出す異国情緒は他にはない唯一無二のものと言えるでしょう。
町の端から端まで歩いて20分~30分ほどの小さな村ではあるものの、ブルーを基調とした街並みはどこかオアシスのよう。インドのジョードプルやモロッコのシャウエンにも似ていますが、青の他にも赤・黄・緑のペイントが描かれるなどオンリーワンな景観が広がっています。
そこはさながら“砂漠の青空美術館”……蜃気楼と見紛う不思議な世界へと誘われる村です。
エジプトを訪れるならヌビア村は外せないね!
カイロを拠点にするなら個人で行くのもツアーで行くのもおすすめだよ!
2.ヌビア村の観光情報
次にヌビア村の観光情報を見ていきましょう。
2-1.予算
- 個人:数千円~1万円
- ツアー:1万円~3万円
- 予算総額:15万円~45万円
個人は自分での手配、ツアーは旅行会社での代行、予算総額はエジプト旅行全体(移動費・宿泊費・飲食費・観光費)にかかる目安となります。入場料はかかりません。
2-2.時間
- 営業時間:24時間
- 所要時間:1時間~2時間
- 必要期間:7日~15日
営業時間は開店から閉店、所要時間は到着から出発、必要期間は出国から帰国までにかかる目安となります。
2-3.場所
- 場所:エジプト/アスワン
- 住所:3V67+GMH, Unnamed Road, Aswan 1, Aswan Governorate 1240702, Egypt
- 行き方:電車/バス/タクシー/レンタカー/ツアー
- 電車:13時間~13時間30分
- バス:13時間~13時間30分
- レンタカー:10時間~10時間30分
- タクシー:30分~1時間
- レンタカー:30分~1時間
場所と住所は所在地の目安となります。行き方は「カイロ⇒ヌビア村」への一例であり、他の方法でもアクセスできます。直接向かうなら飛行機もしくは現地発着のツアーがおすすめです。
2-4.気候
- 1月~3月:やや暑くて晴れやすい気候
- 4月~6月:暑くて晴れやすい気候
- 7月~9月:暑くて晴れやすい気候
- 10月~12月:やや暑くて晴れやすい気候
- ベストシーズン:12月/1月~2月
平均 | 最高気温 | 最低気温 | 降水量 |
1月 | 23℃ | 10℃ | 10mm |
2月 | 26℃ | 12℃ | 0mm |
3月 | 30℃ | 15℃ | 10mm |
4月 | 36℃ | 20℃ | 5mm |
5月 | 40℃ | 24℃ | 5mm |
6月 | 42℃ | 27℃ | 0mm |
7月 | 42℃ | 28℃ | 0mm |
8月 | 42℃ | 28℃ | 0mm |
9月 | 40℃ | 25℃ | 0mm |
10月 | 36℃ | 22℃ | 10mm |
11月 | 30℃ | 16℃ | 5mm |
12月 | 25℃ | 12℃ | 0mm |
2-5.服装
- 1月~3月:体温調節できる服装
- 4月~6月:薄手の服装
- 7月~9月:薄手の服装
- 10月~12月:体温調節できる服装
- 持ち物:歩きやすい靴
2-6.治安
- やや悪い
エジプトは総じて治安が悪く、旅の拠点となるカイロも治安不良です。
2-7.注意点
- 拠点からの立地
- 動植物への接触
2-7-1.拠点からの立地
ヌビア村は日帰りでの観光は厳しいです。カイロから片道13時間30分~14時間30分ほど、往復27時間~29時間ほどかかります。観光時間を含めると1日~2日はかかるので、余裕のある日程を組みましょう。
2-7-2.動植物への接触
ヌビア村には希少生物が暮らしているため、動植物への接触には気を付けたいです。この地域一帯は貴重な生態系を構成する生き物も生息しており、ラクダなどの動物はじめナツメヤシなどの植物も分布しています。当然ながら許可なく捕まえたり摘んだりしてはいけません。
観光情報は変更となる場合があることを加味しておきたいね。
Googleマップの口コミを参考にするのもおすすめかも!
3.ヌビア村の見どころ
ここからはヌビア村の見どころをまとめます。
3-1.港のオベリスク
おすすめ度:
カラフルな文字の記念碑。
3-2.青い村
おすすめ度:
青く染められた街並み。
3-3.オアシスの絵
おすすめ度:
絵の具で描いたオアシス。
3-4.ラクダ乗り
おすすめ度:
派手に着飾ったラクダ。
ヌビア村は港のオベリスクや青い村、オアシスの絵やラクダ乗りなど見どころ満載です。
アスワンから船で向かうとまず見えてくるのが、港で異様な存在感を放つオベリスクです。オベリスクとは古代エジプト期に作られた記念碑の一種で、ヌビア村には「KATTODOOL」というカラフルな文字が描かれたオベリスクが出迎えてくれます。
船着き場に降り立つとそこはもう青い村……屋根も壁も一面真っ青な世界!
村はただ青いだけでなくオアシスの絵をはじめとする砂漠の原風景の数々が描かれており、パステルカラー調の壁画もペイントされています。そのため、ヌビア村の街並みをただただ眺めながら歩くだけでも全然飽きません。むしろ、歩けば歩くほどヌビアンカルチャーの鮮やかな世界に魅せられること間違いなしです。
ラクダ乗り体験も人気なので、気になる方はぜひラクダに乗って青い村を探索してみてください。
ヌビア村では港のオベリスクと青い村、オアシスの絵とラクダ乗りが目玉!
個人的にはカラフルな街並みの青い村がおすすめ!
4.ヌビア村の体験談
最後に管理人が2017年11月に訪れたヌビア村の体験談を記しておきます。等身大の海外旅行記としてお楽しみください。
クルーズ船コンチェルト号に寝泊まりしながらのエジプト旅、今日は小舟に乗り換えてアスワンの秘境へと向かう!
……アスワンの秘境?あんま聞いたことないけど。
実はエジプトでもあまり知られてない村なんだ。その名もヌビア村。
あぁ、旅人界隈で話題になってた青い村のことかな?
いや、知ってんのかい!せっかく“レア感”演出してたのに!
でも、確かに青い街だったらインドのジョードプルやモロッコのシャウエンが有名だけど、青い村ってのは未知かも!
こういう小さな船での旅ってのもいいよね。
船のエンジン音で震えちゃう!いや、これは新たな冒険の幕開けに対する武者震いかな?
しばらく進むと謎の建物が見えてきた!
……これぞナイルの原風景。あれはアスワンの住居かな?
……対岸の砂漠には旅するキャラバンの姿も!
あんな急斜面をするする登ってくなんて地元の人かな?
ヤギ?ロバ?を連れてこれから行商にでも行くんじゃない?
これがエジプトの日常!日本ではまず見られない光景だよね!
砂漠の国とは思えないほど、水と緑でいっぱい!
「エジプト=砂」のイメージだけど、実は結構カラフルだったり。
古代エジプトの遺跡も色鮮やかな装飾が施されてたって話だし、エジプトの人は案外鮮やかな色が好きなのかも!
砂に囲まれている分、色が恋しくなる国、エジプト。
ヌビア村に到着!ポップな屋根にカラフルな壁、なんか青くてかわいい村!
古代エジプトを象徴するオベリスクに「KATTODOOL」の文字……もう何がなんだかわかんない!笑
「KATODOOL」はヌビア語で大きな家を意味するみたい。
今まで見てきた建造物とまるで違う!もしかしてここ……パラレルワールドのエジプトなのかな?
ちなみに、あそこに見えるのはヌビア村の宿泊施設とのこと。
パステル調の壁画も相まってドラクエに登場する村に見えてきたよ!
太陽のような笑顔!眩しすぎて直視できない!
桟橋から上陸すると地元の子供たちが集まってきた!
他の観光地にいたギラギラな行商人とは違って顔がキラッキラ!歯も真っ白!
こんな眩しい笑顔ができるなんてきっと心も綺麗に違いない!
ガイドさんが村の家を案内してくれるってことで、お邪魔させていただきました……って家の中まで青い!
ここだけじゃなくて村全体が青をベースとしたパステルカラーでペイントされてるんだってさ。
……なんでこの村、こんなにもカラフルなんだろう?
ガイドさん曰くヌビア人はカラフルな色が好きなんだとか!
好きってだけでここまでするかな……これは匂ってきたぞ、ここを一大観光地にして儲けてやろうって魂胆が!
……旅人さん、野暮なこと言っちゃあいけないよぅ。
ほら!これ見よがしにお土産まで並べて、お金儲け以外に何の目的があるってんだぃ!
ツアーで立ち寄るってことはさ……つまりは“そういうこと”なのさ。
……家の中まで見せてくれるってことは要するに“そういうこと”だよね。
まぁ、他にも「砂漠に住む人は家を青く塗ることで疑似的なオアシスを作った」なんて話もあるみたいだけどね。
おぉ!そっちの方が砂漠の国らしくていいじゃない!笑
ここは砂漠のオアシス……旅のお方、今はゆっくりと休まれよ。
いや、ドンキーコングのキングクルールみたいなのいるっっっ!
これ本物のクロコダイルね。実はヌビア村では古くからワニが魔除けになると信じられてるとかで。
……こんなの悪魔どころか人っ子一人寄ってこないよ!笑
ヌビア村ではワニを飼ってる家も普通にあるみたいだよ。
ガイドさんも「ワニ抱っこしてみる?」なんて言ってるけど、さすがに無理!
こんな巨大ワニと戯れたらデスロールで一撃……一瞬でサイコロステーキになっちゃう!
扉は緑、壁にはオアシスの絵、その他は全部青。
本当にヌビアの人々がオアシスを求めて作ったみたい。
いわば、この村そのものが砂漠のオアシス。
……まぁ、ワニいるけどね!笑
屋上からの眺め!この地域一帯がリゾート地みたいな感じなのかな?
そうかもね。向こうの通りにはお土産屋さんもたくさんあるみたい。
もしかしたら数年後にはアスワンの一大リゾート地として「ふしぎ発見」とか「イッテQ」で取り上げられてたりして!
……あんな長寿番組ならもう特集してるかもよ!
家の中を見せてくれたヌビアの方々。
耳がウサギになってる帽子かわいい!
ガイドさんに案内されてシーシャ(いわゆる水タバコ)にも挑戦してみたけど、超むせた。
吸った時のコポコポコポォって音がコミカルで楽しいんだけど、強く吸わないといけないから結構大変。
感覚としては葉巻に近いかも……でもこれも貴重な体験!
あんなパリピがやりそうなもの日本では絶対やらないだろうから、逆にヌビア村で試せて良かったんじゃないかな。
砂漠において青はオアシスの象徴。ゆえに村人は街を青く染めた……まるで乾いた大地に湧く美しい泉のように。
まさにここは現代のオアシス、蜃気楼ではない実在の村。
ラクダだって超おしゃれ。派手な装飾で観光客や旅行者をおもてなし。
他にも所狭しと並ぶお土産屋さんには工芸品をはじめロザリオにビーズ、刺繍にスパイスまである。
そんなオアシスの町をラクダに乗って散策するのはいかが?
……アスワンの秘境、そこには青に彩られた美しい村があった。
ヌビア村から帰る途中、ゾウのお尻の形をした岩を発見!
ナイル川流域には大小無数の島々が浮かんでて古い遺構が残る場所もあるんだけど、その一部にはゾウのお尻の形をした岩もあるんだとか。
通称“ゾウケツ岩”には古代エジプト文字ヒエログリフの痕跡も!
……んん~!まさにノスタルジックエジプト!
いよいよエジプトナイル川クルーズの旅も折り返し地点。
途中、まだまだ古代エジプトの遺跡があるって噂だよ。
……果たして次はどんな古代遺跡に出会えるのか!
……古代文明を巡るエジプトの旅はまだまだ終わらない!
5.まとめ
今回はエジプトにあるヌビア村の観光情報、青い村やラクダ乗りの見どころをまとめました。
海外旅行でエジプトを訪れるならヌビア村がおすすめです。中でも青い村やラクダ乗りは見どころ満載なので、機会があればぜひ訪れてみてください。