アメリカの荒野に広がる砂岩の涸れ谷、それがモニュメントバレーです。錆びた砂岩に彩られた赤褐色の大地はさながら系外惑星。時空に削り取られた岩肌が描く絶景は、世界でも類を見ない景勝地とされます。そこは時の流れが止まった静寂の谷……火星と見紛う砂岩の記念碑が待つ観光スポットと言えるでしょう。
今回はアメリカにあるモニュメントバレーの観光情報をまとめます。ここでは概要・予算・時間・場所・気候・服装・治安・注意点の他、実際に訪れた管理人が厳選した見どころも紹介します。記事の最後には体験談もあるので、ぜひ旅行計画にお役立てください。
モニュメントバレーは砂岩の記念碑が聳え立つ荒野の聖域!
この記事では「アメリカにあるモニュメントバレーの観光情報」「ビュートやメサの見どころ」をまとめるよ!
1.モニュメントバレーの概要
まずはモニュメントバレーの概要を見ていきましょう。
- 国:アメリカ
- 地域:アリゾナ
- 特徴:渓谷
- 目玉:ビュート/メサ
- 方法:個人/ツアー
- おすすめ度:
モニュメントバレーは赤褐色の砂岩が聳え立つ涸れ谷で、ラスベガスから東に約700km離れた荒野に広がる景勝地です。果てしない大地に100m~300m級の砂岩が仁王立ちする光景はまるで火星……未知の惑星を彷彿とさせる観光スポットとして知られています。
その神秘的な光景から「ナバホ族の聖地」とも呼ばれ、古くから信仰の対象でもあったとか。
もともとこの地には14世紀頃までナバホ族が暮らしていたのですが、1863年~1866年の間に行われたアメリカ政府の強制収用によって住処を追われてしまいます。しかし、その後の1868年にこの地域一帯がナバホの居留地として認められ、モニュメントバレーもナバホ族の管轄となりました。
以降、この地はナバホネイション(準自治領)に指定され、現在もナバホの末裔が管理しています。
砂漠の中だけあって過酷な環境ではあるものの、その絶景を一目見ようと毎年世界中から観光客・旅行者が訪れます。特に朝焼け・夕焼けの美しさは別次元で、幻想的な光に包まれるモニュメントバレーに涙を浮かべる旅人も数知れず。変わらないものと変わりゆくもの……2つの時間が溶け合うマジックアワーは世界の名立たる絶景を凌駕するほどです!
アメリカを訪れるならモニュメントバレーは外せないね!
ラスベガスを拠点にするなら個人で行くのもツアーで行くのもおすすめだよ!
2.モニュメントバレーの観光情報
次にモニュメントバレーの観光情報を見ていきましょう。
2-1.予算
- 個人:数千円~1万円
- ツアー:1万円~3万円
- 予算総額:10万円~30万円
個人は自分での手配、ツアーは旅行会社での代行、予算総額はアメリカ旅行全体(移動費・宿泊費・飲食費・観光費)にかかる目安となります。入場料は変動するので直近の情報を調べておくと安心です。
2-2.時間
- 営業時間:8時00分~17時00分
- 所要時間:2時間~3時間
- 必要期間:5日~15日
営業時間は開店から閉店、所要時間は到着から出発、必要期間は出国から帰国までにかかる目安となります。
2-3.場所
- 場所:アメリカ/アリゾナ
- 住所:Arizona 84536, USA
- 行き方:バス/タクシー/レンタカー/ツアー
- バス:2時間30分~3時間
- タクシー:1時間30分~2時間
- レンタカー:1時間30分~2時間
- タクシー:2時間30分~3時間
- レンタカー:2時間30分~3時間
- タクシー:2時間~2時間30分
- レンタカー:2時間~2時間30分
場所と住所は所在地の目安となります。行き方は「ラスベガス⇒モニュメントバレー」への一例であり、他の方法でもアクセスできます。直接向かうなら現地発着のツアーがおすすめです。
2-4.気候
- 1月~3月:寒くて晴れやすい気候
- 4月~6月:やや暑くて晴れやすい気候
- 7月~9月:暑くて晴れやすい気候
- 10月~12月:やや寒くて晴れやすい気候
- ベストシーズン:5月~6月/8月~9月
平均 | 最高気温 | 最低気温 | 降水量 |
1月 | 5℃ | -4℃ | 5mm |
2月 | 9℃ | -2℃ | 5mm |
3月 | 15℃ | 2℃ | 5mm |
4月 | 20℃ | 6℃ | 5mm |
5月 | 26℃ | 12℃ | 5mm |
6月 | 32℃ | 18℃ | 5mm |
7月 | 34℃ | 20℃ | 15mm |
8月 | 32℃ | 18℃ | 20mm |
9月 | 28℃ | 15℃ | 15mm |
10月 | 21℃ | 8℃ | 20mm |
11月 | 12℃ | 1℃ | 5mm |
12月 | 6℃ | -4℃ | 5mm |
2-5.服装
- 1月~3月:厚手の服装
- 4月~6月:体温調節できる服装
- 7月~9月:体温調節できる服装
- 10月~12月:厚手の服装
- 持ち物:歩きやすい靴
2-6.治安
- やや良い
アメリカは総じて治安が悪いものの、旅の拠点となるラスベガスは治安良好です。
2-7.注意点
- 拠点からの立地
- 動植物への接触
- 禁止区域への侵入
- 居留地内での飲酒
2-7-1.拠点からの立地
モニュメントバレーは日帰りで観光可能です。ただ、ラスベガスから片道6時間~8時間30分ほど、往復12時間~17時間ほどかかります。観光時間を含めると半日~終日はかかるので、余裕のある日程を組みましょう。
2-7-2.動植物への接触
モニュメントバレーには希少生物が暮らしているため、動植物への接触には気を付けたいです。この地域一帯は貴重な生態系を構成する生き物も生息しており、エルクなどの動物やサボテンなどの植物も分布しています。当然ながら許可なく捕まえたり摘んだりしてはいけません。
2-7-3.禁止区域への侵入
モニュメントバレーには立ち入り禁止区域が設定されています。遊歩道にはルートに沿って柵が設置されており、それより先は立ち入り禁止です。制限エリアで事故に遭っても自己責任なので、絶対に入らないでください。
2-7-4.居留地内での飲酒
モニュメントバレーでは居留地内での飲酒が禁止されています。地域一帯はナバホネイションの管轄であり、アルコール類の提供・販売も禁じられています。飲酒運転や死亡事故の影響で飲酒は違法なので、絶対に飲まないでください。
観光情報は変更となる場合があることを加味しておきたいね。
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3.モニュメントバレーの見どころ
ここからはモニュメントバレーの見どころをまとめます。
3-1.フォレストガンプポイント
おすすめ度:
映画ロケ地の原風景1。
3-2.ジョンフォードポイント
おすすめ度:
映画ロケ地の原風景2。
3-3.スリーシスターズ
おすすめ度:
荒野に佇む三姉妹。
3-4.トーテムポール
おすすめ度:
荒野に佇む独立柱。
3-5.ビュートやメサ
おすすめ度:
赤褐色の孤立丘と平砂岩。
3-6.バレードライブ
おすすめ度:
砂埃が舞う未舗装の道。
モニュメントバレーはフォレストガンプポイントやジョンフォードポイント、スリーシスターズやトーテムポール、ビュートやメサ、バレードライブなど見どころ満載です。
ここはナバホ族にとっての聖なる大地……すべてが奇跡の積み重ねでできている絶景の谷です。
中でもフォレストガンプポイントとジョンフォードポイントからの眺めは抜群。この2つの絶景ポイントは「フォレストガンプ」「駅馬車」「捜索者」などのロケ地としても知られ、古き良きアメリカの原風景を現代に伝えています。
2億7,000万年前の地層が残るこの場所はさながら地球のストーリーテラー。砂岩(ビュート・メサ)に刻まれた地球の物語は必見です。涸れた大地に蜃気楼の如く浮かぶ砂岩、その幾星霜の時を刻む姿にはロマンを感じずにいられません。5,000万年という途方もない時空に削り取られた砂岩はさながら荒野に佇む無数の記念碑……静寂に包まれた涸れ谷に立つ姿は不朽の美しさすら感じさせます。
ナバホ居留地のバレードライブへ一歩足を踏み入れればそこは系外惑星……地球とは思えない光景に驚愕すること間違いなしです。
モニュメントバレーではフォレストガンプポイントとジョンフォードポイント、スリーシスターズとトーテムポール、ビュートとメサ、バレードライブが目玉!
個人的には異世界感が漂うバレードライブがおすすめ!
4.モニュメントバレーの体験談
最後に管理人が2016年2月に訪れたモニュメントバレーの体験談を記しておきます。等身大の海外旅行記としてお楽しみください。
モニュメントバレーに到着!この一本道「これぞアメリカの原風景」って感じがしない?
青白く光る空と赤茶けた砂岩の饗宴……なんか果てしなさすぎて呆然としちゃうね。
ずっと憧れてた場所に来れただけで感動だよ。
地平線に立つ記念碑はさながらこの地を訪れた人を祝福するモニュメント。ナバホの人たちも歓迎してくれてるといいなぁ。
これぞナバホ族の聖地!これを見ずしてアメリカを旅したとは言わせない!
どこまでも続く荒野に言葉が出てこない。いや、言葉なんていらないか。
光に照らされた砂岩はまるで天を穿つ巨大なオベリスク……こんなの感動しないわけがない!
砂岩が点在する静寂の涸れ谷。ある冒険家はその異様な景色を前にこう呼んだ……モニュメントバレー(記念碑の谷)と。
ナバホ族居住地区でもあるこの場所はまさにアメリカの原風景。
気高き部族が代々守る伝説の谷、ここだけは自分の足で立って見ないと何も伝わらない気がする。
道路脇にはフォレストガンプポイントの看板。「フォレストガンプ」のロケ地としても知られてるよね。
……って言っても看板しかないけども!笑
シンプル・イズ・ベスト!着飾らないのがアメリカ流さ!
荒野にポツンと佇む看板……これはこれで味だよね。
なんて話してたら現地のコスプレカップルに「一緒に写真撮らない?」って声をかけられたりもする。まさに自由の国、アメリカ。
素敵な出会いがそこかしこに転がってる。この先もこんな一期一会を繰り返して旅は続いていくのかな。
いよいよ、モニュメントバレーの中へ……!
ついにここまで来た。こうして荒野のど真ん中に立つとすごいところに来たんだなって実感するね。
目の前に広がる砂岩の存在感よ!いや、これはジェロニモの威圧感かな?
その圧倒的な重量感に腰骨がズッパシ抜け落ちる……今もかろうじて立ってるくらい。
雲一つない青空と剝き出しの赤岩が描くコントラスト。神々しすぎて直視できない。
ナバホの人々がこの地を信仰の対象として選んだ理由もわかる気がする。
真空かと錯覚するほどの静けさの中、火星のような景色に馬の蹄の音だけが響く……まるで未知の惑星。
不時着する天体を間違えたのかと錯覚するほど不思議な光景だね。
……なんでこんな錆びたみたいな色してるんだろう?
ここの砂岩には鉄分が豊富に含まれてて、それが酸化してこんな色合いになっちゃったんだってさ。
ここは映画のロケ地として有名なジョンフォードポイント。映画監督の名前にちなむとか。
どこを見ても映画の中にいるみたいだもんね。
「インディジョーンズ」に「トランスフォーマー」に「バックトゥザフューチャー」……名立たる映画のワンシーンもここで生まれたとか。
これは映画好きなら一度は訪れないといけない場所だね。
ちなみに、あの丘の上で馬に乗ってる陽気な小僧は……他ならない僕!気分は荒野を駆け抜けるカウボーイよ!
ここじゃ誰もが西部劇の主人公、心臓を打ち抜くガンマンさ。
ねぇこれ、フォトジェニックじゃない?
奥に見える3つの岩はスリーシスターズ。その手前には横顔ダンディな紳士とフェミニンなロシアンブルー。
こんなエモい写真が撮れちゃうんだもの。アメリカで絵になる絶景を探すなら西海岸で決まり。
中でもグランドサークルはシャッターを切るだけで絵画の出来上がり。フィルムが何枚あっても足りないよ。
あのずっと奥に見えるのがトーテムポールかな?
現在も侵食と風化が進んでていつ崩れるかわからないとのこと。
地球の歴史を物語る景色にはカメラを構えずにいられない。
さながらこの地を舞台に名作を撮ろうとする全裸監督。
いや、誰が村西とおる御大やねん!自慢のトーテムポール見せたろか!
ジェロニモさん!そのマチェーテ貸してください!
いつ朽ち果てるとも知らず、ただただ時を刻む砂岩。
この先もこういうものがずっと残る世界であってほしい。
それにしてもこんな巨大な岩、どうやってできたのかな。
モニュメントバレーは今から約2億7,000万年前の地層が現れたもので、雨風や鉄砲水によって形成されたみたい。
現在も侵食と風化が進んでいると考えると……いずれはここも形が変わってしまうのかな?
かのグランドキャニオン国立公園も数億年後にはモニュメントバレーみたいになるって予測もあるみたい。
目の前のスフィンクスみたいな岩もいずれ朽ちるのかな?いや、これはネイティブアメリカンの民族衣装かな?
将来的にはエイリアンみたいな形になってるかも!笑
脈打つ心臓と無音の静寂。あまりの絶景に言葉を失っている僕の後ろ姿をご覧あれ。
静まり返った灼熱の大地に燦々と降り注ぐ太陽……これを絶景と言わずして何を絶景と言うのか。
……アメリカで一番好きな場所、それがモニュメントバレーに決まった瞬間だった。
地平線の彼方まで続く絶景をただただ眼球に焼き付ける。
今ならどこへだって行ける気がするよ。
行けるよ、生きている限りは。
足元には巨大な砂岩の破片が突き刺さってたりする。
運が良ければ(悪ければ?)岩盤が崩落する瞬間にも立ち会えるかも!
ちなみに、ここは雨がほとんど降らないとのこと。晴天率も驚異の年間300日!まさに太陽に愛された地!
……砂漠だから昼夜の寒暖差はえげつないけどね!笑
……朽ち果てた骨の残骸!なんでこんなところに骨が?
そりゃ骨くらいあるさ!
動物の背骨か何かの骨みたいだけど、頭とか手足とかどこに消えたのよ!
……誰かが食べちゃったんじゃない?
目の前で相対するとそのサイズ感に圧倒されるね。
遥か先の砂岩との距離もあってスケール感が迷子になっちゃう。三半規管まで壊れちゃいそう。
あの砂岩1つで数百mあるんだもんなぁ……ビュートもメサもデカすぎる。
5,000万年という月日が削ぎ落した砂岩はまさに天然の芸術。
今もこの地で電気も水道もない伝統的な生活を送るナバホ族の方がいると思うとこれまた感慨深いよね。
広すぎて全部回れないのが本当に残念。アメリカの広さ侮ってた。
これにてモニュメントバレー探索は終了。本当に見事だった。
ずっとこの場所を冒険してたいところだけど、そろそろ旅立とう!
アメリカにはまだまだ絶景があるからね!ここで立ち止まるわけにはいかないよ!
静寂の涸れ谷、モニュメントバレー……最高の絶景スポットだった!永遠に忘れられない絶景を見るならこの場所で!
5.まとめ
今回はアメリカにあるモニュメントバレーの観光情報、ビュートやメサの見どころをまとめました。
海外旅行でアメリカを訪れるならモニュメントバレーがおすすめです。中でもビュートやメサは見どころ満載なので、機会があればぜひ訪れてみてください。